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こころの手触りを確かめる

先日、東畑開人さんの著書「心はどこへ消えた?」を読んだ。 コロナ禍になり、人の心の姿がさらに見えなくなってしまった。そんな時代において、改めて人間は心をどのように扱うべきなのか、ひとりの臨床心理士として相談者と接しながら考えたことをまとめた一冊となっていた。 「心はどこへ消えた?」と似たタイトルがついた本に、「なんでも見つかる夜に、こころだけは見つからない」という本がある。こちらも東畑さんが書いたエッセイ本だ。 2021年に発売された本は「心」で、2022年に発売された

    • 2021年ベスト10冊

      2022年の初日の出を見た。 飛行機が家の近くを通る場所に住んでいるので、飛行機と朝日と海の“絵になる”組み合わせが見られた。すでに辺りはお互いの顔を確認できるほど明るく、朝と呼んで問題ない時間帯だったけれど、東の水平線からゆっくりと昇る様子をじっと見続けていたら2022年が明けたんだなあと心から思ったのだった。 2021年ベスト10冊2021年は61冊読んだ。小説・エッセイ・専門書・ビジネス書、ジャンルを問わず面白そうと感じた本を貪欲に読めた気がする。そのなかから10冊

      • 9月・10月に読んだ本

        9月・10月は色々なことがあり慌ただしかった。仕事をひとつ増やしてみたり、展示をよく観に行ったりした。変わらず本をたくさん読みたい気持ちはあったけれど、冊数としてはすごく限られてしまった。それでも良書を読めたなとは思う。 言葉を離れる 7/17〜10/17まで開催していた「GENKYO 横尾忠則」を観たあと、物販コーナーで思わず買ってしまったエッセイ。直感で描くことが大切な絵画という芸術と、思考しそれを言葉に落とし込む文学という芸術。正反対の性質を持つ芸術の間を往復しながら

        • 8月に読んだ本

          さっき確認したら今年読んだ本は現時点(9/14)で50冊。目標にしていた200冊の半分にも達していませんでした。おそらく50冊でも社会人としては十分に読んでいる方なのかもしれないと思いつつ、部屋に日々積み重なっていく積読の山を見て、遠くに見える山は簡単に登れそうだけど、近付いてみるとそんなことはないのだなあと、近いのに遠い目になってしまったのでした。 さて8月に読んだ本! 人生ミスっても自殺しないで、旅 Twitterで有名(?)な諸元シュタインさんが本を出す、しかも心惹

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          7月に読んだ本

          うわっ……7月終わって数回目を閉じただけの時間が経ったかと思いきや、8月も半分が過ぎた。19日の間で目立った人生の進退はなく、ただいつもより少し活動的ではあるなと感じる日々を送っている。雨がよく降っている。 黒雲の下で卵をあたためる 著者の小池昌代さんは詩人だ。明大前駅にある「七月堂」でふと目に入り、なんとなく良さそうと思い、そのまま読み始めた。そういえば、詩人が書くエッセイを読んだことがなかった。一編はほどよい長さで、内容は濃密。日常という宝物を手に取り、さまざまな角度か

          7月に読んだ本

          爪が乾くあいだに少しだけ

          爪が乾くあいだだけとか、最寄りの駅から家までの時間だけとか、お風呂が沸くまでの時間だけとか、そういう目的と目的のあいだに挟まった時間が昔から好きだ。今もそのあいだにポチポチと文字を打って、頭のなかにある言葉を見える形にしていっている。 8月に進んだ。5月あたりから今日までの時間に途切れがなく、ひとつの塊のような時間を過ごしている。日記を書こうとすると行動ではなくて、その日に考えたことにどうもなりがちで、それはそれで居心地が悪いような気もして、なかなか書ききれないでいた。

          爪が乾くあいだに少しだけ

          6月に読んだ本

          つい先日、5月に読んだ本をまとめたばかりだというのに、もう6月の本をまとめている。6月に読んだのは4冊。以前と比べて本を買いに行く時間も少ななければ、読む時間もあまり取れず、涙。仕事と時間に振り回されるような毎日だったと記憶している。 わたしたちが光の速さで進めないなら いま盛り上がっている韓国SF本のなかの1冊。長さの異なる話が7編集められた短編小説集だ。本書の難しいところは、読後に心に残される余韻を言葉ではうまく説明できないところである。例えば、本書のタイトルにもなって

          6月に読んだ本

          マニキュア、すぐはがれる 梅雨のできごと

          塗ったばかりのマニキュアが、お風呂あがりにところどころはげて、それはもうとても悲しい。マニキュアを塗っているときは、濁流に飲み込まれそうな日々にぽっかりとあいた時空の穴のなかにいるみたいに静かな気持ちでいられたのに、またそれを繰り返すと考えたら、もうそれは鬱陶しい。1日に2回も爪を塗ってはいられない。心の余裕のなさ。 最近、東京にある祖母の家が取り壊された。祖母はもうしばらくその家には住んでおらず、別の場所で暮らしている。母方の祖母の家なので、母の実家ということになる。その

