結城玲夏

ゆいしろじゃなくてゆうきです、れいかじゃなくてれなです。

結城玲夏

ゆいしろじゃなくてゆうきです、れいかじゃなくてれなです。

マガジン

  • ティーンエイジャーの消費期限として

    怠惰とその場凌ぎで19年生きてきました。はたちを目前にして、帳尻合わせを始めます。

記事一覧

固定された記事

縁あれば千里

 「私達、うまくいくような二人じゃなかったんだよ。」  彼女の最後の言葉だった。未だに鮮明に覚えている。東京にしては珍しく、積もるほどの雪が降った日だった。白い…

結城玲夏
1年前
22

19歳の送辞に代えて

 お久しぶりです。結城玲夏、久しぶりのエッセイです。  気づいたときには数週間が経過し、ティーンエイジャー最終日となってしまいました。そんな大事な日であるにもか…

結城玲夏
3週間前
15

初夏の帰路

※この物語はフィクションです  なんて、予防線みたいな書き出しをしてからじゃないと思いついた小説すらも綴れないなんて、終わってる。日暮里駅で大量の人が雪崩みたい…

結城玲夏
1か月前
11

失速のおしらせ

完全に失速してしまった。執筆者の結城さんにおかれましては自己嫌悪に陥るのも大概にしていただきたいので、全部体調のせいにしようと思います。ガチで寝込んでいたので。…

結城玲夏
1か月前
8

坊主の五日目

毎日更新するって言ったじゃん!  最近巷で話題のねこ。ごめん。かわいい。ごめんて。  さて、見事三日坊主を達成したわたしこと結城玲夏ですが、ここで挫けるほど甘っ…

結城玲夏
1か月前
6

惰を受け入れること

 散々な1日だった。散々な1日だったはずなのに、わりとよくある一日のような感じがする。  目が覚めたのは朝8時だった。今日の授業は15時からだから、13時に家を出れば…

結城玲夏
1か月前
8

塩おにぎりとすこやかさ

 今日はいつもより10分早く家を出た。今学期が始まってからというもの、9時5分になってシンデレラもびっくりの慌て方をしながら家を飛び出す毎日を送っていたわたしにとっ…

結城玲夏
1か月前
12

ティーンエイジャーの消費期限として

 お久しぶりです。結城玲夏です。久しぶりに結城玲夏と打ってみたら、有機れなとか出てきて、我がPCの予測変換の認知機能の低下に頭を抱えたところです。  みなさまお元…

結城玲夏
1か月前
9

御無沙汰しております、結城玲夏です。

 段々と朝晩が涼しくなってきた今日この頃、皆様におかれましては、もう秋だぞと気合を入れて長袖を来て外出し、昼間の照りつける陽射しの中を一抹どころではない後悔を手…

結城玲夏
9か月前
10

窓辺にて、感想。そして日記のような駄文。

そうか、映画か。映画を見よう。 と思い立ったのは現代文演習の授業を受けている時間。松村寿輝著「波打ち際に生きる」の設問を読んでいるときだった。彼は映画を波打ち際…

結城玲夏
1年前
30

ディストピア作品と恋と愛

ディストピア論 吉川浩満氏の述べる功利主義の三大特徴を、ふたつのディストピア作品と照らし合わせて掘り下げていきたいと思う。彼は功利主義とディストピア作品について…

結城玲夏
2年前
17
縁あれば千里

縁あれば千里

 「私達、うまくいくような二人じゃなかったんだよ。」
 彼女の最後の言葉だった。未だに鮮明に覚えている。東京にしては珍しく、積もるほどの雪が降った日だった。白い息とともにそう吐き捨てて去った、ベージュのダッフルコートを羽織ったボブヘアの後ろ姿を、僕はただ呆然と見つめることしかできなかった。
 彼女が去った後、僕の周りには摂氏1.7度の空気と髪に積もって溶けない雪だけが残った。

 中学二年の頃に付

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19歳の送辞に代えて

19歳の送辞に代えて

 お久しぶりです。結城玲夏、久しぶりのエッセイです。
 気づいたときには数週間が経過し、ティーンエイジャー最終日となってしまいました。そんな大事な日であるにもかかわらず、起床直後の立ち眩み(a.k.a.寝不足)によって授業をぶっ飛び(結果的に総武線が使い物になっていなかったので助かったのですが)、午前中は完全に惰眠を謳歌しきるという、完全に立ち回りをミスった最終日となりました。

 わたしらしいと

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初夏の帰路

初夏の帰路

※この物語はフィクションです

 なんて、予防線みたいな書き出しをしてからじゃないと思いついた小説すらも綴れないなんて、終わってる。日暮里駅で大量の人が雪崩みたいに降りていった山手線外回りは終電間際。入れ替わりで、2駅先の鶯谷では飲みの帰りであろう男女がガヤガヤと乗り込んできて、なにやら向かいの内回りのホームに手を振っている。大学近くで友人たちと盃を交わした帰り道、遠方が祟って少し早めに離脱した僕

