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スーパーエンジニア v.s 銀行!!|『M★A★S★H マッシュ』(3)

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テーマ発表!!


 第1回第2回に引き続き、映画「M★A★S★H マッシュ」をベースに新しい物語を妄想します。

※「M★A★S★H マッシュ」のストーリーなどについては、第1回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 「M★A★S★H マッシュ」は、軍医3人が、堅苦しい軍隊のルールを無視して好き勝手にふるまうブラックコメディですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……前回に引き続き、一体どんな物語にするといいかディスカッションしてまいりましょう!

三葉 承知しました。

嘉村 前回ご紹介したのは、「『M★A★S★H マッシュ』 ~『医師と被災地』編」、「『M★A★S★H マッシュ』 ~『医師と田舎の村』編」の2案でした。


案③


嘉村 それでは「案③」にまいりましょう!

三葉 はい。「案③」は、「『M★A★S★H マッシュ』 ~『エンジニアと銀行』編~」です。


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嘉村 エンジニア!

三葉 詳細をご説明する前に、「M★A★S★H マッシュ」風の物語を作る時に注意すべきポイントを振り返っておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは第1回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 以上を踏まえて「案③」ですが……まずは、「M★A★S★H マッシュ」との比較表をご覧ください。


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三葉 「M★A★S★H マッシュ」が「医師が『独特のルールに支配された組織 = 軍隊』で好き勝手にふるまう物語」であるのに対して、「案③」は「エンジニアが『銀行』で好き勝手にふるまう物語」です。

嘉村 ふむふむ。

三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……主人公は凄腕のエンジニアです。ある日、彼が銀行にやってくる。複雑なシステムを構築するために派遣されてきたのです。

嘉村 なるほど。

三葉 さて、これは完全な偏見ですが……銀行といえば堅苦しい職場の代表格ですよね。

嘉村 まぁ……確かにそんなイメージがありますね。

三葉 「なにぃ……電子決済だと?そんなもの認めん!ハンコだ、ハンコ!ハンコを使うのだ!ハンコには魂がこもっている!」なんて道理が平気でまかり通る、前時代的な職場です。そこへ、スーパーエンジニアたる彼がやってきた!

嘉村 ええ。

三葉 そして、これまた偏見ですが……エンジニアは堅苦しさを嫌う人種ですよね。

嘉村 あー……まぁ、そんなイメージはありますね。

三葉 すなわち……銀行とエンジニア!まさに水と油!嗚呼、この世にこれほど相性の悪い組み合わせがあるだろうか!いや、ない!……全部偏見ですが。

嘉村 ふむ。

三葉 しかし、そんなことに動じる主人公ではありません。彼はおそろしくラフな格好でやって来て、バカでかいヘッドフォンで音楽を聞きながら作業をする。

嘉村 なるほど。

三葉 さらに、窓口の女の子を口説く。あるいは、「一度やってみたかったんだ。ねっ、支店長。いいでしょ?あの巨大な金庫の中で仕事をさせてくださいよ。金庫の中の札束の気分を味わってみたいんですよ!」なんてよくわからぬことを言う。また、入行試験を受けに来た学生に、「君たちの目は節穴かい?悪いことは言わない。銀行なんて止めなさいよ」と説教を始める。

嘉村 ははぁ……。

三葉 行員たちは、そのあまりにも自由なふるまいに度肝を抜かれる。呆気に取られる。しかし、何しろ相手はスーパーエンジニア。多少風変りなのも仕方がない。苦笑しつつ、受け入れる。

嘉村 ふむふむ。

三葉 とは言え、誰も彼もがそう寛容ではありません。「ルール大好きオジサン」、あるいは「規律大好きオバサン」が彼を敵視する。すなわち、「銀行の権威に対する挑戦である!見逃せん!」。彼らは主人公を追放しようと画策します。しかし逆襲に遭い、ほうほうの体で退散する。かくして主人公は、その後もやりたい放題にふるまい……やがてシステムが完成。彼は皆に見送られて、銀行を去る。とまぁ、そんな物語ですね。

