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カミーノ巡礼世界半周の旅。飛行機を使わず日本からアフリカまで

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2018年の6月7月と飛行機を使わずにアフリカまで行きました。
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#サンティアゴ巡礼

イタリア人マルコと歩く。7月8日

イタリア人マルコと歩く。7月8日

600mの標高差を登る今日はひたすらゆるい登り。600mの標高差を25kmかけて登る。朝一で会ったイタリア人のマルコと1日ずっと一緒に歩いた。スペイン人が、イタリア人と会話が通じるということをスペイン人からは聞いていたが、イタリア人も同じ意見なのか気になったので聞いてみたところ、マルコは「僕、今回が初めてのスペインなんだけど、言葉が本当に通じるか不安でさ。マドリードに着いた時、パンプローナ行きのバ

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ガウディがカタルーニャ以外で手掛けた数少ない建築物がある町へ。7月7日

ガウディがカタルーニャ以外で手掛けた数少ない建築物がある町へ。7月7日

暑く赤く乾いた道前日分を取り返すように早朝から、暑く赤く乾いた道を40キロ以上歩いた。

アストルガのアルベルゲで、再び再会したビュング(61)と、スロバキアの大学で生物学専攻のフィリプ(21)と彼の友人でスロバキア伝統工芸の藍染修行中のピーター(21)の4人でビールを飲みながら“高齢化社会についての議論?”で盛り上がった。

フィリプ「日本人の平均寿命が100歳超えているって聞いたけど本当?」

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お前、実は社長の息子だろ。6月30日

お前、実は社長の息子だろ。6月30日

フィエスタの残滓翌朝歩き始めると、フィエスタの騒ぎが続いていて、何人かの酔っ払いが応援してくれた。

少し歩いていると「ヨウスケ!」と、父に似た声にドキッとして振り返るとビュング(61)。

呼び方も日本人っぽい。彼はアメリカに住む韓国人。色々と話した。

「ここに来る前に何かトレーニングしたの?」と僕。

「ジョージア州からメイン州まで歩くアパラチアントレイルっていう道を歩いた」

「それ、この

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大きな街・ブルゴスに到着。6月29日

大きな街・ブルゴスに到着。6月29日

韓国語で話しかけられる29日の午前中に突然韓国語で声をかけてきたのはビュング(61)。やはり僕は韓国人に間違えられやすい。

彼は韓国で生まれ育ち、20年前からアメリカに住んでいる。IT関係の仕事から、長期休暇の取りやすい学校へ職場を変えて10年経つそうだ。

ブルゴスに到着ブルゴスの街はフィエスタ。マーチを演奏に合わせて大勢が練り歩いき、大聖堂の前では民族衣装を来た人が踊っている。

お祭り騒ぎ

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カミーノ巡礼最長距離を歩いた日。6月28日

カミーノ巡礼最長距離を歩いた日。6月28日

ペースがつかめてきた6月28日はアプリ表示距離37キロで、最長を歩いた日になった。1週間を過ぎてペースがつかめて来た。

5時過ぎに起きて、6時台から歩き出すのがいい。実際この時間帯に出発する人が多い。

アルベルゲに朝食がない時は1、22時間歩いてからバルで朝食。

2時間歩いたら休むペースで進み、15時~17時に次のアルベルゲに着く。

シャワー、洗濯、足のケアを済ませて町を散策。戻って夕食を

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歩きだしてからはじめての雨。豪雨。6月27日

歩きだしてからはじめての雨。豪雨。6月27日

葡萄畑から麦畑へ昨日の葡萄畑から一転、麦畑が延々と続く。

来る日も来る日もいくつもの丘を越え、町を越える。頭の中で奥田民生のイージュライダーという曲のフレーズがループする。

《何もないな 誰もいないな 快適なスピードで 道はただ延々続く~》

雲行きが怪しくなり遠くで雷鳴が聞こえ、ポツリポツリとなったかと思ったらすぐに滝のような雨が襲ってきた。

たまたま見つけたアルベルゲに飛び込むと、続いて

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スペイン・葡萄畑をひたすら歩く。6月26日

スペイン・葡萄畑をひたすら歩く。6月26日



夜明けとともに出発した。

有名なワイン産地、行けども行けども葡萄畑が続く。

午後、トンガ(25)に再会。行ったことのある国のことや軍隊経験の話などを聞きながら歩く。

彼は、雨が降りそうな明日は、シルエニャから次の大きな街ブルゴスまでバスで移動するという。巡礼は全行程歩かなければいけないというルールはなくて、最後の100キロを歩けば証明書自体は貰える。僕は、僕が歩くと決めているのだ。

