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2021年ベスト10冊

2022年の初日の出を見た。

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飛行機が家の近くを通る場所に住んでいるので、飛行機と朝日と海の“絵になる”組み合わせが見られた。すでに辺りはお互いの顔を確認できるほど明るく、朝と呼んで問題ない時間帯だったけれど、東の水平線からゆっくりと昇る様子をじっと見続けていたら2022年が明けたんだなあと心から思ったのだった。

2021年ベスト10冊

2021年は61冊読んだ。小説・エッセイ・専門書・ビジネス書、ジャンルを問わず面白そうと感じた本を貪欲に読めた気がする。そのなかから10冊、おすすめの書籍があったのでピックアップしたい。

・黒雲の下で卵をあたためる/小池昌代
・真贋/吉本隆明
・火の鳥(上・下)/桜庭一樹
・きのこのなぐさめ/ロン・リット・ウーン
・わたしたちが光の速さで進めないなら/キム・チョヨプ
・ザリガニの鳴くところ/ディーリア・オーエンス
・私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない/イ・ミンギョン
・暇と退屈の倫理学/國分功一郎
・人生ミスっても自殺しないで、旅/諸隈元
・人はなぜ「美しい」がわかるのか/橋本治

2021年は特に、韓国文学が豊作だった。元々、人気だった「アーモンド/ソン・ウォンピョン」や「82年生まれ、キム・ジヨン/チョ・ナムジュ」をはじめ、イ・ランの「話し足りなかった日」や「家にいるのに帰りたい/クォン・ラビン」などの新刊エッセイが瞬く間にSNSを中心に話題となった。

私自身も夏〜冬にかけて韓国文学を読み漁った。なかでもハン・ガンの作品は秀逸で、わかりやすい起承転結の体は成していないものの、読み進める内に自分のなかのどす黒い感情が際立っていき、徐々にクリーンさを取り戻していくような感覚を得られた。書き口が非常に鋭利だからこそ、スパッと切られた心が元通りのようにピタッとくっ付く。しかし、そこには間違いなく切られた痕があり、驚くほど脆くなっている。

これはさまざまな本にいえることだけれど、何かの書籍を読んだ後、読む前の自分に完全に戻ることはあり得ない。人から影響を受けるのと同様に、サラッと短時間で読んだ本であっても、何かしら自分が変わってしまっているのが通常だ。そういうことを考えると、何を選び読んでいくかは大切だし、もう少し意識したい。

2022年は選び捨てていく年

個人的な感覚だが、夜が明けていく様子を見ながらそう思った。選び、捨てると聞くとマイナスなイメージに繋がりそうだけれど、自分の人生を豊かにしていくために不要・不必要をここで精査していかなければならない。それは人間関係かもしれないし、仕事かもしれないし、生活のなかの何かかもしれない。何を選び、捨てていくことを求められているのかはわからないけれど、同じような局面に立っている方に対していいたいのは、変わりゆくものも変わらないものも同じくらい大切で、善悪を付ける必要がないということ。心身の健康を第一に、素敵な1年をお過ごしください。

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