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短歌

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やはらかな詩集【短歌2023070401】

やはらかな詩集【短歌2023070401】

謹呈の栞もそのままわがもとへ
古書として来しやはらかき詩集

【短歌】雨の底2023060701

【短歌】雨の底2023060701

雨の底に痛み持つ身を沈ませて誰にも依らぬ重き魂

短歌 2014年九月

短歌 2014年九月

南の戸放てば光る秋の風朝の顔して白きふりする

百合に住む毒蜘蛛もまだ生きている やがての冬をどうするのだろう

地を覆ふ今し鋭き彼岸花戦は秋になししものとふ

短歌 2012年5月

短歌 2012年5月

楠の葉がうねり騒げばまつろはぬ者側の血が流れをるかと

蒼穹がジャッジメントの場であれば変わらぬ日々を過ごしていよう

あえぬがにあらあら揺るるおおでまり集まる風を抑えきれない

短歌

短歌

紫陽花が枯れゆくことと引き換への夏を思ひぬ六月尽きん

短歌201409葡萄の実

擡げればぽたぽた落ちる葡萄の実離れる時はこのやうでよい

短歌201309

やさしきは夜半(よは)の虫の音 月窟に眠るをまるく包みて添はん

短歌201508蝉頻り

短歌201508蝉頻り

その年の夏を思はば追悼の読経のごとく蝉頻りなり

蝉の声も一段落しましたね。

短歌201106長崎にて

短歌201106長崎にて

長崎を旅したときの歌です。
・有明の景を分けたる堰遙か空の灰色海の灰色
・爆心地木々蒼黒を深くして語り人囲む制服の子ら
・名を知らぬ黄の花群の道入らば絵本の並ぶ館ありけり
(花群…はなむら)
・花でいご花殻の乱れ落ちざまに恋が傾き始める予感

短歌/俳句201108 出雲と松江の旅

短歌/俳句201108 出雲と松江の旅

2011/8月(松江にて)
八雲立つ出雲の方の湖の上に混沌ゆ日の階下りぬ

※方(かた)湖(うみ)上に(へに)読みは(えに) 階(きざはし)下り(おり)

すいません。読みの指定が多くて💦笑

(出雲にて)
十九社ゆ涼風の来て和まれり

※十九社(じふくしゃ)読みは(じゅうくしゃ)出雲大社に集まってくる神々の宿舎となる細長い社のこと。
※ 和まる(のどまる)

短歌201207くぜり【解説】

短歌201207くぜり【解説】

「鳥の棲むさ青の空には陰なくてくぜり聴きつつ穏しき真昼」

さ青…さを
くぜり…鳥のさえずりのこと。漢字にすると「口舌り」「口説り」
口説りのほうがイメージに近いです。

この歌どう思われますか?
私は、自分で作っておいて何ですが、好きじゃないんです。笑

歌の意味は、「ある日の真っ青で雲ひとつない空。鳥が棲む空。全く陰がないではないか。鳥がさえずっている。なんて穏やかなまっ昼間だ!」
でしょうか

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短歌201507麦わら帽子

短歌201507麦わら帽子

麦わらの匂ひ懐かし帽子屋の麦わら帽子のリボンは気取る