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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】「ワイン」で医者いらずとは!?

お花見、送別会、歓迎会などなど。
この季節は、何かと人が集まってお酒を口にする機会が多くなりますね。

お酒と言えば、日本には「酒は百薬の長」ということわざがあるとおり、適度にお酒を飲むことで長生きができると言われています。
実は、同じようなことわざが、諸外国にもたくさんあるんです!!
いくつか、ここでご紹介をしましょう。

●美味しいパンとご馳走、それに旨いワインがあれば医者いらず(フランス)
●ワインはよい血をつくる(イタリア)
●あらゆる心配はワインで減少する(インド アミット・カランツリー)

このように、東西を問わず、昔から適度なお酒は健康によいものと考えられているようですね。
古くは、クレオパトラがワインを愛飲していたという逸話も残っています。
そこで今回は、絶世の美女クレオパトラにあやかって「ワイン」をとりあげ、そのヒミツ、「ワイン」のすごさをご紹介していきます。

『4.ワイン の簡単レシピ』では、からだを温める『ホットワイン』と、おつまみにも箸休めにもなる『新たまねぎのワイン漬け』の2つをとりあげています。
では、最後までお楽しみください。

1.ワインの由来

シリアの首都ダマスカスの近郊で8000年くらい前の果汁の搾り器とブドウの種が発見されており、古代地中海東域がワインの発祥地と考えられています。

日本では明治時代初期に山梨県で国内生産が始まったといわれていますが、ワインの酸味や渋味が当時の日本人の食生活にはあわなかったため、甘味料や香料を加えたものが広まったようです。
本格的なワインが広く普及したのは第二次大戦後。
1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万国博覧会開催によって欧米のライフスタイルや食文化が知られるようになったことがきっかけとなっています。
その後1990年代後半には、ブドウの色素成分であるポリフェノールの抗酸化作用が脚光を浴び、赤ワインブームが起きました。
ワインの消費が増えるにつれて国内での生産も盛んになり、現在では主な生産地の山梨県、長野県、北海道以外にも、全国各地に『日本ワイン』のワイナリーがあります。

筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』は千葉市内千葉駅すぐに所在しています。
千葉市内ではありませんが、千葉県にもワイナリーはあります!
横芝光町の『斉藤ぶどう園』は1938年からワインを作り続けているという歴史のあるワイナリーだそうです。
多古町の『船越ワイナリー』は、2020年の創業。地元で育てたぶどうを原料にしたワインの醸造を目指していて、現在生産中のワインは多古町のふるさと納税の返礼品にも取り上げられているようです。
また、都市型ワイナリー『FUNABASHI COQ WINERY』も2021年に船橋市で創業しています。
ワイン好きな人も、そうでないけど興味をもった人も、機会があれば、ぜひこういった場所を訪ねて、ワインに親しんでみてください。

2.栄養学としての効能

「ワイン」に含まれる、ポリフェノールが健康によいことはよく周知されていますが、原料となるブドウが持つ色素のアントシアニンや渋味の成分であるタンニンも健康によいことがわかっています。

●ポリフェノール
抗酸化作用や老化防止作用があります。ブドウの種に多く含まれる成分のため、果実だけを発酵させる白ワインより、ブドウを丸ごと発酵させる赤ワインのほうがポリフェノールが多く含まれています。

●アントシアニン
ブルーベリーでよく知られている紫色の色素です。疲れ目の改善や視力の向上に効果があり、また、抗酸化作用や血液をきれいにする作用もあります。

●タンニン
抗酸化作用や抗菌作用があり、便を固くする働きもあります

そのほか、ワインには鉄分が含まれることから、貧血を予防する働きもあります。
また、研究ではHDLコレステロール値を高めることで動脈硬化を防いだり、がんや心臓病を予防する効果も報告されています。

万能薬にも思えるワインですが、効果を期待するならくれぐれも飲みすぎないようにしましょう!

特に、妊娠中の女性や持病のある人、服薬中の人、生活習慣病のリスクがあって体重管理をしている人などは、飲酒が健康に悪影響を与えることもあるので注意してくださいね。

3.東洋医学的な効能

つぎに、東洋医学的な「ワイン」の効能です。

『鍼灸 あやかざり』は、女性とこども専門鍼灸院ですが、鍼灸は東洋医学的な考え方を大切にした治療法であり、鍼灸治療後の症状の改善に役立てる、日常的な養生の方法のひとつとして、食生活上で気を付けることをお話することもあります。
最近では、女性のみなさまは、ビールや焼酎などのほかに、ワインを好まれる傾向にあると、問診を行っていて実感しています。
また、アルコールは健康にとって悪者として扱われることが多いイメージがあり、飲まないほうがいいですか、という質問も患者様から受けることがありますが、意外とそうとは限りません。
むしろ、アルコールを食養生のひとつとしてお勧めするケースも多々あります。

