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ベトナム生活

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ベトナム生活の雑記
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#ベトナム

ベトナム考察 [社交辞令とコーヒー]

ベトナム考察 [社交辞令とコーヒー]

 
「日本人はよく社交辞令言うよね」

日本へ行ったことのあるベトナム人から、よくそんなことを言われる。続いて、「あれ、嫌いなんだよね」とも言われる。

「確かにな」と思う。同時に、「良くないな」とも思う。だけれど、大人になった僕たちが、社交辞令なしで良好な人間関係を構築できるほど、無垢な心を持ち合わせているはずもなく。もはやそれなしで社会生活を営むことが困難なのは、日本で生活する多くの人が感じて

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イタリアンレストランで感じたボーダレス社会

イタリアンレストランで感じたボーダレス社会

先日、同じアパートに住んでいる友人数人と、ハノイ市内で有名なイタリアンレストランに足を運んだ。

メンバーは、日本人2人、ベトナム人2人、そしてアメリカ人1人だ。このアメリカ人がなかなかの食通で、日本食についてもやたらと詳しい。「ダシは昆布や鰹節でとらなければならない」とか「日本酒は辛口に限る」とか、その知識を惜しげもなく披露してくれる。

今回のイタリアン訪問も、そんな彼たっての希望だった。イタ

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ベトナム生活5年目突入

ベトナム生活5年目突入

ハノイに住んで、もうすぐ4年になる。4年という文字を見ると、その長さに愕然とするが、体感的にはあっという間だった。今でも、はじめてこの国に来た時のことをはっきりと覚えている。

フィリピンでの語学留学を終えた僕が、マニラからLCCでハノイのノイバイ国際空港に降り立ったのは、4年前の5月だった。

深夜着の便で、日はとうに落ち、空港も無機質で薄暗かった。排他的な社会主義国の雰囲気を感じながら、VIS

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[ベトナム考察] ご飯を残す

[ベトナム考察] ご飯を残す

ベトナムの人は、よくご飯を残す。

それも、お金持ちが豪華なレストランでたくさん注文して残すというのとは趣が違って、一般庶民、誤解を恐れずに言えば、貧しい部類に入るであろう人たちの間にも、この「残す文化」が浸透している。

ベトナムで最も安価に外食を済ませるのなら、「コムビンザン」という店になる。作りおきのおかず数品とご飯をワンプレートで食べさせる店で、ハノイなどの都市部で、大体150〜200円ぐ

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[ベトナム考察] すぐ迷子になるベトナム人

[ベトナム考察] すぐ迷子になるベトナム人

どうでもいい話だけれど、最近、髪を伸ばしている。理由は「外国人扱い」してもらうためだ。

日本人とベトナム人の顔は、同じではないけれど、極めて似ていると思う。ベトナムは東南アジアの国だけれど、タイやフィリピンのように浅黒い人は少ない。顔もいわゆる「東南アジア人」と聞いて思い浮かべるような、鼻が潰れた二重瞼のワンパターンではなくて、鼻筋の通った人もいるし、一重瞼の人もいる。

歴史的に中国との繋がり

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[ベトナム考察] 人間関係の構築と南北の違い

[ベトナム考察] 人間関係の構築と南北の違い

北ベトナムはシャイな人が多いと思う。

いや、シャイというのは語弊があるかもしれない。日本人が人付き合いする時の距離感に近いと言えば、分かりやすいだろうか。

初対面で打ち解けるということは少ない気がする。それがお酒の席であれば、アルコールの魔法で、その場だけは何となく分かり合った風になるものの、翌日にはなんだかお互い恥ずかしくて、あまり言葉を交わさないこともある。

そのあたりの心の機微が、なん

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[ベトナム考察] だから今日もバイクに乗る

[ベトナム考察] だから今日もバイクに乗る

ベトナムでの移動手段はバイクに限る。

地方都市は勿論、ハノイやホーチミンシティーといった大都市でさえ、公共交通機関は市営バスのみだ。「来年開通予定」と言われ続け、はや数年が過ぎている高架鉄道が、今年こそは開通するともっぱらの噂だけれど、おそらく今年も無理だろうと思う。ここはそういう国だ。

話を戻そう。なぜ、市営バスがあるのに、移動手段はバイクに限るのかというと、このバスがとてつもなく不便なのだ

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[ベトナム考察]なぜベトナム人はクオリティの低い嘘をつくのか

[ベトナム考察]なぜベトナム人はクオリティの低い嘘をつくのか

 ベトナムに住んで約3年。今回は、ベトナム人についての考察ということで。もし、ベトナムの方が読んで、気分を悪くされたらごめんなさい。

僕が住んでいるのは北部のハノイなので、中部や南部では、もしかすると違うかもしれないけれど、

「嘘」

これが非常に多い。それも、誰が聞いても100%嘘だと分るようなクオリティの低さだ。

例えば、あるスタッフが仕事に遅れてきた。「髪を洗ってもらいに美容院へ行った

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誰もいない町〜ベトナム旧正月〜

誰もいない町〜ベトナム旧正月〜

 僕は今、ベトナムのハノイに住んでいる。旧宗主国のフランスがやって来るずっと前から、隣国である中国の影響を受け続けてきたこの国では、旧暦を重んじる。故に、お正月といえば1月後半〜2月初旬までの旧正月を意味する。

旧暦は、月の満ち欠けのサイクルに基づいて1カ月を定めているので、そうすると1カ月が約29.5日にしかならないらしい。すると、1年間は29.5日×12カ月=354日となり、「新暦」の1年3

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