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ポエム/詩/散文/Twitterに投稿した140字以下の短い詩のまとめなどを投稿していきます。 Twitter @25es25es (https://twitter.com/25es25es?s=09)

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記事一覧

Twitter詩2021.2/2021.3

君のいない世界 例えば 知らない花に名前をつける 調べればわかるけど わたしがつけた名前で呼びたい そんな 独占欲と執着心があればよかった 君がいない部屋の隅で丸まっ…

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3年前
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Twitter詩 2021.1

妖艶 交わる 記憶の片鱗で 絡まる手 白い肌 細いうなじ 言葉無くとも 罠に落ちた まるで蜘蛛の巣の蝶 逃れられない 視線の先には いつも 後ろ姿の貴女 残り香を 纏う布 (…

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3年前
9

月刊『ココア共和国』2月号掲載

ココア共和国2月号に投稿した詩を掲載していただきました。電子版290ページ谷田江湖(たにた えこ)「はるかかなた」です。 短い詩です。 冒頭はこんな感じです。 『ココア…

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3年前
9

月刊『ココア共和国』10月号掲載

今更ですが……ココア共和国10月号に投稿した詩を掲載していただきました。電子版319ページ谷田江湖(たにた えこ)「人魚姫にはなれない」です。 冒頭はこんな感じです。 …

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3年前
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Twitter詩 2020.12

伝言 言葉なく 託す 冬の日 あたたかな木洩れ日 優しい白 ひとりになる 孤独ではなく ただ ひとりになる (20201212) 流れ星 消えゆく星に どうして人は 祈るのでしょ…

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3年前
10

Twitter詩 2020.11

深海 太陽も見えない海の底で 夢をみた 想像の虹の下で 笑っている人魚の姿を 何も響かない静かな海の底で 声を聞いた 子守歌のように心地よく 誘惑する悪魔の囁きを こ…

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3年前
13

空には

きみはいつも目を閉じていた なにも映さない目 なにも認識しない脳 きみはすべてを理解しているみたいに 天を仰ぐ その時だけ目は見開いていた 人混みの中をかきわける ぶ…

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3年前
9

Twitter詩 2020.10

しおり 青春の一ページ 並んだ机 黒板の落書き 運動場に響く声 今でもよみがえる あの日 返せなかった 言葉に 忘れ去られた しおり 黄ばんだ紙の匂い この本の タイトルは…

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3年前
13

Twitter詩 2020.9

ひとりぼっち まるで永遠だ 見開いた瞳の先に 未来なんて描いてくれるな 何者でもないきみとぼく 唯一無二であるはずなのに 忘れ去られる 存在でしかないなんて まるで世…

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3年前
7

Twitter詩 2020.8

花火 はしゃぐ子ども 冷えたスイカ 線香の香り 空を見上げる 花火の音 鎮魂の祈り 少し寂しい 蝉の声も 止んだ (20200802) ひとり疎開した 祖母の恐怖を わたしは知らな…

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3年前
9

月刊『ココア共和国』9月号掲載

ココア共和国電子版に今月も投稿した詩を掲載していただきました。354ページ谷田江湖(たにた えこ)「おばあちゃんち」です。 子供の頃夏休みに訪れたおばあちゃんの家をイ…

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3年前
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祈り②

「今は」 8月15日正午 気温34度東京新宿 いつもと変わらない景色 見つからない影 子どもの泣き声 夏の匂い 歪む時空 この時期になると 体が本物じゃなくなる 夏は嫌いだ …

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3年前
10

祈り

「わたしは知らない」 ひとり疎開した 祖母の恐怖を わたしは知らない 無口になった 祖父の傷を わたしは知らない もう知ることができない それでも祈る 平和を 知るも…

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3年前
17

Twitter詩 2020.7

楽園への目印 涙に溺れて 痛みを抱えたまま 愛と呼ばれるものを 覚えて 傷は癒えぬまま 手を握り返す者の 弱さを 強さだと知る 守るなんて欺瞞だ このぬくもりに 守られて…

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3年前
9

月刊『ココア共和国』8月号掲載

電子版に掲載していただきました。 298ページ、谷田江湖(たにた えこ)名義『夕暮れのカフェテラス、アールグレイ』です。 タイトルは何のひねりもなく。夕暮れとアールグレ…

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3年前
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『バウルを探して〈完全版〉』を読んで

