マガジンのカバー画像

およそ140字の落語小噺

685
だいたい140字くらいの小噺(短い落語)です。 毎日20時に新ネタを公開します。
運営しているクリエイター

2022年8月の記事一覧

20:書道パフォーマンス

A「今の書道パフォーマンスすごかったな」
B「せやな。何かが取り憑いてるみたいな激しい動きやったなぁ」
A「あぁ、取り付いてるんやったら、やっぱりキツネやろうな」
B「なんで?」
A「似た感じせぇへんか?墨もキツネも一回付いたら(憑いたら)落とすのが大変や」

19:うどん塾

A「君が今日から入った新入生やな?」
B「はい!よろしくお願いします」
A「頑張ってな。ところで、新聞読んでるか?」
B「読んでません」
A「それはあかんな。今日から欠かさず読みなさい」
B「はい。でもうどんに関係あります?」
A「そらそうや。うどんは生地(記事)が命やで」

18:イヤホン

A「時代の進歩って悲しいですね…」
B「何で?」
A「私ね、妻とはイヤホンみたいな夫婦になろうって言ってたんです。ケンカしてもちゃんと繋がっていようって」
B「ええ話やんか」
A「そうなんですけど、昨日ケンカしたあと妻に言われたんです。『今はワイヤレスの時代よ』って」

17:賃貸

A「賃貸契約の更新ありがとうございます。では更新料の支払ってくださいね」
B「はい。ではコチラをどうぞ」
A「ん?これはカレー。あの〜、昼メシ食べに来たわけじゃないんで、こんなもん出されても困るんだけど…」
B「何をおっしゃいますか!ちゃんと香辛料(更新料)は入ってますよ」

16:カサ

子「お母さん、風に負けてカサが壊れちゃった」
母「あらあら。今日はずいぶん風が強かったものね」
子「うん、あのカサ気に入ってたのにな…」
母「そうねぇ。でも大阪の叔父さんがプレゼントしてくれたものだから仕方ないわね」
子「え?どうして?」
母「強風(京風)は苦手なのよ」

15:好き嫌い

子「お母さん、今日の晩御飯なに?」
母「野菜炒め」
子「えぇ〜。僕が嫌いなヤツは抜いてよ」
母「はいはい」

夕食時…

子「あれ?お皿しかない。晩御飯は?」
母「今日のメニューは野菜炒め。
あんたが嫌いなニンジン、タマネギ、キャベツ、もやし、ピーマンは抜いてあるわよ」

14:歯医者

患「歯痛いなぁ。でも歯医者怖いなぁ」
医「はい、口開けて。あらら、ひどい虫歯。これは抜かなダメやね。早速やろうか!」
患「え…まだ心の準備がぁぁぁ………あ、抜けました」
医「何言ってんの?まだ何もしてないよ」
患「違うんです。あまりの怖さに、腰が抜けました」

13:タコの腕

A「イカの足が何本か知ってるか?」
B「知ってるわ。10本やろ」
A「残念!足は8本。長〜い2本は腕や」
B「へぇ、それは知らんかった!…ほなタコは?」
A「そらやっぱり2本は腕やろ」
B「ほんなら、タコはどれが腕や?」
A「う〜ん……頭どついて『イタタ…』と押さえたのが腕や」

12:コーヒー

A「コーヒーでも飲みに行こか」
B「お前なぁ。悪いことするもんちゃうで。それかコッソリやれよ」
A「何を言うてんねん。ちょっとの息抜きや。それくらいエエやないか。なぁ行こうや。オゴるから」
B「エエわけないやろ。お前は政治家か
……公費で飲みに行くなんて」

11:ピアニスト

A「ステキな演奏だったわね」
B「そうねぇ」
A「あの人、元はトレーラー運転手だったのを一念発起してピアニストになったらしいわよ」
B「へぇ〜。それなら元の仕事の経験が活かされてるのかもね」
A「そう?」
B「そうよぉ。元がトレーラーなら…引く(弾く)のは得意でしょ」

10:掃除ロボ

A「最新型の掃除ロボ買ったで!『掃除して』って言うたら始まんねん」
B「すごいなぁ」
A「さっそく使お。掃除して!」
ロボ「ハイ。デハ、マズ家カラ出テクダサイ」
A「お、徹底的に掃除するんやな。しっかり頼むで」

と言って2人が外に出ると…

ロボ「掃除ガ完了シマシタ」

9:小次郎

A「実は、わたし佐々木小次郎の生まれ変わりなんです」
B「何言うてんねん!そんなわけないやろ!!それとも何か証拠でもあるんか?」
A「証拠ですか…あ、枝豆は皮ごと食べます」
B「何でそれが証拠になんねん!」
A「はい。巌流島の戦いを反省しまして

……もうサヤは捨てません」

8:乗り物

A「竜宮城に行ってみたいけど、ここには亀がおらんなぁ。カニに乗ったら行けるかなぁ?」
B「小さすぎやろ」
A「クラゲは?」
B「グニャグニャで乗られへんで」
A「イルカでもおったらなぁ…あ!あれは?あの黒い塊!」
B「あぁ、アレは無理や」
A「何で?」
B「あれは…海藻(回送)や」

7:オレオレ

警「もしもし、警察です。お宅の太郎君が高級車にイタズラして傷付けましてねぇ。相手は修理代100万円払えば許すと言ってます」
母「え…」
子「お母さんごめんなさい」
母「さてはオレオレ詐欺ね!」
警「何で分かった?」
母「太郎はウチの者だけど…私のおじいちゃんの名前です」