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エレファントカシマシとスピッツの研究

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エレファントカシマシ とスピッツを詩的に感じるマガジン。
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2021年7月の記事一覧

「エレファントカシマシとスピッツの研究」 (第四回)

「エレファントカシマシとスピッツの研究」 (第四回)

生き物の詩 スピッツとリルケに耽りたいと思う。まずは、私がリルケに心を射抜かれた一片の詩を掲げたい。これは訳者である、堀辰雄先生に感謝をしたい。スタジオジブリの名作『風立ちぬ』といい、「生と死」を匂わせる世界を翻訳されたらこの上ない人物である。

さらにふたたび
ライネル・マリア・リルケ 堀辰雄訳

さらにふたたび、よしや私達が愛の風景ばかりでなく、
いくつも傷ましい名前をもつた小さな墓地をも、

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「エレファントカシマシ とスピッツの研究」 (第三回)

「エレファントカシマシ とスピッツの研究」 (第三回)

鮮烈のデビュー『エレファントカシマシ 』
ゲオルゲ、詩人としての覚醒『讃歌』 1988年3月21日にロックバンドエレファントカシマシ(以下、「エレカシ」と記す)はデビューしている。私はリアルタイムでデビュー当時から追った世代ではないので、レンタルCD屋でEPIC時代のCDはまとめて借りて聴き始めた。スピッツのアルバムが欲しくて欲してたまらず買い集めた時の感覚とは違っていた。しかし、草野マサムネ氏が

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「エレファントカシマシ とスピッツの研究」 (第二回)

「エレファントカシマシ とスピッツの研究」 (第二回)

「エレファントカシマシ 」との出会い 私は小学生の時に、スピッツの「チェリー」と出会い、すっかりスピッツに感化されてしまった。「ロビンソン」なんて「誰なのか」「何処なのか」「何のことなのか」知るはずもないのに、「わかる」気にさえなった。
 スピッツはどんなことでも私に「わからせてくれる」存在となっていた。それも、とても優しい歌で、まるで手抜きのない演奏で、まったく知らない世界を。

 ボーカルの草

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