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BLから百合まで、異世界で組むべきパーティ3案|『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』(6)

 本記事は、「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」を徹底分析する特集の……第6回である★


第1回:『デスマ』ってどんな話なの?

第2回:煽られる庇護欲!そして味わえ、万能感を!!

第3回:ヒロインを整理して、そして妄想を膨らませる★

第4回:「転生後、主人公の独白が延々と続き、単調になってしまう問題」の「桃尻娘」的解決について

第5回:主人公がなかなか死にませーん!!

第6回(本記事):BLから百合まで、異世界で組むべきパーティ3案

第1回からご覧になることをオススメします★


開始★


三葉「今回も、『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』(以下、『デスマ』)を視聴・分析する中で思い浮かんだアイデアについて、ディスカッションしましょう!」

嘉村「承知しました」

三葉「さて……ここまで申し上げてきた通り、本作の主人公はサトゥー。彼があれやこれやの末に7人の少女を保護する物語です

嘉村「はい」

三葉「RPG風にいえば、『男性主人公1人と、少女7人』のパーティ

嘉村「ふむ」

三葉「で、今日考えたいのは……すなわち!『このパーティの構成を変えると、また別の面白い物語になるのではないか?』ということです!」

嘉村「ほぉ……どういうことです?」

三葉「例えば……『男性主人公と少年7人』のパーティ!!


【パターン①】BL、もしくはガチホモ路線


嘉村「……全員男じゃないですか……」

三葉「そうですね」

嘉村「それって……『BL』とか、いわゆる『ガチホモ』とかいわれる……」

※「BL」と「ガチホモ」:いずれも「男性同士の恋愛・性行為」を描いたジャンル。しかし、前者は主に女性(腐女子)向け、後者は男性(ゲイ)向けという違いがある。似て非なるもの。


三葉「そうそう!」

嘉村「うーむ……私はあまり得意なジャンルではないのですが……」

三葉「以前詳しくご説明しましたが……本作の最大の魅力は、以下のように整理できると思います。

・元奴隷などの哀れな少女たちを見ていると、視聴者の中に『オレが守ってやりたい!』という強い欲望(庇護欲)が生まれる。

・主人公の活躍や、主人公に守られて嬉しそうな少女たちを見ていると、まるで自分が守っているかのような気持ちになり、庇護欲が満たされる

……つまり、キーワードは『庇護欲』です」


※注:詳しくは以下の記事でチェック★


嘉村「ふむ」

三葉これをそのまま『男性主人公と少年たち』に当てはめればよいと思うんですよ。つまり、『哀れな少年……優しく手を差し伸べる主人公……嬉しそうに微笑む少年……そして満たされる視聴者(腐女子、もしくはゲイ)の庇護欲!』って具合ですね」

嘉村「あー、なるほど。あり得ますね!」


【パターン②】兄貴と子分


三葉「ただ、『男性主人公と少年7人』のパーティだからといって、必ずしも『BL・ガチホモ路線』に進む必要はありません

嘉村「他にも手がありますか?」

三葉『兄貴と子分』という関係があり得るかなと」

嘉村「ほぉ」

三葉「例えばこんな具合です……主人公はごく一般的な男性。しかし、異世界に移動した際、チート能力を授かる」

嘉村「よくあるパターンですね」

三葉「そしてその能力を使って、弱気を助け、強きをくじく!ヒーローになることを望んでいるわけではありませんが、人の不幸は見過ごせませんからね」

嘉村「なるほど。『異世界転生・転移もの』っぽい」

三葉そんな中で、彼は幾人かの少年を保護する。奴隷のように扱われきた哀れな少年たちです

嘉村「ふむ」

三葉さて、救われた少年たちは何を思うでしょうか?……強い感謝、あるいは同じ男としての憧れでしょうね

嘉村「確かに」

三葉「かくして少年たちは叫ぶ。『兄貴!オレたちを舎弟にしてください!!』

嘉村「そういうことですか」

三葉「なにしろ少年たちは、主人公がチート能力を持っていることを知りません。したがって、『死をも恐れぬ勇気の持ち主』『正義のためなら命を捨てることも惜しまぬ男の中の男』と認識している」