嘉村 なるほど。

三葉 以上ご説明した通り……主人公は堅苦しいルールに支配された職場 = 銀行にやってきました。しかし結局のところ主人公は、最初から最後まで自由だった。銀行の色に染まることはなかった。……が、それは銀行にも言えることです。主人公は、銀行を改革したわけでない。彼が来る前も、去った後も、銀行は何1つ変わっていないのです。

嘉村 ええ。

三葉 すなわち!ラストシーンはこんな具合です。……行員たちがパソコンに向かい、主人公の作ったシステムを利用している。おっ、役立ってるな!と思いきや……彼らは作業を終えるとその画面をプリントアウト。そして上長に提出。上長はハンコを押す。そう、何も変わっていないのです。


案④


嘉村 続いて、「案④」にまいりましょう。

三葉 はい。「案④」は、「『M★A★S★H マッシュ』 ~『弁護士と暴力団』編」です。


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嘉村 今度は暴力団!

三葉 「M★A★S★H マッシュ」と比較すると、以下のようになります。


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三葉 「M★A★S★H マッシュ」の舞台は、「軍隊(軍の野戦病院)」でした。同様に、「案①」は「被災地」、「案②」は「田舎の村」、そして「案③」は「銀行」。いずれも、独自のルールに支配された「組織」ですが……「暴力団」もまたこれに該当しますよね。

嘉村 「絶対的な上下関係」とか、「部外者には理解しづらい『仁義』『義理』という行動原理」とか、「『ミスを犯した者は小指を落とす』という約束事」とか……。

三葉 ええ、その通りです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 「案④」のストーリーをご紹介しましょう。……舞台は、とある暴力団です。ある日、顧問弁護士が倒れる。困ったことになった!組は多くのトラブルを抱えている。弁護士なしでは立ち行かない!……とそんな時、ピンチヒッターとしてやってきたのが主人公です。

嘉村 ほぉ。「ごくせん」を彷彿とさせる導入ですね。


三葉 ええ。しかし、実際には似て非なるもの。「案④」の主人公は、「ごくせん」の篠原弁護士のようなスマートなエリートタイプではありません。

嘉村 ほぉ……。

三葉 例えば、彼は誰に断ることなく、組のチンピラを自分の子分のようにこき使うのです。車を運転させたり、タバコを買いに行かせたり、肩を揉ませたり。

嘉村 なるほど。

三葉 あるいは、バーに行けば、組長がキープしている酒を無断で飲む。さらに、重要な会議の日に「今日は天気がいいからサーフィンに行ってきまーす!会議にはネット経由で参加するから、組長さんによろしく言っておいてー♡」と言い残していなくなる。

嘉村 ふーむ……。

三葉 組の面々は呆気に取られる。しかし、何しろ有能。弁護士としては超一流です。組長が「大目に見てやれ」と命じたこともあり、首をひねりつつも彼を受け入れる。……が、誰も彼もが受け入れたわけではありません。彼の舐め腐った態度を許せない者もいる「ヤツのやっていることは、代紋への挑戦だ!オヤジが認めても、オレは認めねぇ!オヤジの命令に背いた罰で小指を詰めることになったって構わない!オレはヤツをやるぜ!」。彼は、主人公の命を狙う。

嘉村 こりゃ物騒だ……。

三葉 しかし、主人公はあっさり返り討ちにする。

嘉村 なるほど。

三葉 その後も主人公の好き勝手は続き……やがて、元の弁護士が復帰したところで、彼は組を去ります。

嘉村 ふむふむ。

三葉 結局、主人公は最初から最後まで暴力団のルールに従いませんでした。「M★A★S★H マッシュ」や「案①②③」の主人公同様、彼は終始自由だった。しかし……。

嘉村 同時に、彼は組を改革したわけでもないと。

三葉 ええ。主人公が来る前も去った後も、組は何1つとして変わっていない。組員たちは、今日も昔ながらのルールに縛られて生きるのでした。で、おしまいです。

嘉村 ふむ。

三葉 以上、「『M★A★S★H マッシュ』をリスペクトした作品」のアイデアをご紹介しました!


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 「M★A★S★H マッシュ」の研究はこれで終了です。ありがとうございました。

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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