          マニキュア、すぐはがれる 梅雨のできごと

          5月に読んだ本

          多忙とは心を失くすことだと多くの人が言っている。多忙のまっただ中にいるわたしは改めてその言説について考えてみたが、忙しければ忙しいほど、わたしの心はなくなるどころか、際立っていくようにしか感じられない。頭と心の主従関係はいまだ判然としないが、現時点でいえば気持ちばかりが大きくなり、頭の部分はかなり縮んでいる。そんなことを考えながら、6月も半分が過ぎた。 ここじゃない世界に行きたかった人の感性に文句は言うまい。自分が素敵だと思えることが素敵だし、こうしたいと考える理想は可能な

          5月に読んだ本

          複雑なことを複雑なまま受け止める

          「誰にでも分かりやすく簡単に」という言葉はどれだけ罪深いだろうか。誰にでも、分かりやすく、そして簡単に。そんな物事はまず存在しない。誰かに分かることは、違う誰かにとって全く理解しがたい物事であるし、分かりやすいと思う人の横には必ず、分かりにくいと思う人がいる。全員に分かる物事があると考えるのは幻想だ。 今週、ネトフリでカードキャプターさくらのシーズン3を観た。2000年に公開された『劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード』を観て以来だから、何年ぶりになるだろうか。そ

          複雑なことを複雑なまま受け止める

          今日のぐるぐる

          ちょいと前というには昔すぎるくらい、でも気持ち的にはちょいと前、ぐるぐるというユーザーネームでSNSのアカウントを運営していた。咄嗟に出てきたぐるぐるは、やっぱり頭の中で色んな物事がぐるぐると回っているからで、今日もふとぐるぐるという単語が浮かんできて私は成長していないなあなどと思った。 最近更新しているnoteは、スマホの小さな画面でぽちぽちと文字を打って更新している。今までずっと長い文章はパソコンじゃなきゃ書けないなんて思っていたけれど、部屋の隅っこに座って小さな画面に

          今日のぐるぐる

          途切れて、千切れて、飛んでいく

          普段、あまりにも思考がまとまらない。考えていたことが不意に途切れて、繋がって出来ていたはずの言葉は千切れて見失い、思考は四方八方に飛んでいく。 ひとつのことを多く考える時もあるけれど、細かく分けて考えて、最終的になんとなくまあるくまとまっていく方が多い。ふと古き良きインターネットのことを思い出した。まったく知らない誰かが、まったく知らない誰かのためではなく自分自身の精神の平穏を守るために、あるいは途切れて千切れて飛んでいく頭の中を静めるために書いていた心地良い文章のことを。

          途切れて、千切れて、飛んでいく

          4月に読んだ本

          5月になった。4月は小説を読めて結構楽しかったので、軽くレビューしていく。 人間の居る場所/三浦展戦後〜都市開発がかなり進んでしまった現代を比較し、同じように危機感を持って街に生命を与える活動をされている方との対談は、とても心安らぐ内容でした。よくよく考えてみれば、日本は戦後75年が過ぎ、中でも直近の40〜50年ほどでかなりのスピードで街が変化し、あっという間に都心はコンクリートジャングルになりました。物がなく、食料も限られた時代から考えれば、とても魅力的な街かもしれません

          4月に読んだ本

          観てない映画レビュー「花束みたいな恋をした」

          先に説明しておくと、私は映画『花束みたいな恋をした』を観ていないし、これから先、観る予定も特にない。ただ、おそらくテレビ放送されたら観ないだろうけど、Netflixでの放送が決まったら観るだろうと思う。 2021年1月29日に全国公開された本作は、公開から時を待たずして口コミが話題を呼び、各方面で大盛り上がりを見せた。公開している全国映画館の数は350館。2021年3月16日時点で観客動員数は223万人を超え、興行収入は30億超。公開から約3カ月が経とうとしている現在、映画

          観てない映画レビュー「花束みたいな恋をした」

          知らなければ目には見えない

          先日、みすず書房から2019年に発売された『きのこのなぐさめ』というエッセイ本を読みました。 赤、茶、白、黒、茹でると青色に変化するきのこ、一つひとつの形状も異なり、一見危険に見えるきのこの味が絶品で、真っ白で美しいきのこは毒を持っていることが多い。この本を読まなければ、道端にひっそりと生えるきのこの存在は、わたしの目に映らなかったはずです。 しばしば、自分の目と脳に搭載されているピント調節機能のことを考えます。 近くのものを見るとき、その背景は自然とボケて見えています

          知らなければ目には見えない

          1〜3月で読んだ本

          まとめるか〜〜。読んだものたち。 1月に読んだ小説4冊、その他3冊という構成。こう並べてみると意外と読んでなかったなあと思うけれど、読んだ小説の内容が好みだったので、もっと読んでいる感覚があったのだ。 2月に読んだ少なめに4冊。2月は心の波が結構激しくて、こういう時は文章を読んでもまったく頭に入っていかない。自分の心から生まれる言葉を待つしかないんだなと床に転がって窓の外を眺めたりしていた。 3月に読んだ3月も引き続き、なんか鬱々とした気分だったんだけど、こうして並べて

          1〜3月で読んだ本