マガジンのカバー画像

和菓子のおはなし

10
『和菓子のおはなし』を含む自分の記事をこちらにまとめます。
運営しているクリエイター

記事一覧

和三盆とコスモスをあいして

和三盆とコスモスをあいして

先日、四国旅行をしたという知人から、お土産にと美しい和三盆を頂戴しました。

なんとまぁ、うれしいこと。

和三盆は、ゆったりとしたひとときを過ごすための、とっておきのお菓子。そんな特別感があります。

ここのところ、せわしない日々を送っている私にとって、そのやさしい味わいをたのしむための「時間」をプレゼントして頂いたような、そんなよろこびがありました。

和菓子好きの私は、和三盆のような「干菓子

もっとみる
和菓子とわたしと、和菓子のおはなし

和菓子とわたしと、和菓子のおはなし

私は、幼いころから和菓子が大好きでした。

とくに こしあんをよく好み、お饅頭やおはぎはもちろんのこと、夏には水ようかんに、冬にはお汁粉に、いつもほっぺたが落ちそうになりました。

カステラや「シベリア」も昔から好きです。
シベリアって、ご存じでしょうか。カステラ生地に羊羹をはさんだ懐かしいお菓子です。
幼いころ、母と一緒に家の近所のパン屋さんに行くと、いつもおねだりしていたことを思い出します。よ

もっとみる
和菓子日記 〜和菓子の〈はじめて〉物語展へ〜(前編)

和菓子日記 〜和菓子の〈はじめて〉物語展へ〜(前編)

#和菓子のおはなし #金つば

先日、虎屋文庫の資料展『和菓子の〈はじめて〉物語展』へ行ってきました。虎屋赤坂ギャラリーで、11月23日まで開催されています。

和菓子の由緒や由来を知りたいなと思ったら、虎屋文庫に頼るのがいちばんだと思っている私。
今年はその虎屋文庫が、創設50周年を迎えられたのだそう。節目の年の資料展です。
ぜひぜひ行きたいと思いつつ、気付けばあっという間に月日が流れていました

もっとみる
和菓子日記 〜会津葵との出会い〜

和菓子日記 〜会津葵との出会い〜

2023年 11月 4日(土)

世間の3連休。中日のこの日は、お仕事でした。
退勤後は用事があって東京駅へ。
約束の時間まで小一時間あったので、時間つぶしにと日本橋高島屋にふらりと入店。入ってすぐに8階の催会場で開催されている『味百選』の案内を目ざとく発見しました。食いしん坊の私は、「全国から厳選した老舗・名店がここに」という言葉に吸い込まれるように、エレベーターで8階へ、迷わず直行です。

もっとみる
桃の節句に、草のつみつみ ~こよみだよりと和菓子のおはなし ~

桃の節句に、草のつみつみ ~こよみだよりと和菓子のおはなし ~

こよみだより ✽ 桃の節供・上巳の節供 ✽

早いもので 弥生を迎え、七十二候では、草木萠動(そうもく めばえいずる)に入りました。やわらかな陽射しの中で、春の訪れをよろこぶかのように、草木から淡い緑の新芽が芽吹くころです。見上げれば木々の芽はふくらみ、足元には草の芽をみつけ、新しい命の誕生に心も浮き立つような時季となりました。

そして明後日3月3日は、私が最も すきな年中行事! 雛祭りとして親

もっとみる
こよみだより *重陽の節供*

こよみだより *重陽の節供*

日中はまだ暑さを感じるものの、ハラハラと舞いおちる桜の木の葉に 秋の訪れを実感する今日この頃です。
二十四節気では今日、『白露』を迎えました。 

そして、明日9月9日は、五節供のひとつ「重陽の節供」です。
陰陽思想では、奇数は縁起の良い陽数とされており、その極みとなる9が重なる意味で「重陽」と名付けられました。
最大の陽数が重なることから、大変おめでたい日として 最大に祝われたといわれます。

もっとみる
こよみだより *大暑*

こよみだより *大暑*

2022.7.23
二十四節気の「大暑」入りです。

相変わらず戻り梅雨のような、はっきりしないお天気が続いていますけれど、こよみの上では 太陽が容赦なく照りつける頃です。

暑さが最も厳しいとされるこの時季、先人たちは 風に水に、上手に涼を見出しました。

軒先には風鈴を、窓には葦簀を、玄関先には打ち水を…。昔は川に舟を浮かべて夕涼み、などということも。
そんな昔ながらの納涼文化は、自然に寄り添

もっとみる
こよみだより *立冬*

こよみだより *立冬*

* **

立冬
2021.11.7
二十四節気の「立冬」入りです。

冬の気配が立ち、冷え込みが感じられるとされる頃。

こよみの上では、冬の始まりです。

こうして「こよみだより」を綴っていると、季節はあっという間に巡るように感じます。

***

亥の子について
この季節の行事「亥の子」をご存知でしょうか?

亥の子は、地域により今も受け継がる日本古来の年中行事です。
とくに、西日本の方にと

もっとみる
こよみだより *秋分*

こよみだより *秋分*

― 2021.9.23 秋分の日 ―

今日は、二十四節気の「秋分」入りです。
太陽が真東から昇って 真西に沈み、昼と夜の長さが ほぼ同じになる日。
この日を境に 夜の方がだんだん長くなっていくという、季節の大きな節目となる日です。

「秋分の日」は、春分の日と同様、二十四節気の中でも 祝日にもなっている特別な日。
昭和23年(1948年)に制定された 国民の祝日に関する法律では、「祖先をうやまい

もっとみる
こよみだより *十五夜*

こよみだより *十五夜*

旧暦の8月15日は、十五夜です。
日にちは、月の満ち欠けを基準とした旧暦で定まっていますので、太陽の動きを基準にしている新暦では、その年により異なります。(※1)
今年は9月21日。明後日です。
晴れると良いですね。

私がいつも綴っている二十四節気ではありませんけれど、今日は 十五夜について、そしてその 約一月後の十三夜について、さらに月見団子について、綴ってみたいと思います。

十五夜と、十三

もっとみる