『バウルを探して 〈完全版〉』(川内有緒文、中川彰写真、三輪舎、2020)が出るという情報を、著者の川内有緒さんのTwitterで知り、絶対に手に入れなければと思っていた。 …

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3年前
7
Twitter詩2021.2/2021.3

Twitter詩2021.2/2021.3

君のいない世界

例えば
知らない花に名前をつける
調べればわかるけど
わたしがつけた名前で呼びたい
そんな
独占欲と執着心があればよかった
君がいない部屋の隅で丸まって
目を瞑る
泣きたい気持ちのはずなのに
穏やかで
わたしは知らない花の名前を呼ぶ

(20210201)

惜別

春になると
色鮮やかな花々が生を主張し
綺麗なアゲハ蝶が舞う
雪は溶け風は優しく
全てが息を吹き返したように
活気

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Twitter詩 2021.1

Twitter詩 2021.1

妖艶

交わる
記憶の片鱗で
絡まる手
白い肌
細いうなじ
言葉無くとも
罠に落ちた
まるで蜘蛛の巣の蝶
逃れられない
視線の先には
いつも
後ろ姿の貴女
残り香を
纏う布

(20210108)

たまゆら

綺麗ねってほめられる白い手から落ちた
鮮やかだったはずの花

(20210123)

わたしへ

強く生きていたい
優しくありたいと
星に願えなくても
わたしなら大丈夫
冷え切った両手を

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月刊『ココア共和国』2月号掲載

月刊『ココア共和国』2月号掲載

ココア共和国2月号に投稿した詩を掲載していただきました。電子版290ページ谷田江湖(たにた えこ)「はるかかなた」です。
短い詩です。

冒頭はこんな感じです。

『ココア共和国』いろんな方の詩が読めて面白いです。
あと手軽に投稿できるので、自分としてはありがたいのです。

また投稿したいと思います♪

月刊『ココア共和国』10月号掲載

月刊『ココア共和国』10月号掲載

今更ですが……ココア共和国10月号に投稿した詩を掲載していただきました。電子版319ページ谷田江湖(たにた えこ)「人魚姫にはなれない」です。

冒頭はこんな感じです。

すきなことを形にしていくのは、楽しいです。
私の詩が誰かに届くのは、不思議な気持ちです。
これからもマイペースに投稿しています。

Twitter詩 2020.12

Twitter詩 2020.12

伝言

言葉なく
託す
冬の日
あたたかな木洩れ日
優しい白
ひとりになる
孤独ではなく
ただ
ひとりになる

(20201212)

流れ星

消えゆく星に
どうして人は
祈るのでしょうか
希望を託すのでしょうか
綺麗なものの影に
汚れが鳴りを潜める
隠れるように
うずくまる君の腹の中
本音も弱音も怨みも嫉みも
全て私のものだから
寄り添いたいと思うのです
全て君のものだから
どうしたって愛

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Twitter詩 2020.11

Twitter詩 2020.11

深海

太陽も見えない海の底で
夢をみた
想像の虹の下で
笑っている人魚の姿を

何も響かない静かな海の底で
声を聞いた
子守歌のように心地よく
誘惑する悪魔の囁きを

ここでしか生きられないと
知っていたなら
僕はずっとここにいた

光を探しにいかないか?

(20201101)

明け方の夢

どこかの静かな教会
ヴェールに包まれた
ステンドグラス
少女は祈り
天使は微笑む
少女の祖父は目を閉

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空には

空には

きみはいつも目を閉じていた
なにも映さない目
なにも認識しない脳
きみはすべてを理解しているみたいに
天を仰ぐ
その時だけ目は見開いていた

人混みの中をかきわける
ぶつかる肩は互いに物みたいで
うつろな視線と視点
定まらない目的地に向かって
霧が濃くなる
天を仰ぐ
水の中で息継ぎするように

 
あの空に一体何があるというのか
雲間に歩行者専用道路
自由の象徴
高速道路もあるとさらに良い
どこに

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Twitter詩 2020.10

Twitter詩 2020.10

しおり

青春の一ページ
並んだ机
黒板の落書き
運動場に響く声
今でもよみがえる
あの日
返せなかった
言葉に
忘れ去られた
しおり
黄ばんだ紙の匂い
この本の
タイトルは
思い出せない

(20201006)

リモートの恋

昔から思ってた
この電話の間に
会いに行けるなって
それをしないのが
大人
それができないのが
大人
恋なんて
どこでだってできるから
寂しくないふりをして
私達はひと