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強い日差しの中、ひらすら歩いた日。6月25日

強い日差しの中、ひらすら歩いた日。6月25日

歩き続けるほとんど誰とも話さず挨拶程度。ひたすら歩き続けた。

スペインは雨が降らないのだろうかと思ってしまうほど、雲一つない快晴が続く。

ナバレテ(Navarrete)で初めての市営のアルベルゲに入った。

アルベルゲには5~7ユーロで泊れる公設と10~12ユーロの私設のものがある。公設は夕食がないところがほとんどで、私設は別料金で夕食を出してくれるところが多いし、部屋あたりのベッド数が少なめ

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スペイン・ワインの泉。6月24日

スペイン・ワインの泉。6月24日

アルベルゲを出て2時間。WINE FOUNTAINの文字を見つけた。

すでに先客2人が立ってワインを飲んでいた。栓をひねるとワインが出てくる。わかっていても感動。ペットボトルしかなかったのが残念だけど。

昨日エンジェラは、ひどい味だと言ってたけど、それを認識できる舌を自分は持ち合わせていなかった。その後しばらく歩いていると、ハイディに後ろから声を掛けられた。ハイディとはパンプローナの城壁で少し

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多国籍飲み会。6月23日。

多国籍飲み会。6月23日。

4回目の巡礼アリエル尾根に沿うように風力発電機が並ぶ。

山頂からの景色は、登って来た方向も、これから降りる方向も全部見渡せて気持ちの良い。

山を下りたところで少し話したのは、マドリードに住むペルー人男性のアリエル。70歳代だろう。この道は4回目で冬も来ているとのこと。

「アルベルゲはいびきがうるさいしご飯が高いから、僕はいつもテントだよ。たまに自転車の巡礼者が通り抜けて行くけど、理解できない

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ひとりだけのアルベルゲ。6月21日

ひとりだけのアルベルゲ。6月21日

フェリーペと出発荷造りの音は夜明け前から聞こえていた。
ベッドでスマホを見るとNさん(75)からのメール。
「ピレネー越えはきつかったでしょう。無理しないで自分のペースを守ってください」
会社の先輩の紹介で知り合った桶川市に住む植木職人のNさんは、70歳を過ぎてからフランス人の道を前後半2回に分けて踏破している。
「アドバイスどおり小さめのザックにして良かったです!」とメールしてあった返事だった。

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カミーノ巡礼スタート。ピレネー超え。美しすぎる景色。6月20日。

カミーノ巡礼スタート。ピレネー超え。美しすぎる景色。6月20日。

美しい朝靄の中を歩く6月20日出発の朝、鳥のさえずりで目覚めた。

朝食も、夕食を一緒にしたフランス人たちと一緒。

席に着くや「Would you sleep well?(よく眠れた)」と声をかけてくれた別の男性は、ストックホルムで航空関連の仕事に就いているという。

7時30分、スポーツ用スパッツと剱岳で履いた靴下を装備して出発。今日進む「ナポレオンルート」は、ナポレオンが遠征の時に通ったとさ

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スペイン巡礼の旅スタート前夜。6月19日

スペイン巡礼の旅スタート前夜。6月19日

ボルドーからバイヨンヌを超えてサン・ジャン・ピエ・ド・ポーへボルドーから電車でフランス領バスクのバイヨンヌへ。そこからはバスでサンティアゴ巡礼の起点の村サン・ジャン・ピエ・ド・ポーへ向かった。
バスには、大きなザックを持つ人、坊主頭の西洋人女性、韓国人女性…、友人連れは楽しそうに話し、ひとりの人は皆神妙な面持ちのように見える。
明日からいよいよだ。僕は、不安と興奮が入り混じった気持ちで車窓から見え

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サンライズ出雲に乗って境港へ。6月1日

サンライズ出雲に乗って境港へ。6月1日

2か月休暇の初日2018年6月1日金曜日。遅くに目覚めると、妻はもう出勤した後だった。ダイニングテーブルに「いってらっしゃい 気を付けて うわきすんなよ」という筆圧強めのメモが置かれていた。

その晩僕は、誰に見送られることもなく、東京駅から寝台列車サンライズ出雲の3,760円の切符に寝台料金520円を追加した「のびのび座席」で出発した

今回の旅の荷物は以下の通り