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HOTEL

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知らない街の、知らない人が ホテルに残したエッセイです。
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記事一覧

60516号室

60516号室

躁鬱の鬱、いわゆる「大鬱」がやってきた。
大体3ヶ月のスパンで躁⇆鬱が来ていたが、最近は6ヶ月に1回、1ヶ月ほど「めちゃめちゃ躁」と「大鬱」が来るようになった。
その他の期間は、割と気分の波もあれどそう大した事はない。
(なおストレス性の微熱は続く。)

私は昨年度、通信制の大学の単位取るのに力を入れようと卒業単位62単位中、52単位を取得した。(そのせいで微熱を出した)。

そしたら先週、大学か

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60417号室

お気に入りの本屋がある。
駅前の小さな本屋。

本屋は、大きな本屋が品揃えが良いと考えがちだが、
(実際、参考書などを見比べたりする時は大きな本屋の方が良いが)
そんなことはない。

ここは欲しい雑貨や本が揃っている、少数精鋭の本屋。
「今、こういうのが欲しい!興味がある!」のニーズにしっかり応えてくれている本屋だ。
それは流行りとかではない。なのに私のニーズにしっかり答えている。何故だ。

Am

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60229号室

1200字のレポートを2ヶ月で9つ書き終えた。
資格取得のためだ。
途中で「文章書くの、もう嫌、見たくない、嫌いになる」
そんな心の声を無視して書き終えた。
何故なら全く興味のない分野の、
自分の考えなど全く無視をした文章を
書かなければならなかったから。

転職のためである。致し方ない。

そんな中、新たな依頼があったり、
プロジェクトが進んだりとスケジュールを念密に組んで
過ごす事が多かった。

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51207号室

お気に入りの本屋がある。
会社帰り、
そこで陳列されていたひとつのぬいぐるみと目が合った。
その名前はお文具さん。通称「おぶ」。
SNSで動画やイラストを発信しているキャラクターだ。

お文具さんを手に取ると声が聞こえてきた。

「頑張らなくてもよいのです」
いつもの動画のあの声だ。
ただ泣いてしまった。

はたからみると売り物のぬいぐるみを
手に取って泣いている限界OLである。
もちろん、ぬいぐ

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51129号室

「この世の理」を知りたい。

それはこの世に生きる人すべて、思った事がある、と思う。
しかし理由はそれぞれで、
私は「生きる事が楽になりたいと願うから」。

生きることは死んでいることよりも
ずっと辛いことだと思っている。
ずっと世界の海で溺れていて、
もがき苦しんでいる。
海水もたっぷり飲んでしまっている。
もっと泳ぎが上手くなりたい。

たぶん、もがくのを辞めてぷかぷか浮いた方が
何億倍も楽で

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51122号室

今日は朝から焦燥感でつらい一日だった。
何も進めていない自分。隣の芝が青い。
私の庭はもうずっと冬しか来ていない。雪すら降らないので、土筆すら芽が出てくれない。吹きっさらしの空き地。

自分に足りないものは何だろうと考える。
努力?精神力?忍耐力?
わからない。ずっとわからないまま。
きっとこれからもわからないまま、私は私を操縦していくんだ。
きっと生きるのが上手い人は、自分のクセとか
既に掴んで

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51115号室〈消費〉

 音楽でも芸術でも、
「わかりやすい」がもてはやされる時代になった。

分かりやすく、ノリやすい。
分かりやすく、とても綺麗。
分かりやすく、この人の作品と分かる。

 でも、「分かりやすいね」と理解された瞬間から、
それに対する消費は始まっている。
 消費され始めると、いずれ終わりが来る。
 世間が次のエサに飛びつく瞬間は、それが汚く食い散らかし終わった証拠だ。
最近、そのサイクルがものすごく早

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