『覚生』
今、この瞬間の先に、未来があるとは限らない。
轟音を上げ、墜落していこうとするこの飛行機に
未来の可能性は、限りなくないだろう。
さっきまで、狂ったように騒いでいた人々は、
今はもう大人しい。静かに祈りを捧げている。
これが最期だ。全てを受け入れ、このまま…!
うわっ、はぁ、はぁ。飛び起きたがまだ五時だ。
無数に滴る汗が気持ち悪い。あの日から続く夢。
生きるということは、目覚めるということだ。
恐怖と罪悪感を抱えて、目覚めるということだ。
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