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失速のおしらせ

失速のおしらせ

完全に失速してしまった。執筆者の結城さんにおかれましては自己嫌悪に陥るのも大概にしていただきたいので、全部体調のせいにしようと思います。ガチで寝込んでいたので。。帳尻合わせのひと月間ですら帳尻合わせにいこうとするからいけないんです。でも、こっからよこっから。

失速の原因を探るべく、あ、アマゾンの奥地には行かないんですけれども、自分の文章をぼんやり読み返していたら、びっくりするくらい想像を誘わない

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坊主の五日目

坊主の五日目

毎日更新するって言ったじゃん!

 最近巷で話題のねこ。ごめん。かわいい。ごめんて。

 さて、見事三日坊主を達成したわたしこと結城玲夏ですが、ここで挫けるほど甘っちょろい19歳ではありません。まあ本当に甘っちょろくなかったら昨日も更新しているんですけどね。でも一個だけ言い訳させてください。
 昨日は本当に体調がギリギリだった。びっくりするくらい。なので説明も兼ねて1日の行動を振り返ろうと思います

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惰を受け入れること

惰を受け入れること

 散々な1日だった。散々な1日だったはずなのに、わりとよくある一日のような感じがする。

 目が覚めたのは朝8時だった。今日の授業は15時からだから、13時に家を出ればじゅうぶん間に合う。あと5時間か、なにをしようか。リビングはしんとしていて、まだこの家の人間は誰も動き出していないようだった。コップ一杯水を飲み、少し扁桃腺が腫れているような気がして、追加で風邪薬を飲み、布団に潜り込んだ。病は気から

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塩おにぎりとすこやかさ

塩おにぎりとすこやかさ

 今日はいつもより10分早く家を出た。今学期が始まってからというもの、9時5分になってシンデレラもびっくりの慌て方をしながら家を飛び出す毎日を送っていたわたしにとって、8時50分に家を出るというのは正直革命だった。いつもより3本ほど早い電車はほんの少しだけ空いている気がした。教室に着いたのは始業10分前、いつも始業のチャイムを芝生の上で聞くことになっていたので、自分の座る位置が定まらなくてソワソワ

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ティーンエイジャーの消費期限として

ティーンエイジャーの消費期限として

 お久しぶりです。結城玲夏です。久しぶりに結城玲夏と打ってみたら、有機れなとか出てきて、我がPCの予測変換の認知機能の低下に頭を抱えたところです。

 みなさまお元気でしたでしょうか。私のnoteの書き出しが大体「お久しぶりです、結城玲夏です」になってしまっているのは気のせいでしょうか。飽き性+怠惰+気分屋=多方面に迷惑をかけフェードアウトしがちという最悪コンボのわたしは、今日も怠惰に身を任せて古

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御無沙汰しております、結城玲夏です。

御無沙汰しております、結城玲夏です。

 段々と朝晩が涼しくなってきた今日この頃、皆様におかれましては、もう秋だぞと気合を入れて長袖を来て外出し、昼間の照りつける陽射しの中を一抹どころではない後悔を手に歩いていることとお慶び申し上げますが、いかがお過ごしでしょうか。わたしは人生史上最長の夏休みを終え、秋学期が始まり電車に揺られる生活が始まってから1週間とすこしが経つ頃です。
 そんなメチャクチャ揺れる電車の中からポチポチとこの文章を書い

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窓辺にて、感想。そして日記のような駄文。

窓辺にて、感想。そして日記のような駄文。

そうか、映画か。映画を見よう。
と思い立ったのは現代文演習の授業を受けている時間。松村寿輝著「波打ち際に生きる」の設問を読んでいるときだった。彼は映画を波打ち際と表現していて、わたしはその表現を好きだと思った。好きだと思ってから、もうここ1年まともに映画を見ていなかったな、と思い返した。

TOHOシネマズで上映されている映画はあまり好きじゃない、と思いながら生きてきた。なんとなく世俗的な感じがし

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ディストピア作品と恋と愛

ディストピア作品と恋と愛

ディストピア論 吉川浩満氏の述べる功利主義の三大特徴を、ふたつのディストピア作品と照らし合わせて掘り下げていきたいと思う。彼は功利主義とディストピア作品について「浅薄で、下品で、グロテスクでありながら、同時に深遠で、エレガントで、美しい。」と綴っている。
 ここで私が扱う「ディストピア作品」は小説だけに限らずあらゆる作品についてであり、ここでは「ディストピア作品」の解釈を少し広義的に捉える。ディス

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