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#私

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真面目系クズの一生オルタナの人です
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#恋愛

忘却の槍

アクリル絵の具を落とした瞳
不透明でカラフルな未来へ
世界が退屈してしまう前に
置き忘れた傘を開けば 桜の花弁が舞い落ちた

フラワーペーパーで束ねた春を
一枚一枚剥がしては 咲かせていた
「このエナメル靴に 魔法がかかりますように
お願い あと少しだけ 私に自信をください」

貴方の横顔を見る日には
きっと 季節外れの街頭の広告が笑いを誘う
ホロスコープが移ろって陰る
再生の夜に 銀テ

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蜉蝣は水底で

ぶっ壊れた翌日だって 一人で起きられるように
君の好きなパンを買って 眠るんだ
君が触れたものは 何だって偽薬になるから
私を強くして あと一日しか 生きられないかも

この目覚ましかけたら
明日目が開く おまじない
信じれば 嘘だって 真実だって 何だって十字架
白い嘘 捕まえたまま 手が離せない

群像劇のカメラ裏で 泣いた日のナイフ
遮断機の処刑台に 引っ張られていく 妄

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サザンカの女学生

あなたが居なくなって 現実が押し寄せて
言いたかったこと 伝えられずに 安息日 見送る
時間が足りなくて 舌の上 転がす言葉は苦い飴
全部私のせいだから あなたはそのままでいい

一人ぼっちの1Kは スローモーション
メトロノーム一個で 合わせる 私と私
演技でもない 本音でもない
夕曇りの涙は何処から
流れ出した感傷 止め処なく 明日を濡らす

忘れたい 寂しい あなたと居ると 弱

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ステラ、弾ける

私の真っ黒なおとぎ話に
銀色の絵の具で 星を描いてみせた君
世界は壊れて 君の手で創り変えられる
創造主は 蜂鳥に微笑んで 弾き語った

無機質な波止場で振り返る
絡まった透明な糸で弾く五線譜
六月の幻に立ち止まって
息をするのを忘れるほどに 二人 遊泳

カラスがティアラと王冠をくわえて 待ちぼうけ
ジェットブラックの瞳は 預言者のように雄弁で

差し出した手には 何も無い
私 こ

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波色グレー

理解出来ないものが幸せに見える街
贈る相手ありきの幸せの押し売り
二人連れには優しかった店員が
愛想を尽かして片手で小銭を渡す
この街、この空気、すり減るICカード
私の居場所はどこですか

いっそ思いっ切り冷たくてほしい
誰もが自分のことしか考えてない
冷め切った空間に連れてって
皆は持ってるのに 私には貰えない
キラキラしたものに目が眩んで
一人分の酸素さえ 奪われてゆく

叩かれ

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レプリカの幽愁

私は君が思うほど 夢想家じゃなかった
本当は誰なの 私も 君も
イメージの中 満たされて
シナリオ通りに進むから 演劇は演劇なの
役者になれたら 私は一生
可愛い女の子の役がいい

君に伝えづらいことをセリフにして
大袈裟に 泣いてみせたよ 馬鹿みたいにさ
「最初から そうすれば 君の気が済むまで」
見透かして 笑った 黒髪
私の羊の皮を剥ぎ取った君も 狼なのでしょう

全部 全部 誰か

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