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日常

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なんかいつも涼しい

なんかいつも涼しい

降り始めた雨がアスファルトをポツリポツリと濡らしたのに、結局やっぱり降らなくて地面に所々草間彌生が誕生したアスファルトのムアッとした匂いのムアッがまだ10段階の4だった。

  今年は夏が遅いのか、いつも早すぎるのか、日本には四季があるのかないのか、時代のせいなのか気候まで混沌としてきた昨今、独裁者のように四季のうち半分を占領していた夏という季節。それなのに暴君どころか御簾の奥の天子様かと思うくら

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やがて野となれカベとなれ

やがて野となれカベとなれ

「こっちに来なさい」

厳格そうなお父さんが呼びかける。

「はーい」

すこし後ろ髪惹かれつつも、素直に従う子供。

ショッピングセンターのキッズスペース、児童館、公園。

あらゆる公共の場で見かける親子のやり取りだ。

その親子のやり取りを見て少しため息をついた後、心の中にすっと見えない壁が建った。

あっちとこっちを分ける壁。

何度呼んでも遊びをやめる事の出来ない自分の子供を尻目に親子の姿

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ポンポコリン

ポンポコリン

 ピーヒャラピーヒャラパッパパラパ
ピーヒャラピーヒャラ踊るポンポコリン

私が小学生の頃にやってた番組が未だに続いてるなんてね。30年もデフレ経済だから新しい企画にチャレンジ出来ないのね、悲しいかな。知らんけど。

ちびまる子ちゃんのある日曜日。

外には夜に静かに降った雪が淡く薄く残っていた。そんな日に、タンクトップ一枚だけ着てずーっと過ごした男の子がいたとかいないとか。

何で?

なかやま

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やさしい気持ち

あなたのねその

際限の無い自由

が行使されるたびにね

私の中のささやかな

秩序がね崩れるの

ランドセルはね

一度お家に置いてから

遊びにでかけて欲しいの

客席に座っているときは

ダンスをするのは

やめて欲しいし

人の食べてるものをみて

僕も食べたいなんて

声に出して言わないで

スパゲッティの付いた手を

白い体操服で拭かないで欲しいし

いい加減お口の回りにケチャップを

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オールマイト

もう、大丈夫だ!

私がきた!!!!

夏休みを利用して、単身赴任中の夫の家に出向き久々に家族三人で長期間過ごした。

何のきっかけか忘れたけど、夫の家でヒロアカをシーズン1から見てた。

夫は最初の5話までが激アツだとかいう。

息子はUSJ編が大好きだ。あと飯田君が好きらしい。

私はツユちゃんが気に入った、モノマネをすると、息子から気持ち悪いと言われてしょんぼりする。

そんなヒロアカ三昧だ

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イハ似かもしれない

イハ似かもしれない

  スマパンのギタリストだったジェームス・イハの『Let It Come Down』が発売されたのは1998年の事らしい。私がこのアルバムを聞いたのはもう少し後の事で、Charaのアルバム『マドリガル』にジェームス・イハが楽曲提供していたのを機に初めて聴いて、そういえばスマパンを一時期よく聞いていたなと思いだして、当時スマパンだとかを一緒に聞いてた人は4つばかり年上で、色々と一緒に聞いたりしたのは

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ひやおろし

ひやおろし

金曜日だっていうのにお菓子が何もないじゃないかと気づいたのは、ランドセルを重そうに背中丸めて青息吐息の窓際サラリーマンのような子供が家に辿り着いてから。

おやつとは八(ヤツ)時に食べる食事で、甘いものを食べる習慣では無い。と何かの本で読んで以来、何となくお腹に溜まる軽食をと思って、おにぎりとか手作り白玉団子とかを提供するようにしている。いわゆる無添加至上主義と揶揄される部類に属していると思う。

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毎日が遠足だったらいいね。

毎日が遠足だったらいいね。

  やたら肉肉しいのは、つくねと唐揚げがリクエストだったから。米が茶色いのは玄米生活だから。プチトマトはいつも最後の最後までお口でモゴモゴさせてる苦手食材にて割愛。デザートに梨もあるし、まぁまぁ弁当完成。キャラ弁でも無いアルミホイルとか使っちゃてるお弁当だよ。

そう今日は遠足。
小学生になって初めての遠足。台風一過だけどあんまり清々しくない天気での遠足。遠足楽しみ過ぎて、遠足行く日に着る服を着た

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言って。

言って。

 親戚の可愛い女のコがヨルシカの事を教えてくれたときには、ヨルシカの事は知っていたけれど、でもどうせなら初めてヨルシカを知るきっかけは、その可愛い女のコ経由であれば良かったなと思う。

『言って。』

 

のフレーズがとても印象的な曲だった。

『言って。』

というフレーズは、どう聞いてもティーンエージャーが彼氏にお願いしているようなそんな甘ったるい感じに聞こえた。

制服を着ている女子。

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ワイルドな梨

ワイルドな梨

 梨を買った。

特産というほどでもないけど、秋になると地元の梨がスーパーや道路沿いの直売所などに並ぶ。

母が亡くなってからもずっと変わらず盆暮れには、田舎の農産物を変わらずに送ってくれる伯母がいる。九州の島にいる。小学生の頃は夏休み毎年のように子供だけで遊びにいっては、優しい伯父伯母やいとこ達に随分と甘えさせてもらった。伯母からの荷物を見るたびに、そんな記憶が蘇る。私も毎年地の物をと秋口には新

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アサリ

アサリ

健康のためにと買った亜鉛サプリを朝に空きっ腹に飲んで、気分が悪くなって嘔吐したと言ってた夫がしばらくぶりに帰ってくる。

アサリを買っておいた。亜鉛が多く含まれているらしい。帰ってくるの日の前日にはアサリを買い、3%の塩分濃度の水にアサリを入れる。

食べるのは翌日なので、日を跨いで砂抜きをした。日を跨いでの砂抜きは人生初だ。砂抜きをしていると言うより飼育に近い感覚。

食べる直前まで健気にアサリ

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ひゃくまんてんちゃん

ひゃくまんてんちゃん

百点満点のその先へ
行こうじゃないか
生きてるだけで丸儲け

笑ってくれたら
ひゃくまんてん

やさしい気持ち
とげとげし始めた
私は考えた

毎日毎日ひゃくまんてん
そこにいるだけでひゃくまんてん

時々他人のフリ
したくなるけど

子供の頃にみた大人たちの
ウンザリした顔の理由
ウンザリした声の理由

今なら痛いほど
よくわかるけど

とにもかくにも ひゃくまんてん
君はいつでも ひゃくまんて

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