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ネパール。場末のローカル食堂の物語 【雑記】

高齢の夫婦が営む、場末のローカル食堂。

僅かに西日が差し込む時間帯。

薄暗い室内。

電気を付けるにはまだ早い。


三畳半程のスペースに、テーブルが二つ、縦に奥へと並ぶ。

客席は、ピンク色の花柄模様の薄い布で仕切られている。

一番奥の席に腰を掛けると、外の道路が透けて見える。


隅に穴が空いた布。

テーブルに押し付けられた煙草の跡。

スレンレス製の、曲がったままのスプーン。

布越しに見える、物憂げな店主のシルエット。


哀愁が漂う店内。

官能的な雰囲気すら感じられる。

昭和のドラマか、映画の中にいるような感覚。

今は何が流行っているだとか、店内にそんな工夫はないが、

ツルピカのレストランには表現できない、ストーリーがある。



さて。


チキンチョウミンを注文して数分後。


何かの間違いで差し出されるモモチョウミン。

モモとチョウミンを半分ずつお皿に盛った、オリジナルメニューと思しき料理。


ウマい。


元々、モモとチョウミンはウマいのだから、ウマい筈だ。

日本で言えば、シュウマイをオカズにして、焼きそばを食べるような感じだ。


懐かしい味。


布の向こう側のテーブルで、店主がゆっくりと、余った鶏肉を食す影が落ちる。


場末の食堂は、嘘を吐かない。

100円 カフェでコーヒーを1~2杯注文できます。 300円 レストランで夕食をドリンク付きで注文できます。 500円 日本食レストランでとんかつ定食を注文できます。 1000円 ホテルに一泊、宿泊できます。 金額の大小に関係なく、皆様の支援がモチベーションになります。