『幸決』

「神様ー！ママのとこ行くねー。ばいばーい！」

また一人、子どもがママの元へ向かって行った。

どうか、無事に産まれて、幸せになっておくれ。

自分で言うのも恥ずかしいが、私は「神様」だ。

子どもが宿り先に選ぶママが、適正かどうかを

日々精査して、承認した後に見送る。

判断の正誤は教えてもらえない。難しい仕事だ。

ただ、たまにすぐ帰ってきてしまう子がいる。

悲しそうな顔をして。すまない、私のせいだ。

判断を誤った。少し休んで、次は幸せになろう。


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