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およそ140字の落語小噺

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だいたい140字くらいの小噺(短い落語)です。 毎日20時に新ネタを公開します。
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2022年11月の記事一覧

110:味噌と菌

A「今はコロナ対策で除菌にチカラ入れてるやろ」
B「せやなぁ」
A「味噌とかって菌を利用してるんやん。除菌してて大丈夫かな?」
B「大丈夫やろ。知らんけど」
A「せやけど、もし味噌がなくなったらどうする?」
B「ワシ味噌好きやから、それは…

味噌ぅ(未曾有)の危機やな」

109:顔認証

A「スマホで顔認証できるやろ」
B「あれはAIの力やな」
A「せやけど、メガネが曇ってると反応せぇへんがな。あれちょっとイラッとするで」
B「目が確認できんと難しいわなぁ」
A「AIなんやから目以外で判断でけんか?」
B「そら無理や。AIやから…

アイ(AI, eye)が大事やねん」

108:バチ当たり

A「三味線が上手くなりたいから、毎日神棚にあげて拝んでんねん」
B「それはええ事や」
A「でも、手が滑って落としてもうた」
B「そらアカンなぁ。逆にバチが当たるんと違うか?」
A「神さんもそんな了見狭ないで。ただ、『落とすまい』と出した手に…

バチの角は刺さった」

107:アップルパイ

A「あのケーキ屋のアップルパイ食べた?」
B「食べてないけど、毎日行列やね」
A「でも悪いけど、あの店の他のケーキは美味しくなかったやろ?」
B「確かに、アップルパイ以外は全然やったわ。何が違うんやろ?」
B「使ってるのがリンゴやから…

引力があるのかもね」

106:ちくわ売り

A「あの店、オリジナルの“ちくわ”が大ヒットして大儲けらしいで」
B「えらい人気でなかなか買えんらしいな」
A「すごいなぁ。どんなカラクリなんやろ」
B「売り出し方が巧みやって話やな」
A「どうやったん?」
B「ワシも知らんけど…

よく“練られた”方法なんは確かや」

105:ぼたん鍋

A「知り合いの猟師にイノシシ肉もろたで」
B「ええな!ぼたん鍋にしよ」
A「そう思って肉切っといた」
B「え!?ボロボロやないか!」
A「いやぁ〜すまん。なんか上手く切れず」
B「イノシシやし、しゃあないな」
A「そうなんか?」
B「ああ…

ぼたん(牡丹)は崩れるもんや」

104:レアステーキ

客「ステーキ!レアで」
店「レ、レアですか。普段扱わないんですが…」
客「この店の一番レアでエエよ」
店「はい。頑張ります!」

店「お待たせしました」
客「ん?よぉ焼けてるみたいやが」
店「はい。生焼けでは色々心配なので…

激レアなヌートリアのステーキです」

103:お酒の種類

子「悪の軍団のボスが飲んでるのって何?」
親「あれはウイスキーとかブランデーやな」
子「ワインかも知れへんで」
親「可能性なくはないけど、ビールやワインは違うと思うで」
子「なんで?どう違うん?」
親「アレは強めの酒や。飲んでるのが…

悪者(割るもの)やからな」

102:あきらめ癖

親「息子が将棋でちょっと劣勢になるとすぐ降参します。あきらめ癖が心配です」
教「そうですか。将棋以外は何か?」
親「よく家で工作してます」
教「それは良い!むしろそっちを伸ばしてあげては?」
親「そうですか?」
教「はい…

投了(棟梁)の才能がありますから」

101:カラーテレビ

A「カラーテレビを作って大儲けや」
B「アホか。とっくの昔にカラーやないか」
A「ちゃうねん。外側が黒ばっかやろ?それを違う色にすんねん」
B「何色や?」
A「白では面白くないからな。茶色はどうや?」
B「それだけはアカン。テレビに…

ブラウン(管)は時代遅れや」

100:目標達成

弟子「目標を達成できました!」
師匠「よくやった」
弟「これも師匠のおかげです」
師「ほんで、これからはどうする?」
弟「しばらくは完走の喜びに浸ろうかと」
師「それもエエが、これで終わりとちゃうから気ぃ抜いたらアカンで。完走やなくて…

間奏やと思いなさい」

99:満員電車

A「長いことリモートワークやったけど、明日から会社に行かなあかんねん」
B「元々それが普通やったがな」
A「せやけど、またあの満員電車に乗ると思うと気が滅入るわ」
B「ほんなら、コレやる」
A「これは…咳止め?」
B「満員電車やからな…

咳き込ん(席混ん)だら使ってくれ」

98:接骨院

A「今回のイベントは山田さんのおかげで何とか上手く行きました」
B「お役に立てて何よりです」
A「お仕事の接骨院も相当お忙しかったと聞きましたけど?」
B「ええ。でも大丈夫ですよ」
A「色々お世話してもらって助かりました」
B「いいんですよ…

骨折りは慣れてますから」

97:隠し味

母「あんた、料理くらいできるようにならなアカンで」
娘「せやかて、料理ってようわからんわ。コツとかないん?」
母「隠し味をちょっと入れるとエエのよ」
娘「隠し味ねぇ。ところで、このみそ汁味なくない?」
母「え?あ、あぁ〜これはアレ。隠し味…

ミソを隠してあんねん」