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おさむの詩

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2023年6月の記事一覧

僕の考える愛について

僕の考える愛について

 愛について論じるのは
 愚行だと言われているけれど
 それでも僕は
 愛について語りたい

 愛とは何か?と言われれば、僕は
 思いやり、慈悲、忍耐と言いたい

 愛はどこから来るのか?
 それは簡単だ
 愛は心から衝動的にやってくる
 また愛は世界中に
 何処にでも存在している
 君も愛の存在だし
 僕も愛の存在だ
 これは間違いようのない事実だ

 愛が無いように見えるのは
 人のエゴが入っ

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梅雨の終わりに

 皆が、今年は空梅雨だと言う。

 梅雨の貴重な晴れの日
 (といっても昨日も晴れだった。)に
 空から燦々と
 降り注ぐ太陽の光と
 晩夏のような暑さを
 その身に受けてか
 萼が少し萎びた紫陽花が
 林の間を駆けてきた風を
 大きな青葉に滑らせながら涼んでいた

 梅の実は黄に色付き
 早く採って欲しそうに
 重たいその身を木にぶら下げていた

 地に落ちたものは誰にも拾われず
 また来年に会

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白紙の詩人

 何も書けなくなってからが
 本当の詩人だと、誰かが言っていた

 僕は今、詩を書けていますか

 何も題材が無く
 閃きも無く
 日常に思うところも無く
 ただ衾を被って
 生きている僕は
 詩人ですか

 書けば書くほど
 ただ恥に恥を塗り重ねて
 書いたものを反芻しては
 慚愧が襲いかかる

 生きてるかどうかさへ
 怪しいこの身を引き摺りながら
 何かを探して
 何も見つからない

 書き

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空梅雨の朝に

空梅雨の朝に

 朝早く起きて
 開けっ放しの窓から入ってきた
 まだ日に当たってない冷たい空気に
 くしゃみしてから布団に潜る

 このまま二度寝してしまおうか
 いや涼しい早朝の空気を味わいたい
 起きて全部の窓を開けていく

 空の明るさに目を覚ました観葉植物たちが
 件の冷気に体震わせながら
 今日はお水が貰えるかしら
 まだまだお水は充分だわと
 鳥たちの囀りと共にお話をしている

 梅雨明りの太陽が登

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見えない読者

見えない読者

 神は僕の作品を愛しておられる。

 人から読まれずとも、
 内容が暗くとも、
 一人の創造者として、
 僕を、作品を、神は愛しておられる。

 天使は僕の作品を楽しみにしている。

 神に似せて作られた、
 創造者である僕の、
 創造したものは全て、
 天使たちの楽しみのひとつである。

 妖精は僕の作品を面白がっている。

 人ってこんなに、
 面白いことをするんだと、
 興味深々になって、

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解放されたい

 解放されたい
 この重たい体から解放されたい

 きっと素敵なことだろな
 きっと楽しいことだろな

 部屋から出ず
 何も食べず
 ずっと布団にくるまって
 悶々としている日々

 あの人は明るくていいな
 あの人は楽しそうでいいな

 でも、僕の、
 僕にとっての幸せは
 安楽死すること、ただそれだけ

 僕は死んだほうが得をすると
 社会的な損得勘定で出された
 自分の価値を見定めて
 少

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何もしてない時の過ごし方

何もしてない時の過ごし方

 何もしていなくても、
 心や頭の中は忙しくしている。

 意識がぼーっとしていることはなく、
 いつも何かを考えて、
 いつも何かを思っている。

 僕はいつも、
 何もしていない時は、
 「暇だなあ」「退屈だなあ」
 と考えてしまう。

 それだからか、
 何もかもが面白くなくなって、
 本当に退屈になる。

 僕は考えた。

 面白半分で、
 「充実してるな」と考えると
 どうなるんだろう。

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太宰治週間と名付けて

太宰治週間と名付けて

 君の死を想う

 今日のような
 雨空、曇り空の下で
 入水したのかと思うと

 なんとなく、仕方ないよなあと
 共感してしまう

 人として生きるって
 難しいことだよな
 上手く生きるって
 難しいことだよな

 君が入水した時の川は
 君の姿を見て、何を思ったか

 きっとその川は
 「仕方ないな」と
 受け入れてくれたんだろう

 きっと今の時期の雨は
 今も昔も変わらず
 君を偲ぶ人た

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空白を好む人々

空白を好む人々

 小説を書く私と、詩を書く私。
 ふたつの私が存在する。

 その上での話。

 小説を書くと文字を詰める。
 詩を書くと空白を作る。

 私はそう努めて書いている。

 私は思うに、
 読者は詩の内容だけでなく
 詩が持つ空白をも
 好むのではなかろうかと。

 空白に息を込める。
 空白に余裕を持つ。

 そんな気がするのだ。

 詩が持つ空白には、
 何かが潜んでいる。

 そんな気がしてな

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