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リュックを背負って鮎釣り
コソ泥釣り師がやって来て
ある年の八月お盆休み、福井・今庄、日野川。
その年のシーズン前、ある釣り具メーカーから「プラスチック製引き船」が売出されました。それは自作の「木製引き船」より軽く、収容量が大きく、掛かり鮎の生存率も高く、非常に便利な道具でした。その引き船をシーズン前半使用してみて、シーズン中に一度、この舟を腰に結んでリユックを背負い、ノンストップで釣り歩こうと考えました。
それを実行
7 根掛かりを全く気にしない私
根掛かりは必要悪だ
私は友釣りの最中、よく根掛かりをします。
追ってくる野鮎の絡みを良くするため、細いハリスや柔らかいハリスを使い、また掛りを良くするため、針先が外向きの針を使う等いろいろ工夫しています。しかし、その工夫の全てが根掛かりに直結しています。
オトリが元気な間はスイスイ泳ぎ、その勢いで掛け針が垂れ下がることなく、ほとんど根掛かりしません。オトリが弱って来て、泳ぎのスピードが落ちると、
23 逆光の中で友釣り
眩しさで目印を見失う
真夏の安曇川・朽木、船橋下流
そのシーズンは、橋下手が広く浅いチャラ瀬になっていました。小石底の流れ、所々に少し大きめの石が頭や顔を出しています。深さは踝くらい、石底全体が明るく、流れも輝いています。野鮎が居ることは間違ありません。分かっていても、竿を出す気になれません。鮎のキラメキが無い流れは、何となく信用できないのです。また、竿を出しても真夏の炎天下の野鮎達、人影、竿影に
67 焼肉&ビールと交換
安曇川朽木・船橋河原
その日は船橋下手の河原に車を停め、下流の出会い、野尻の瀬、高岩の瀬と竿を出し、満足でき釣果を得て早めに上がって来ました。
着替えを済まし、椅子を出し、心地よい疲れを癒しながら、噴き出る汗が収まるのを待ちます。遠くで竿出す釣り人達、少し涼しげになった空、流れにハシャグ子供達、ゆったりとくつろぐ私。満足できる釣りができた日は気持ちも落ち着きます。
この後、テンクウの温泉に浸かり
96 浅葱斑(アサギマダラ)
その年の鮎シーズンが終了した10月中旬、腑抜けのように縁側でボーッとしていると、目の前を一羽の蝶がフワーッフワーッと優雅に飛んで行きます。まるで私に来訪の挨拶を告げに来たように。
アッ、アサギマダラだ、今年もやって来てくれたのだ。嫁さんが何時の年に植えたのか、庭に茂っているフジバカマ、ユックリ上下に飛んで行きボソッボソッとついている花弁にぶら下がる。旅の疲れを癒しているのだろうか。しばらく休んだの
48 養殖業者、重孝さんのこと
鮎ロマンを理解できる人
重孝さんとは、JR湖西線唐崎駅近くの呑み屋で知り合いました。
その店の名は「酒房たかはし」と言い、常連客ばかりの感じの店で、初めての私はカウンターの端で一人寂しくビールを飲んでいました。その常連客の中に白髪交じりの、声のデカい、顔のデカい人が居ました。イヤでも耳に入ってくる話では、彼は若狭湾での「筏のチヌ釣り」の帰りらしく、隣席の客に
「今日も又ボーズか」と冷やかされていま