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わたしの書いたお気に入りnote

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#東京

これがきっと恋だから、

これがきっと恋だから、

これはわたしと恋人との話。

付き合う前日の夜、わたしたちはデートをしていた。

付き合う前の、甘すぎるけど、ちょっとだけ苦い時間。
今しかできない会話、今だからこそ意味をなす表現、
そういったものが、確実にしっかりと存在していた。

「結婚して子どもができたら、深夜のコンビニに手を繋いでいくことが2人の特別な時間になる」

デートの帰りにコンビニに寄ったとき、ホットカフェラテを作る待ち時間に、彼

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私のお城

私のお城

こんばんは。

今日も暑かった。そろそろ、コンクリートがじりじりし始めるかも。

夏が片足突っ込んできたと思って油断していたら、もう胸のあたりまで浸かってしまっていた…

今日は、夜にちょっと外出する用があったが、あまりにもビール日和すぎたので昼から一杯やってしまった。詳しく言うと、一杯やりながら料理をしていた。何とも言えない背徳感…

サラリーマンたちが行き交う上野で昼の2時から飲んでるような気

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短編小説 【 溶けた煙 】

短編小説 【 溶けた煙 】

下北沢から和泉多摩川までは、小田急線で約20分ほど。お互いにバイトを終えた夜22時ごろ、私たちは行きつけの居酒屋で待ち合わせをし、明け方まで盃を交わした。朝が夜を飲み込むころには、駅に近づくにつれてスーツを着た者から楽器を背負った者まで、夜通し下北沢の街を彩っていた人々が電柱や道路と一体化し、下を向いて項垂れている。

「水、買ってあげたい。」
「たぶん、この量だとキリがないな。」
彼はそう言って

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