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サメに囲まれたサムライは絶望し、切腹しようとするが……果たして海中で腹を切ることはできるのだろうか??|『オープン・ウォーター』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「オープン・ウォーター」をベースに新しい物語を妄想します。

※「オープン・ウォーター」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「オープン・ウォーター」は、ダイビング中、サメが出没する海に置き去りにされてしまった夫婦の「恐怖」を描いたサスペンス作品ですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 はい。まずは、「オープン・ウォーター」風の物語を作る時に注意すべきポイントの確認です。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 そして前回「『オープン・ウォーター』をリスペクトした物語」を作る時には、以下の「4要素+α」の組み合わせをアレコレいじくってみるのがいいだろうと申し上げました。


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三葉 例えば、上から「【1】主役:ごく普通の夫婦」、「【2】そこへ行く理由:バカンス」、「【3】舞台:」、「【4】自然生物:サメ」を選択すると……「【ごく普通の夫婦】が【バカンス】で【海】へ行き、置き去りにされて、【サメ】に食い殺される物語」。すなわち「オープン・ウォーター」になります。

嘉村 なるほど。


案③


三葉 さて「案③」ですが……前回ご紹介した「案①②」に引き続き、「【3】舞台」は「海」、「【4】自然生物」は「サメ」に固定。そして、「【1】主役」と「【2】そこへ行く理由」をいじくることで、「『オープン・ウォーター』風だけれど、『オープン・ウォーター』とはまた違ったユニークな物語」を考えてみましょう。

嘉村 ふむ。

三葉 ただし、「案①②」とまったく同じでは面白くないので……「案③」では「時代」もいじくってみたいと思います。

嘉村 時代!

三葉 すなわち……「【サムライ】が【領地の調査】で【海】へ行き、置き去りにされて【サメ】に食い殺される【江戸時代】の物語」!


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嘉村 ほぉ!

三葉 「オープン・ウォーター」と比べるとこんな具合。


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嘉村 「オープン・ウォーター」の「現代」に対して、「案③」は「江戸時代」の物語、と。

三葉 その通りです。

嘉村 ふむ。

三葉 基本的なストーリーの流れは、「オープン・ウォーター」と同じでいいでしょう。すなわち……主人公はサムライ。彼は領地の調査を担当しており、ある日、同僚らと共に沖へ出る。ところがいくつかの不運が重なり、同僚1人と共に海に転落!しかも船はそれに気づかず去ってしまう……大変だ!大海原に置き去りだ!

嘉村 なるほど。

三葉 最終的にはサメに食い殺されるわけですが……「『主役がサムライ、時代が江戸』ならではの遭難エピソード」を盛り込むことで、オリジナリティを出していきましょう!

嘉村 ふむふむ。

三葉 例えば……刀を抜き、サメに向かって「かまぼこにしてくれる!覚悟せよ!」と叫ぶとか。

嘉村 ほぉ。勇ましい!

三葉 あるいは、やがて気力・体力が限界を迎えると、「サメに食われて果てるなぞ、武士の面汚し!ご同輩、潔く切腹しようではないか!」

嘉村 なるほど、武士らしい。

三葉 ですよね!

嘉村 しかし……アレですね。海を漂いながらの切腹というのは、なかなか難しそうですね。

三葉 ふーむ。

嘉村 さらに、どちらが先に腹を切るかで揉めそう……。

三葉 確かに!前者はいいとして、後者は介錯してもらえない。激しい痛みにもだえ苦しみ、しかも生きたままサメに食われることになるでしょうねぇ。

嘉村 うーむ。せっかく切腹したのに、サメに食われて果てるというのはちょっとかわいそうかも……。

三葉 以上、「サメ v.s サムライ」のアイデアでした。世界にはたくさんの「サメ映画」がありますが、サメとサムライが戦う作品は寡聞にして知りません。なかなかどうしてオリジナリティの高いアイデアと言えるのではないでしょうか。


案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう!

三葉 はい。まずは、以下の図をご覧ください。


※再掲

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三葉 「案①②③」では、「オープン・ウォーター」に敬意を表して「【3】舞台」は「海」、「【4】自然生物」は「サメ」で固定していましたが……。

嘉村 ええ。

三葉 「案④」ではこの制約を取っ払ってみましょう!

嘉村 ほぉ!

三葉 そこで考えたのが……「【老人】が【同窓会で【山へ行き、置き去りにされて【クに食い殺される物語」!


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三葉 「オープン・ウォーター」と比較すると、以下のようになります。


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嘉村 「海」ではなくて「山」、そして「サメ」の代わりに「クマ」!

三葉 ストーリーをざっとご紹介しましょう。すなわち……主人公は老人。学生時代の友人らと、同窓会を兼ねて旅行に来ている。彼らは、山岳ガイドに案内されて山に登る。そして些細なミスから、主人公ともう1人の老人、計2人が置き去りにされてしまう。

嘉村 ふむふむ。

三葉 彼らはクマに遭遇したり、ハチに襲われたり、雨に降られたり、イノシシに突き飛ばされたり、泥水をすすって腹を下したり、カツラを風に飛ばされたり、草木に触れて手がかぶれたり……ひどい目に遭います。

嘉村 ふむ。

三葉 それでも希望を捨てず、何とか下山しようとしますが、最後はクマに食われて……おしまい!

嘉村 うーむ、救いがない……。ただ、「海」も「サメ」も登場しませんが、確かに「『オープン・ウォーター』風の物語」ですね。

三葉 ええ。同様に、「『川』で『ワニ』に食い殺される」とか、「『洞窟』で『吸血コウモリ』に血を吸われて死ぬ」とか、「『砂漠』で『巨大サソリ』に襲われて死ぬ」とか……様々な組み合わせが考えられます。みなさんもぜひお試しください!


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 「オープン・ウォーター」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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