Bach Kantaten_Cafe Ataraxia

「プレミアムコーヒー」「クラシック音楽」「クレデンザ蓄音機」がキーワード「かふぇ あた…

Bach Kantaten_Cafe Ataraxia

「プレミアムコーヒー」「クラシック音楽」「クレデンザ蓄音機」がキーワード「かふぇ あたらくしあ」(千代田区神田神保町2-12-4 エスペランサ神田神保町Ⅲ B1F )店主。 「皆様と私自身の心豊かな生活のために」がコンセプトです。

マガジン

  • かふぇ あたらくしあ の 徒然

    東京・神田神保町のカフェ「かふぇ あたらくしあ」の店主、久保田克敏が日々のカフェ営業の中で出会った人、もの、考えたことを切り取って、タイトルのように徒然に語るシリーズです。

  • クレデンザ1926 × 78rpmの邂逅

    1926年製「ヴィクトローラ・クレデンザ」。この“蓄音機の王様”で78rpm(SP盤)を再生。その動画と連動し、大切にしたいクラシック音楽の魅力に迫ります。

  • シレナ1912×78rpmの邂逅

    東京・神田神保町のクラシック音楽カフェ「かふぇ あたらくしあ」に匿われている(!)、1912年帝政ロシア下ポーランドで生産されたSyrena(シレナ)ラッパ型蓄音機で、1924年以前にアコースティック録音されたSP盤を演奏した動画と共にお届けします。

  • デッカ・ジュニア・ポータブルと女声ドイツ・リートの旅

    超小型ポータブル型蓄音機「DECCA Portable Junior」で女声ドイツ・リートの10インチSP盤を再生し、その歌曲や歌手の魅力に迫ります。

  • ピアノふにゃふにゃHMV-102と女声ドイツ・リートの旅

    ポータブル型蓄音機の最高峰と言われるHMV-102。 そのブルー・カラーをお手頃価格で手にしたものの、何故かピアノや弦楽器の音がふにゃふにゃとふらつき・・・。 ゼンマイもモーターも総取っ替えしたものの症状改善されず。 でも逆にそれが何だかとても愛おしい。 2023年9月から3か月連続で私の店「かふぇ あたらくしあ」で行うドイツ・リートの企画と連動して、女声ドイツ・リートのSPレコードをこのHMV-102で再生した動画もご覧いただけるシリーズです。

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78rpmはともだちこれまで、1948年にLPレコードが発売されるまでの音楽鑑賞ソフト(音盤)であった78rpm(日本ではSP-Standard Play-盤と呼ばれている)を「78rpmはともだち」とタイトルして綴ってきた。
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皆さんは『グルメサイト』というと、何を最初に思い浮かべるだろうか??
やっぱり『食べログ』?

以下に記したのは、最近食べログのあたらくしあ公式ページに書き込まれたお客様のクチコミ。結構面白いのと、色々なことを考えさせられるので原文のまま掲載する(食べログの当該ページは「こちら」からどうぞ)。

独特の文末表現も影響してか、この投稿をされた方が、店を褒めているのかお気に召さなかったのかが、サラッと

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私が営む「かふぇ あたらくしあ」は定休日の日曜日を中心に、店主催のコンサートやイベント(レコード、蓄音機、生演奏、トークショー、落語会 etc
)を開催している。月例になっているものが2つあり、他の週にもコンサートやイベントを開催していることが多いので、結果定休日と言いながら、
私自身は第3月曜定休日以外に休みを取らない(取れない)という月も結構多い。
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オトマール・スウィトナー (Otmar Suitner, 1922年5月16日-2010年1月8日)。

生前、東ドイツ国籍でないにもかかわらず、ドレスデンとベルリンの国立歌劇場の音楽監督を務め、ここ日本ではNHK交響楽団の名誉指揮者としても度々来日したので、ファンも多かったスウィトナー。
特にその交響曲やオペラの演奏にかけては、躍動感と優雅さを併せ持った音楽表現で、時代を代表するモーツァルト指揮

