見出し画像

見えない読者

 神は僕の作品を愛しておられる。

 人から読まれずとも、
 内容が暗くとも、
 一人の創造者として、
 僕を、作品を、神は愛しておられる。

 天使は僕の作品を楽しみにしている。

 神に似せて作られた、
 創造者である僕の、
 創造したものは全て、
 天使たちの楽しみのひとつである。

 妖精は僕の作品を面白がっている。

 人ってこんなに、
 面白いことをするんだと、
 興味深々になって、
 僕の作品を面白がって見ている。

 作品が読まれないと、
 数字ばかりを追うと疲れてしまう。

 数字以外の場所で、
 それこそ目に見えない存在たちが、
 君が何かを作り上げたことを、
 賛美し、祝福しているだろう。

 自然の中に入って行き、
 作品を広げて読み上げれば、
 木々や草花が君のぽつり呟きに、
 うんと頷いてくれるだろう。

 気を落とすな。
 創作における絶望の淵において、
 神は、天使は、
 無条件の愛によって君の全てを愛する。
 妖精は、君の作品を心待ちしている。

 だから、泣かないで、苦しまないで、
 悩まないで、迷わず君の個性を発揮させて。
 どうか少しでも、楽になりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?