記事一覧
チャコの海岸物語 サザンオールスターズ エボシ岩の先端に立つ風見鶏
楽曲まるごと渾身のウィット、ジョークみたいな真実のエンタメ愛。キーワードのエボシ岩、チャコ、ミーコ、ピーナッツについておさらい。涙で揺らぐ視界を表現したような意図を感じる音像の妙味に感服。
日曜日 高田渡 『ごあいさつ』『汽車が田舎を通るそのとき』聴き比べ
毎週やってくる日曜日。ルーティンがないから何があったか忘れてしまうのか? あるいはそれでも強烈に残る出来事があれば曜日は関係ないでしょう。多くのアーティストが題材にして歌う日曜日。高田渡さんのアプローチは……正直で何気なくて、日常の中にある旅のよう。
断捨離が嫌いだ つながり、保ち、見守り、価値を見出すトキメキ
断捨離が嫌いだ。そこにその物体がある歴史や背景に私はトキメく。価値がない不要物などない。己が成長変化しこれからその価値に気付く資源なのだ。断つな、つながれ。捨てるな、拾え。離すな、近寄ってみろ……(断捨離への理解不足による誤解かもしれないが)
前髪は天然の日除け
歌ったり曲作ったりすること自体がSSWのペルソナの保証です。どうせならもっと色んな仮面をかぶってみたい。酒がうまいとか飯がうまいとかから、そんなん誰がわかんねんってやつまで。素顔がわからなくなるくらいにね!
何気ないことであっても、忘れないように。
夜明けのBEAT フジファブリック 煩悩の無酸素ダッシュ
モテキの疾走する森山さんを脳内反芻。キレッキレの轟音は街の喧騒と心臓の生理の重ね合わせ。埋め尽くすリズムのギターリフに無呼吸ダッシュを強いられる気分。サビボーカルのブルーノート最高。永遠にカッコ良い曲。
Yesterday The Beatles 昨日と今日に架ける梯子
はっとするような音程の移ろいや響きの緩急。昨日と今日のはざまを揺らぎ、つなぐいつ聴いても世界の時事ネタであり続ける名曲、The Beatles『Yesterday』リスニングメモ。今さら? いえいえ、今から。何度でも。
たいくつ 井上陽水 望郷の哀歌
井上陽水さんの歌に感じる「冷たさ」。現実の裏面を射抜く清涼感。等価交換の原則すら顔パスした絶対領域。鑑賞中だけは何者でもないことを赦され、歓迎される。「音楽=自己表現」への最たるカウンター。
朧月夜(唱歌) 倍賞千恵子の歌唱 霞の観念
2番の歌詞がおもしろいのは、「~も」で名詞を連ねきって、そのすべてが朧月夜に霞んでく風情を歌っている点です。「●●も××も△△も……すっかり日が落ちて霞んでしまうよ、おぼろ月夜」という意趣を感じます。昼間の陽光を反射した生きとし生けるもののテクスチャも、光の量が減って見えかたが変わるのです。
春よ、来い 松任谷由実 のぞみとの距離
松任谷由実さんの傑作『春よ、来い』はなんとなく「いまが春」のときに思い出したり聴きたくなったりする歌のように思うのですが、あらためて歌詞をながめてみると、まだどこかでうずくまっている春、記憶のなかにある美しかった春、これからやってくるべき春を思わせます。