嘉村「あー……」

三葉「だから懇願するのです。『兄貴の男気に惚れたッス!この命、兄貴のために使いたいッス!オレを連れていってください!!』

嘉村「本当はただのチートなのにね……」

三葉「まぁね」

嘉村「ふむ」

三葉「少年たちに頼まれて、主人公は戸惑う……なにしろ、元の世界ではただの一般人ですからね。いきなり兄貴だのなんだのと言われても困ってしまう」

嘉村「思えば哀れな主人公ですね。一般的な『異世界転生・転移もの』では美少女たちが集まってきて、気がつくとハーレムになっているはずなのに……この主人公は、少年たちに『兄貴、兄貴』と持ち上げられている」

三葉しかし主人公は、戸惑いつつも、この哀れな少年たちを見捨てることができない。頼まれたら邪険にはできない性質なのです

嘉村「ラノベではお馴染みの『お人好しの主人公』ってわけか」

三葉かくして、『兄貴に心酔する少年たち』と、『じつは単なるチート能力者で兄貴分には相応しくないが、少年たちの期待に応えるべく精一杯頑張る主人公』による異世界生活が始まるのです!!

嘉村「おー!……で、一体どんな物語になるのでしょう?」

三葉「んー……まぁ、基本的には主人公と少年たちのスローライフを描くんでしょうね。『デスマ』同様、主人公が少年たちに勉強を教えることもあるでしょう。あるいは、少年たちの誕生日を祝ってやったりね。これまで、生まれてきたことを祝福された経験なんてない少年は呆然とし、思わず泣き出してしまったり」

嘉村「あー、ちょっとキュンとするエピソードになりそう!うん、いいですね!」

三葉「ただ、まぁ、それだけではさすがに単調になりそうなので……」

嘉村「ふむ」

三葉「主人公に心酔する少年たちを見ている内に、町の人びとの認識も変わっていく。『頼りになる人らしいぞ』『普段は腰が低いのに、いざとなれば一騎当千の働きをするそうだ』『じつに立派な青年だ』という具合です。かくして、『困った時には彼に助けを求めよう』という風潮が生まれる」

嘉村「なるほど。主人公はどうします?」

三葉「彼は基本的に人がよいですからね。それに少年たちの手本にならねばならぬと思っている。したがって、頼みは断りません。……まぁ、チート能力をもってすれば、大体のことは難なくこなせますし」

嘉村「ふむ」

三葉「とまぁ、そんなことをやっている内に、どんどん子分志願者、心酔者、ファンが増えていき……主人公は『国一番の大親分』、少年たちは『七人衆』なんて呼ばれるようになってね

嘉村異世界版『清水次郎長』ってノリですね」


【パターン③】百合パーティはどうだろう?


三葉「同様に、主人公を女性にして、『女性主人公と少女7人』のパーティにするのもアリだと思うんですよ」

嘉村「なるほど。どんなストーリーになりますかね?」

三葉「んー……本年1~3月に『私に天使が舞い降りた!』(以下、『わたてん』)というアニメをやっていましたが……」


三葉「アレの異世界版かな」

嘉村「それだ!」

三葉「『わたてん』の主人公は、オタクで人見知りの女子大生・みやこです」

嘉村「ええ」

三葉「『わたてん』は、そのみやこと、かわいらしい女児たちの交流を描いた百合っ気のある作品ですが……これを異世界でやる!」

嘉村「ふむ!」

三葉「すなわち……女性主人公の周りにエルフやらホビットやらの少女たちが集まってくる。主人公は少女たちを庇護し、育成し、時には彼女たちのためにモンスターと戦うというわけです

嘉村「ふむふむ。適度に百合要素を盛り込めば、深夜アニメ向きのストーリーになりそうですね」


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 「デスマーチからはじめる異世界狂想曲」の研究(全6回)はこれで終了です。ありがとうございました!

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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