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#エッセイ

人生でいちばん大切なことを教えてくれた、あるおばあさんとの1ヶ月

人生でいちばん大切なことを教えてくれた、あるおばあさんとの1ヶ月

人は死んでも、死なない「そういえば、そろそろ5年経つかな?」
「うん、そうだね。」

「今思い出しても、かっこいい旅立ちだったよね。」
「うんうん。あんなにすがすがしいお看取りは
後にも先にもないよね。」

かつての同僚と飲みに行くと
看護師である私たちは、決まってある患者さんの話をします。

名前は田中さん(仮名)
大腸がんで5年前に亡くなった患者さんです。

彼女は私が関わった患者さんの中でも

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オットの真骨頂を見た

オットの真骨頂を見た

里帰りはせず、東京で産むことにした。
退院後、自宅に戻った後は母に約1ヶ月ほど、泊まり込んで手助けをしてもらった。近所に住む妹もよく手伝ってくれた。

母が帰ってから、新米とうちゃんとかあちゃん、息子の3人暮らしが始まった。

オットの仕事中は赤ちゃんとふたりきり
髪を振り乱し、乳を投げ出し
私の人生史上最大の大変な暮らしが幕を開けた。

ところがどっこいだ。
2ヶ月半が過ぎようとする今、

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ヒーローのヒーロー

ヒーローのヒーロー

初めて、ヒーローになりたいと思った。

小学1年生の時。

ピンチの時にかけつけてカッコよく敵をやっつける、漫画に出てくるような正義のヒーロー。
強いだけじゃない。優しくて、前向きで、一瞬で周りの空気を明るくしてしまうような人。
その存在を思い出すだけで勇気が湧いてくるような、太陽みたいな人。
男性的なイメージが強いけれど、そんなの関係ない。
女だって、ヒーローになりたい。

私が本気でそう思うよ

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人生を教えてくれた、ローソンの1番くじ。

人生を教えてくれた、ローソンの1番くじ。

土曜日に、『1番くじ』なるものが
ローソンで開催されていた。

1番くじというのは、
お金を払ってくじを引くと
絶対に何か当たるという
ハズレ無しのくじ引きの事らしい。

土曜日に開催された1番くじは、
鬼滅の刃のグッズが当たるというものだった。
高いか安いかはさておき、1回680円。
私たちの住んでいるエリアのローソンでは
1人5回まで引けるらしい。

先程から「らしい」と使っているのは、
私が

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ピンクのドレスが、私に教えてくれたこと

ピンクのドレスが、私に教えてくれたこと

その昔、私はまぎれもなく、クラスで一番ダサい女の子だった。

物心ついた頃から、服を買いに行くのが苦手だった。
うちの母は、1000円で買ったクマのワッペンがついた毛玉だらけのトレーナーを何年も着潰しているような人で、その母と一緒に買い物に行っても、可愛い!似合う!なんて会話は皆無。ふたりして黙々と、端から値札をひっくり返しては見ているばかりだった。

「高い」と顔をしかめられるのがいやで、本当に

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挨拶することから学んだ、ささやかだけどすごく大事なこと。

挨拶することから学んだ、ささやかだけどすごく大事なこと。

私は普通に生きていて、大それたことは何もなし得ずにここまでの人生を送ってきた。
そして、これからの人生もひっそりと自分の仕事と子育てを全うするように努力して日々を過ごしていくと思う。

若い頃は何者かになりたい、功をなして自分の名を多くの人に知ってもらいたいとか、何かで立派な成果をあげて有名になりたいと漠然と思っていた。

しかし、それができるのは一部の特別な才能があり、かつ人並み以上の努力ができ

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