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中国音楽はみだし録

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【全文無料公開中】中国の民族楽器アンサンブル「江南絲竹楽」のこと

【全文無料公開中】中国の民族楽器アンサンブル「江南絲竹楽」のこと

はじめに皆さんは「江南絲竹楽(こうなんしちくがく・jiangnansizhuyue)」という合奏音楽をご存知でしょうか。

「江南絲竹楽」は、数ある中国音楽のジャンルの一つですが、旅番組やグルメ番組などで、イメージとしての「中国らしさ」を演出する際のBGMに広東音楽や京劇の下座音楽などと並んで非常によく使われている一つなので、それと知らずに耳にされた事があるのではないかと思います。流れるような旋律

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【全文無料公開中】バク転?しません!中国の語り物芸「曲芸」の事をほんのサワリだけ

【全文無料公開中】バク転?しません!中国の語り物芸「曲芸」の事をほんのサワリだけ

はじめに中国の音楽ジャンルの一つに「曲芸(きょくげい・quyi)」というものがあります。これは「説唱芸術(せっしょうげいじゅつ・shuochangyishu)」または単に「説唱(せっしょう・shuochang)」とも呼ばれる、「説(語り)」と
「唱(歌唱)」の芸で、曲芸と聞いて我々が思い描く宙返りやバク転などのアクロバットの事ではなく「音曲の芸」の事です。確かに日本人が耳にするとちょっと誤解を生じ

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【全文無料公開中】超個人的「中国音楽ラフガイド」

【全文無料公開中】超個人的「中国音楽ラフガイド」

はじめに(正直、幅が広過ぎて困ってますw)都内で「中国音楽の小学校」をコンセプトに「創樂社(そうがくしゃ)」という名前の中国音楽教室を主宰して、二胡などのレッスンをしている安西創(あんざいはじめ)と申します。

皆さんは「中国音楽」というとどんな音、どんな光景を思い浮かべますか?そもそもイメージが全くない人も多いでしょう。ある人は来日した京劇団の芝居進行に欠かせない銅鑼や太鼓など打楽器が鳴り響き、

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【全文無料公開中】てきし…中国の横笛「笛子」のハナシ

【全文無料公開中】てきし…中国の横笛「笛子」のハナシ

はじめにご存知、中国は長い歴史がある国で、その長さと相まって国土の広さ故に多層的な文化の魅力に溢れています。その中にあって、紀元前からその存在が確認されている楽器の一つにして、長短様々あるものの、全国各地でほぼ同じ形のまま数多くの音楽に加わり、その音色が愛されているのが竹製の横笛「笛子(てきし・dizi)です。新中国の成立後、伝統曲を整理した独奏曲や新たな作品たちの数々が世に送られ、また今も次々と

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【全文無料公開中】中国の三味線「三弦」雑記

【全文無料公開中】中国の三味線「三弦」雑記

皆さんこんにちは!日本人にとって身近な楽器「三味線」。そのルーツが中国にある事はご存知だと思いますが、中国の「三弦(さんげん・Sanxian)」がどういった楽器なのかを知っている人はあまり多くないのではないでしょうか。隣接した文化である沖縄の三線は90年代の沖縄ブーム以降、隅々まですっかり定着した感がありますが、中国の「三弦」は馴染みがありませんね。一体どんな音色で、中国音楽の中でどのような役割を

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【全文無料公開中】中国音楽ちょこっと解説「廣東音樂」ってどんなヤツ!?

【全文無料公開中】中国音楽ちょこっと解説「廣東音樂」ってどんなヤツ!?

はじめに「廣東音樂」という名前を聞いた事がありますか?

中国音楽のジャンル名です。ここをご覧の貴方は、何かのキッカケで「廣東音樂」を検索して辿り着いた方でしょうか?歡迎光臨!ようこそ、大歓迎です!願わくば、ここに貴方の知りたかった事が書いてあり「廣東音樂」に関する理解の手助けになれば幸いです。でも、なかなかひと口、ひとくくりに出来ないのが「廣東音樂」。「マニアック…否、専門的になり過ぎず、でもち

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中国音楽と私(プロフィールに代えて)

中国音楽と私(プロフィールに代えて)

中国音楽に関わる公式プロフィール的な記事がなかったので、それを作ると同時に、私と中国音楽との関わりを子供の頃まで遡って書いておこうと思い立ちました。

【安西創プロフィール(ショートVer.】

1990年、大学で中国語を学び始めると同時に、当時はまだ一般的ではなかった二胡を「東京琴社」主宰の故坂田進一師に師事。学生時代から各種演奏活動を始め、その後カルチャースクールや音楽教室講師などを経て、現在

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「私の一曲」を弾けるようになりませんか?

「私の一曲」を弾けるようになりませんか?

楽器を習っている皆さん、そして習ってみたいと思っている皆さんこんにちは。

色んな動機で楽器を手にしている事と思いますが、楽器を習っていると何かのタイミングで周りの人たちから「聴きたい!今度何か一曲弾いてみて!」と言われたことがあるのではないでしょうか。

私自身の経験からも高確率で友達やご家族の集まりなどのカジュアルな場から、同窓会、忘年会、クリスマスなどで「出し物」「余興」を頼まれる事がきっと

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令和5年、湯島聖堂クラス新年度生募集開始!(学割は半額!!)

令和5年、湯島聖堂クラス新年度生募集開始!(学割は半額!!)

桜の季節となりました。皆さんいかがお過ごしですか?私は今年、初めて花粉症でお医者にかかりました。なかなか辛いものですね。

さてさて、そんな花粉もひと段落つく4月30日を第一回目に、毎月原則第4日曜日の午前中に湯島聖堂芸術講座「中国音楽入門」がリニューアル開講します。

二胡の入門講座でありながら広く中国音楽や中国文化、中国語などのお話しもしますし、普段あまり耳にしたり触れる機会のない中国の楽器を

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