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ノマド日記

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#旅日記

ネパール。場末のローカル食堂の物語 【雑記】

ネパール。場末のローカル食堂の物語 【雑記】

高齢の夫婦が営む、場末のローカル食堂。

僅かに西日が差し込む時間帯。

薄暗い室内。

電気を付けるにはまだ早い。

三畳半程のスペースに、テーブルが二つ、縦に奥へと並ぶ。

客席は、ピンク色の花柄模様の薄い布で仕切られている。

一番奥の席に腰を掛けると、外の道路が透けて見える。

隅に穴が空いた布。

テーブルに押し付けられた煙草の跡。

スレンレス製の、曲がったままのスプーン。

布越しに

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カトマンズの野犬と私

カトマンズの野犬と私

現在、カトマンズの郊外で生活している。

五階建てのアパートの四階に、手ごろな値段の部屋を借りて暮らしている。

日当たり良好、ベランダ付き。

これで月二万五千円。

安い。

セキュリティも厳重。

敷地に鉄製の門があり、一階エントランスはシャッター付き、各階フロアーには扉が設けられていて、

簡単に入ることはできない構造になっている。

いつも寝ているけど、一応、番犬っぽい犬もいて、

ロッ

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タイ国王に間接的に謁見する話。 後編

タイ国王に間接的に謁見する話。 後編

30秒で読める前編はこちらです!

とある日の夕暮れ。

陸の孤島とも揶揄されるカオサンロードを拠点にしていた俺は、バンコク中心部へ繰り出そうとバス停に向かっていた。

宿を出て、

お寺を経由して、

裏路地を進む。

これで、ほぼ完璧にカオサンロードの喧騒を避けることができる。シークレットルートである。

いつの間にかバス停を通り過ぎてしまっていたが、

それでも歩いていると、

遠くでお巡り

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タイ国王に間接的に謁見する話。 前編

タイ国王に間接的に謁見する話。 前編

バンコクでは、タイ国王に遭遇することがある。

といっても、国王がその辺を歩いているわけではなく、国王の車が通り過ぎる場面に遭遇する。という話である。

国王がお出掛けするとき、

国民は立ち止まり、

リスペクトを捧げる。

とされる。

もちろん車も止まる。

バンコクにいて、

どこからともなくお巡りさんが現れ、

交通整理をはじめるならば、

国王フラグの可能性が高い。

俺は外国人だけど

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バックパッカーの旧聖地カオサンロードの穴場カフェの話。

バックパッカーの旧聖地カオサンロードの穴場カフェの話。

カオサンロード周辺に、お気に入りの穴場喫茶店がある。

カフェと呼ぶには昭和的すぎる雰囲気で、

地元のおじさんが毎朝、新聞を読みに来るような場所になっている。

そんな具合なのでオシャレポイントは見当たらないし、

むしろ哀愁すら漂う逆インスタ映えスポットと化している。

カオサンロードという人気エリアに店を構える割には旅行者は見当たらず、

観光客といえば、稀に消耗したバックパッカーが迷い込む

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タイ国王の不思議な時間が健康に良い話。

タイ国王の不思議な時間が健康に良い話。

朝と夕方に歌が流れる。

タイの国歌である。

タイの人たちが一斉にぴたりと立ち止まり、

国王にリスペクトを捧げる時間とされている。

騒がしい場所であれば唐突に静寂が訪れるため、

晴天の霹靂といった感じで、旅行者はかなり戸惑う。

空白の時が1、2分程つづく。

外国人は立ち止まる必要はないと思われるが、

動いたらダメそうな雰囲気もあるので、

何もやることがない。

しかし、

唐突

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タイバンコクのパワースポットに行った話。

タイバンコクのパワースポットに行った話。

バンコクの伊勢丹前にあるトリムルティ、ガネーシャ像はパワースポットとして知られている。

トリムルティは恋愛に、ガネーシャは商売に効果があるとされる。

合法であればどんな手を使ってでも稼いでやろうと息巻いていた俺は、バンコクに降り立って程なく、この地を訪れることにした。

雨期のある日。

既に多くの参拝者がいたが、敷地に足を踏み入れるや否やスコールが降りはじめた。

他の参拝者達はちりぢり

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