忘却の槍
アクリル絵の具を落とした瞳
不透明でカラフルな未来へ
世界が退屈してしまう前に
置き忘れた傘を開けば 桜の花弁が舞い落ちた
フラワーペーパーで束ねた春を
一枚一枚剥がしては 咲かせていた
「このエナメル靴に 魔法がかかりますように
お願い あと少しだけ 私に自信をください」
貴方の横顔を見る日には
きっと 季節外れの街頭の広告が笑いを誘う
ホロスコープが移ろって陰る
再生の夜に 銀テープが放射する
彼方、 望んだ風景は見られましたか
傾いた星座の一等星に問う
幾夜 パールブルーの涙が 霧氷となり
貴方の心を凍らせたでしょうか
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