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かふぇ あたらくしあの徒然 #5~小物は小物

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先日とある音楽イベントに伺った。

主催者兼出演者であるK氏は私が営んでいるカフェの常連さんで、真面目で音楽に対して熱心でよく研究、調査をしている20代半ばの若者だ。
彼が好み、そして研究、調査している音楽ジャンル「NR」(それを書くとK氏が誰であるかがわかる人にはわかってしまうので、今回は敢えてそれをこう表す)で、伺ったイベントは、そのNRの歴史の中でとても重要な作曲家であるH氏の音楽活動を振り

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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #134〜笠置シズ子『センチメンタル・ダイナ』(1946)

クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #134〜笠置シズ子『センチメンタル・ダイナ』(1946)

「ブギウギ」も明日から本格的に戦後編。

というわけで、昭和21(1946)年11月の戦後第一作『センチメンタル・ダイナ』。

戦前、デビュー作『ラッパと娘』に次ぐ第二作のリテイク版。c/wはドラマでお馴染み『アイレ可愛や』。

Victrolaクレデンザ蓄音機で笠置シズ子の真髄を。

絶対的負の領域から生まれたカラヤン/ベルリン・フィル、3回目の「ベートーヴェン 交響曲全集」

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これはヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)が残した最後の「ベートーヴェン交響曲全集」。1982年〜84年の録音。
時代的に既にCDは世の中に登場していたけれど、これは並行してまだ発売されていたLP7枚組。

カラヤンとベルリン・フィルのスタジオ・セッションによる交響曲全集は3つ。それに映像作品や来日公演のライブ録音を加えたら、さらに全集のタイトル数は増える。
ベルリン・フィルとの全集

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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #133〜淡谷のり子『別れのブルース』(1937)

クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #133〜淡谷のり子『別れのブルース』(1937)

3年ほど前、78rpm対応のレコードプレーヤーにSP再生用カートリッジを装着して電気再生した淡谷のり子先生の『別れのブルース』YouTube動画をアップした。
そしてこのnoteでも紹介させていただいた。

先日、久しぶりにYouTubeチャンネルを確認したら、この動画の再生回数が2.8万回となっていて、自分の目を疑った。
うる覚えながら、半年前くらいには1千回にも満ちていなかったように思う。

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かふぇ あたらくしあ の 徒然 #4

かふぇ あたらくしあ の 徒然 #4

この後記すテキストは、あたらくあからのご案内ではありません。

これはSNSから拾ったあるジャズ喫茶のお客様へのご案内文。

ジャズ喫茶に限らず、いわゆる名曲喫茶と呼ばれるクラシックの音盤を流し、あるいはリクエストを受け付けてくれる店でも、こういった類の案内をネットに掲載したり、店のエントランス、店内に張り出す店は多い。

それはそうだろう。店の大切なコンセプトが「音楽をじっくりゆっくり聴き、味わ

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シレナ1912×78rpmの邂逅 Vol.14~アーノルド・フォルデジー サラサーテ『ツィゴイネルワイゼン』(チェロ編曲ver. 1921)

シレナ1912×78rpmの邂逅 Vol.14~アーノルド・フォルデジー サラサーテ『ツィゴイネルワイゼン』(チェロ編曲ver. 1921)

ハンガリー・ブダペスト出身のチェリスト、アーノルド・フォルデジー(Arnold Földesy, 1882-1940)。

フォルデジーは1920年代にはベルリン・フィルハーモニカーの主席チェロ奏者を務めていた。
よって、現在では彼より遥かに有名、そして20歳あまり若かったチェリスト、グレゴール・ピアディゴルスキーとこのオーケストラの首席の座を分かち合っていたことになる。

フォルデジー、ピアディ

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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #132~Y.アストリュック(Vn)D.ミヨー『春のコンチェルティーノ』

クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #132~Y.アストリュック(Vn)D.ミヨー『春のコンチェルティーノ』

年を跨いでしまったけれど、2023年に手に入れた盤で印象深かった1枚。

私は熱心なダリウス・ミヨーのファンというわけではなく、イヴォンヌ・アストリュック(Yvonne Astruc, 27 avril 1889 - 17 octobre 1980)という女流ヴァイオリニストのことも、殆ど(A.コルトーの招きにより、パリ音楽院で教えていたことくらいしか)知らなかった。

でもe-bayでこのSP盤

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ショスタコーヴィチ『交響曲第8番』、そしてコンドラシン〜1943年と2023年の合せ鏡〜

ショスタコーヴィチ『交響曲第8番』、そしてコンドラシン〜1943年と2023年の合せ鏡〜

年内最終営業日。

開店と同時にかけたのはショスタコーヴィチの『交響曲第8番』。
キリル・コンドラシンが指揮するモスクワ・フィルハーモニ―管弦楽団、1967年4月11日の録音。

何故、このレコードをターンテーブルに乗せたかと言えば・・・。

この交響曲は1943年11月に初演された。
時は第二次大戦中、スターリングラードの攻防戦で多くの犠牲者を出しながらも、ナチス・ドイツに勝利したソビエト。

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オイゲン・ヨッフム/ロンドン・フィルハーモニー 「ブラームス 交響曲全集」(1976) フランス・プレス

オイゲン・ヨッフム/ロンドン・フィルハーモニー 「ブラームス 交響曲全集」(1976) フランス・プレス

ヤフオク!って、今日届いたLP4枚組。
オイゲン・ヨッフムとロンドン・フィルハーモニーの「ブラームス交響曲全集」。1976年録音。

リリース当時『レコード芸術』誌で「レコード・アカデミー賞」も獲得して、世評的には素晴らしい演奏と言われてきた。

発売当時私は中学生で、NHK-FMの新譜紹介番組で聴いたのだけれど、その良さがあまりよく分からなかった。
当時ブラームスの交響曲と言えば、クルト・ザンデ

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ベルリン・フィルの本気

ベルリン・フィルの本気

昨日、世界一のオーケストラ(「何を基準に皆そう言うのか?」という議論は今は止めておく)、と言われるベルリン・フィルの功罪の『罪』をたっぷり書き連ねた。

だから今日は逆にベルリン・フィルのメンバーが、如何にアンサンブルの達人だったか?という問の答として、これ以上適切なものはないであろうLPレコードをご紹介することにする。

ヴィヴァルディを代表する作品、「合奏協奏曲集 作品3《レストロ・アルモニコ

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「巧い」と言われるベルリン・フィルの功罪の「罪」

「巧い」と言われるベルリン・フィルの功罪の「罪」

シューベルト『八重奏曲』。
ベルリン・フィル八重奏団のLP。

と言っても、本体が日本公演を終了し帰国の途についた後も居残ってコンサートを開いている、あの日本人コンサートマスターがリーダーを務める現在の同名の団体とは全く別物と言っていい、フルトヴェングラーの音楽を知り尽くした猛者どもが1950年代に録音した音盤。

先ごろのベルリン・フィルの日本公演に行かれた何人ものうちのお客様から、公演の感想を

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クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #131~ロッテ・レーマン『きよし この夜』(1925)

クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #131~ロッテ・レーマン『きよし この夜』(1925)

「かふぇ あたらくしあ」から一足早いHappy Christmas!

1925年10月にレコーディングされたロッテ・レーマン(1888-1976)の『きよし この夜』。
独Odeon録音の米Decca ライセンス盤。

オリジナルのドイツ語歌唱。
クレデンザで再生。

動画の途中に出てくるのは「日本のルオー」と呼ばれた宗教画家、田中忠雄氏の『羊飼いたちの礼拝』。

あたらくしあには田中画伯の油彩

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