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Twitter詩 2020.9

Twitter詩 2020.9

ひとりぼっち

まるで永遠だ
見開いた瞳の先に
未来なんて描いてくれるな
何者でもないきみとぼく
唯一無二であるはずなのに
忘れ去られる
存在でしかないなんて
まるで世界はお伽話
みんな名前のない役を
必死に演じているようで
笑い合っても虚しいだけ
ぼくは神様にはなれない

(20200906)

しずく

すくっている
言葉の片鱗を
大切に大切に
抱きしめて

乾いた大地を濡らす雨
拾いあげた石

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Twitter詩 2020.8

Twitter詩 2020.8

花火

はしゃぐ子ども
冷えたスイカ
線香の香り
空を見上げる
花火の音
鎮魂の祈り
少し寂しい
蝉の声も
止んだ
(20200802)

ひとり疎開した
祖母の恐怖を
わたしは知らない

無口になった
祖父の傷を
わたしは知らない

もう知ることができない

それでも祈る
平和を
知るものとして

大地で育まれる
草木が美しいと
涙する人のとなりで
(20200806)

最後まで光求めるきみは

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月刊『ココア共和国』9月号掲載

月刊『ココア共和国』9月号掲載

ココア共和国電子版に今月も投稿した詩を掲載していただきました。354ページ谷田江湖(たにた えこ)「おばあちゃんち」です。

子供の頃夏休みに訪れたおばあちゃんの家をイメージして書きました。

冒頭はこんな感じです。

『ココア共和国』は投稿詩中心の詩誌になります。
大ボリュームで満足感がすごいので、詩に興味がある方はぜひ読んでみてください!

祈り②

祈り②

「今は」

8月15日正午
気温34度東京新宿
いつもと変わらない景色
見つからない影
子どもの泣き声
夏の匂い
歪む時空
この時期になると
体が本物じゃなくなる

夏は嫌いだ
少なくとも
今は

・・・・・

「時に」

この時が
いつか過去のものとなる
光が射すことを祈って
進むことしかできなかった
かなしみも
苦しみも
消えることが
許せないわけではないのに

誰も気付かない
涙が落ちる前

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祈り

祈り

「わたしは知らない」

ひとり疎開した
祖母の恐怖を
わたしは知らない

無口になった
祖父の傷を
わたしは知らない

もう知ることができない

それでも祈る
平和を
知るものとして

大地で育まれる
草木が美しいと
涙する人のとなりで

#平和
#原爆の日

・・・

「花火」

はしゃぐ子ども
冷えたスイカ
線香の香り
空を見上げる
花火の音
鎮魂の祈り
少し寂しい
蝉の声も
止んだ

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Twitter詩 2020.7

Twitter詩 2020.7

楽園への目印

涙に溺れて
痛みを抱えたまま
愛と呼ばれるものを
覚えて
傷は癒えぬまま
手を握り返す者の
弱さを
強さだと知る
守るなんて欺瞞だ
このぬくもりに
守られているのだから
指折り
希望を数えて
日が昇る
光が連れてくる
あの地平線の向こうが

楽園への目印

(20200704)

紫陽花とひまわり

はらはらと舞った
切り落とされた藤の花
切り取ったように思い出す
刈り取られたチ

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月刊『ココア共和国』8月号掲載

月刊『ココア共和国』8月号掲載

電子版に掲載していただきました。
298ページ、谷田江湖(たにた えこ)名義『夕暮れのカフェテラス、アールグレイ』です。
タイトルは何のひねりもなく。夕暮れとアールグレイの色って似てるな…というのを書いたものです。埋もれてしまいそうな自分の詩ですが、誌面で読んでもらえたら嬉しいです。

『ココア共和国』は投稿詩をたくさん掲載していて面白いので、定期的に購読、また投稿したいと思います。

今回載っ

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『バウルを探して〈完全版〉』を読んで

『バウルを探して〈完全版〉』を読んで

『バウルを探して 〈完全版〉』(川内有緒文、中川彰写真、三輪舎、2020)が出るという情報を、著者の川内有緒さんのTwitterで知り、絶対に手に入れなければと思っていた。
この本はずっと手元に残して置く、手にする前から決めていた。

『バウルを探して』は文庫版で初めて読んだ。(文庫版は幻冬舎『バウルの歌を探しに』)
Twitterのフォロワーさんからおすすめされたのがきっかけだ。詩が好きなら読ん

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