食養生としての「ワイン」、飲んだほうがいいの? 飲まないほうがいいの?といった疑問に対する答えを、ここで皆さまにぜひご紹介したい、と思います。

「ワイン」は、東洋医学においては、以下のような属性と効能をもちます。

【性質と味】甘・辛・渋、熱
【関連する臓腑経絡】肺・胃・脾・肝・心経

「ワイン」を飲んだほうがいいかどうかは、人それぞれ、東洋医学的体質により異なってきます。

〈ワインが身体にとってよいとされる体質〉

●「気滞鬱血」タイプ
イライラすることが多く、精神的なストレスが目立つ場合、身体の循環が停滞しやすく血流が悪くなりがちです。
ワインが一日のストレス発散となり、体内循環の改善させて血行を良くする効果が期待できることから、毎日少しずつ摂るのがおすすめです。

●「気血両虚」タイプ
体質的に胃腸が弱く食欲がわかないことが多い場合、消化吸収力が低下して身体に必要なエネルギー・栄養となる血が不足傾向となります。
結果、身体が疲れやすくなり、身体の冷えを感じやすくなります。
ワインは、身体や内臓をあたためる作用があり、食欲を促進して胃腸の動きをよくする効果が期待できることから、ワインを毎日少しずつ摂るのはおすすめです。

〈控えた方がよい体質〉

●「肝陽亢進」タイプ
体に余分な熱がこもりやすく、精神的に昂りやすくなることから、顔や上半身があつくなり、カーッとしたり、めまいがするなど、上半身を中心とした症状が出やすくなります。
このタイプの人には、症状を悪化させる可能性があることから、ワインはあまり適しません。
このタイプに該当する人で、ワインがお好きな人は、量で加減をして楽しむとよいでしょう。

●「食積痰湿」タイプ
ついつい食べ過ぎ飲みすぎを繰り返し、胃もたれをおこしやすい、このタイプの人の場合、ワインの飲みすぎは体に熱をこもらせてしまい、体内に未消化物や老廃物をためやすくなってしまいます。
このタイプに該当する人で、ワインがお好きな人も、量で加減をして楽しむとよいでしょう。

●「陰虚」タイプ
身体の水分が不足しがちで内臓(胃腸)の粘膜が弱いことから、アルコールを摂取することで一気に吸収されてしまい、内臓の粘膜を悪化させてしまう恐れがあります。
このタイプに該当する人で、ワインがお好きな人も、量で加減をして楽しむとよいでしょう。

4.「ワイン 」の簡単レシピ

ワインといえば一般的には常温か冷やして飲むものですが、ヨーロッパでは寒い冬にからだを暖める飲み物として、温めたワインも昔から親しまれています。
現代は、夏でも冷房などの影響でからだが冷え冷えやすくなっていますので、家庭で手軽に楽しめるホットワインのレシピをご紹介します。

【ホットワイン】

1.ワインを鍋に入れて沸騰しないように弱火で温めます。
2.温まったらレモン汁、はちみつを入れて溶かします。
 (ワイン200mlにレモン汁、はちみつ各大さじ1を目安に、お好みで)
3.カップなどに移したら、シナモンパウダーを振りかけて出来上がり。

ホットワインに定番のシナモンスティックやクローブ、アニスが手にはいれば、本格的な味わいも楽しめますよ。

今回はもうひとつ、おつまみにも食事の箸休めにもなるワインを使った簡単な料理も紹介します。

【新たまねぎのワイン漬け】

1.新玉ねぎを5㎜くらいの薄切りにします。
2.鍋に赤ワイン1/4カップ、お酢(りんご酢でも可)大さじ2、砂糖大さじ3、塩小さじ1を入れて火にかけます。
3.沸騰したら玉ねぎを加え、全体に煮汁を絡めます。
4.火からおろして保存容器に移し、冷めたら冷蔵庫に入れます。
5.3~4時間経てば食べごろです。

ワインは飲むだけでなくお料理の調味料としても活躍します。飲めない方はぜひお料理の隠し味に活用してみてくださいね。

そのほか、インターネット上には、ワインを使ったレシピがたくさん出回っていますので、それらを活用して、ワインを上手に食生活にとりいれて元気になりましょう!

いかがでしたでしょうか?
『「ワイン」で医者いらずとは!?』はお楽しみいただけましたでしょうか?

このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸のほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』

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