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Twitter詩2021.2/2021.3

君のいない世界

例えば
知らない花に名前をつける
調べればわかるけど
わたしがつけた名前で呼びたい
そんな
独占欲と執着心があればよかった
君がいない部屋の隅で丸まって
目を瞑る
泣きたい気持ちのはずなのに
穏やかで
わたしは知らない花の名前を呼ぶ

(20210201)




惜別

春になると
色鮮やかな花々が生を主張し
綺麗なアゲハ蝶が舞う
雪は溶け風は優しく
全てが息を吹き返したように
活気付く
そうであるのに
わたしがもらった花は枯れ
流した涙は乾き
誕生日を迎える前に
立ち去るあなた
違和感を無視して
わたしはわたしに嘘をつく
4月になると

(20210207)




罪と罰


ラスコーリニコフは選ばれた人間なのか?
答えの当てもなく考えている
ラスコーリニコフは本当は何なのか
決して確かな真実などない
不都合な事実をねじ曲げて
正義とするように
ユートピアには行けるけれど
決して辿り着けない道がある

ラスコーリニコフは、私でもある

(20210227)