徹底的なDXとは~『事務』を効率化し、『創造』に集中する~
日経電子版の記事【ネットで社内も変革 ストライプの中国巻き返し戦略
ストライプの中国「新小売戦略」(下)】は、改めて、コト消費の時代にスモールマスな顧客のニーズをプロダクト(モノ・サービス)に反映させるのに必須のDX(デジタルトランスフォーメーション)が、まだまだ不十分な事を思い起こさせてくれます。これだけモバイルやクラウドが普及して、ITが日進月歩なのにもかかわらず、記事に登場するケーススタディのレベルには到底達していない、という企業が多いのではないでしょうか。
(追記:『コト消費の時代のスモールマスな顧客のニーズ』については、下記の拙稿で考察しています。)
記事が浮き彫りにしているのは、デジタル化を徹底する本気度です。定型的な事務の効率化から、より創造的な業務の支援まで、デジタル化した方が良い業務は貪欲にデジタル化していく……
▶デジタル化の事例~働き方を変えるツール~
(1)『クラウドベースの企業向けコミュニケーションツール』
①『稟議』・・・権限のある従業員は、スマホでアクセスして、社内稟議
の内容の確認・承認が出来る。
②『マスターデータの更新』・・・商品のマスターデータも、コミュニケ
ーションツールで、申請者、その上位者の承認で決済。
③『承認時間の見える化』・・・決裁の承認で誰が他の人を最も待たせた
か見える化し、意思決定のスピードアップ。
④『顧客とのチャット』・・・顧客とのチャットも表示でき、例えば顧客
からのクレームが放置されていたりすると、丸見え。プロダクト (モノ・サービス)の改善が進み、クレーム・フィードバックへの
迅速な対応が、顧客満足を向上。また、顧客を引き継いだ時など、
顧客の特性を把握するまたとない資料となる。
(2)『ERP(統合基幹業務システム)をクラウド上に移設』
①『データ閲覧』・・・スマホにID・パスワードを入力して、クラウド上
のERPに蓄積されている各種データを、リアルタイムで閲覧可。
1.顧客の購買行動データ
2.リアル店舗の営業成績
3.倉庫ごとの在庫
4.顧客の位置情報からクーポンなどをプッシュ通知
②『注意喚起』・・・課題のあるデータをスクリーンショットで配信。
③『経費精算システム』・・・銀行振込から決済アプリに変更。
(3)『AIを活用した支援ツール』
①『商品開発』・・・AIが色と型についてアドバイスする。
②『生産量』
③『広告出稿パターン』なども
(4)『ECと複数のリアル店舗をネットワーク化』・・・サービス拠点を
ネットワーク化し、顧客に最適の提案を。
このような積極的なDX(デジタルトランスフォーメーション)は、非効率な業務の代名詞である定型的な『事務』仕事・冗長な『会議』・無駄な『移動』時間・『資料』の作成などを一掃し、『接客』・『開発』・『広告』といったより創造的な業務への集中を可能とするものです。DXが、最終的な顧客へのきめ細かな対応を実現し、プロダクト(モノ・サービス)をブラッシュアップするPDCAサイクルを加速させ、差別化へと繋がる事は明らかです。
▶デジタルトランスフォーメーション(DX)の徹底
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『事務』『会議』『移動』『資料』等の効率化
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創造的な業務への集中
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PDCAサイクルが加速
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プロダクトがブラッシュアップ
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顧客満足の向上
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競合との差別化
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