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67 焼肉&ビールと交換

安曇川朽木・船橋河原
その日は船橋下手の河原に車を停め、下流の出会い、野尻の瀬、高岩の瀬と竿を出し、満足でき釣果を得て早めに上がって来ました。
着替えを済まし、椅子を出し、心地よい疲れを癒しながら、噴き出る汗が収まるのを待ちます。遠くで竿出す釣り人達、少し涼しげになった空、流れにハシャグ子供達、ゆったりとくつろぐ私。満足できる釣りができた日は気持ちも落ち着きます。

この後、テンクウの温泉に浸かり、夕食を食べて帰る積りです。その時一人の若者がやって来ました。何か用事かなと思っていると、
「鮎を分けて貰えませんか」と言う。
「仲間たちと焼肉をしているのですが、皆に天然鮎を食べさせたいのです」と言う。幹事としてはなかなか良い心掛けです。

しかし、私は釣った鮎を売ったことがありません。戸惑いながらも、今日は久しぶりに大漁だったので気が大きくなっていました。必要なだけ上げることにします。幹事の心意気に感じ入っていたこともあります。自慢げにクーラーボックスを開け、良型鮎を選んで渡します。何処までも太っ腹です。

その後も椅子に座ってボーッとしていました。しばらくすると又幹事がやって来て、今度は缶ビール二缶と、プラ皿に山盛りの焼肉を持って来てくれました。これは有難い、よく気が利く幹事です。
更に机を出し、山盛りの焼肉を前に缶ビールのリップを引きます。いつもは竿を出しながら、河原から漂ってくる旨そうな焼肉の匂を嗅ぎながら、ゴクッと生唾を飲み込むだけでした。。

橋の下で日差しを避け、何組かのグループが焼肉パーティを開いています。
彼の行方を追うと、男女八人のグループのようです。
何匹上げたかな、一人当たり2匹とすると足りないような気がします。もう数匹持っていきます。ビール一口飲んだだけで気が大きくなっていました。

戻って、ビールを心置きなくゴクゴクと飲み干す。レアの焼肉も旨い。時間は四時、涼しい風、少し赤みを帯びた温かい空、焼肉をする人達の楽しげな声。二缶目のビールのリップを引く、焼肉を頬張り、グビッと飲む。
椅子と机を出せばどこでもビヤホール、夏の河原は最高のビヤホールです。




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