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千羽鶴でバーベキューをしよう!!|『M★A★S★H マッシュ』(2)

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テーマ発表!!


 前回に引き続き、映画「M★A★S★H マッシュ」をベースに新しい物語を妄想します。

※「M★A★S★H マッシュ」のストーリーなどについては、前回の記事をご参照ください。


妄想開始!


嘉村 それではまいりましょう!

三葉 はい。

嘉村 「M★A★S★H マッシュ」は、軍医3人が、堅苦しい軍隊のルールを無視して好き勝手にふるまうブラックコメディですが、「設定を思いっきり変えても面白くなるのでは?」ということで……さて!どんな物語にしましょうか?


案①


三葉 まずは、「M★A★S★H マッシュ」風の物語を作る時に注意すべきポイントを確認しておきましょう。


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三葉 ……ですね(より詳しくは前回の記事で)。

嘉村 ふむふむ。

三葉 それでは、以上を踏まえて「案①」は……ズバリ!「『M★A★S★H マッシュ』 ~『医師と被災地』編」です。


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嘉村 被災地!

三葉 「M★A★S★H マッシュ」と比較すると以下のようになります。


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三葉 「M★A★S★H マッシュ」は、「医師が『独特のルールに支配された組織 = 軍隊』で好き勝手にふるまう物語」です。それに対して「案①」は、「医師が『被災地』で好き勝手にふるまう物語」

嘉村 ほぉ。

三葉 ストーリーをご紹介しましょう。舞台は被災地……ここでは、震災で大きなダメージを受けた地域の小学校ということにしましょう。

嘉村 承知しました。

三葉 震災から3日目。小学校は避難所として開放され、多くの人びとが寝泊まりしています。彼らは少しずつパニックから抜け出しつつあるものの、今度は蔓延する風邪、栄養や睡眠の不足を原因とする体調不良、そして集団生活からくるストレスに悩まされている。

嘉村 ふむふむ。

三葉 物語は、そんな避難所に主人公が到着するところから始まります。

嘉村 なるほど。

三葉 彼は、腕のいい医師です。本職は外科医ですが、腹痛だろうと歯痛だろうと、さらに心や精神に関する問題だろうとドシドシ片付けていく。じつに頼もしい存在です……が!1つ大きな問題がある。すなわち、彼は被災地のルールを無視して好き勝手にふるまうのです。

嘉村 被災地の「ルール」というと……。

三葉 ほら、「『被災地では当然守るべき』と暗黙の内に共有されている『約束事』」とか、「『当然読むべき』と期待されている『空気』」とか、あるじゃないですか。例えば、「どれだけ邪魔でも、各地から送られてきた千羽鶴を邪険に扱ってはいけない」とか。

嘉村 あー……アレ、実際のところかなり邪魔らしいですね。

三葉 ええ。しかし、善意で送られてくるものですからね。邪険にはしづらい。いや、してはならない……そんな「ルール」です。

嘉村 ふむ。

三葉 あるいは、「避難所の近くに精肉工場があり、新鮮な牛肉が手に入るからといって、避難所でバーベキューパーティを開催してはならない」とか。

嘉村 ふーむ……まぁ、「ジュージュー肉を焼く被災者」というのは、いわゆる被災者像からは少し離れているかもしれませんね。

三葉 そうそう。しかし、我らが主人公は空気なんて読まない!そんなもの知らん!好き勝手にふるまう!そう、彼は大量の千羽鶴を燃料として、校庭でバーベキューパーティを開催してしまう。

嘉村 ははぁ……。

三葉 被災者は戸惑いつつも、喜ぶ。肉を食べると元気が湧いてきますからね。避難所に活気が出る。また、久々の温かい食事です。皆ぐっすり眠れる。

嘉村 いいこと尽くめですね。

三葉 ええ。ところが……そんな主人公に反感を覚える人もいるんですよ。例えば、ボランティア団体のオッサン。彼は激昂する「なんと不真面目な!千羽鶴といえば、人びとの善意の塊!それを燃やすとは……貴様、それでも人間か!」なんて。

嘉村 ふーむ……。

三葉 あるいは、NPOのオバサン。彼女も怒り狂う「バッ、バーベキュー!?ふっ、不謹慎な!人が亡くなっているんですよ!お肉なんて食べてる場合ですか!喪に服しなさい、喪に!!」

嘉村 うーん……まぁ、頭の固い人っていますよね……。

三葉 被災者や支援者の多くは、主人公の破天荒な行動に驚きつつも、彼を受け入れる。何しろ彼は優秀な医師ですからね。しかし、目の敵にする連中もいるというわけです。

嘉村 なるほど。

三葉 あるいは、避難所の傍に海があるということにして……主人公は、仕事の合間合間にサーフィンを楽しむ。しかも、避難所でナンパしたかわいい女の子を連れて。彼は夏を満喫する。

嘉村 うーむ……先のオッサン、オバサンがブチキレそうだ。

三葉 ええ、当然ブチキレます。彼らは、「避難所生活は不健康になりがちだ。朝は全員そろってラジオ体操をすることにしよう。早起きして、清々しい朝を迎えなきゃね!」「それなら、ラジオ体操の後に歌を歌いましょうよ。きっと気持ちいいわよ!」なんて言い出す連中ですから。

嘉村 ラジオ体操も歌も結構ですが……勝手にやってほしいですよね。夜型の人だっているんだし。

三葉 しかし、彼らは「規律」や「ルール」や「集団行動」が大好きな人種です。全員参加でなければならぬと思っている。

嘉村 なるほど。

三葉 そんな彼らと主人公は、まさに不俱戴天。彼らは、主人公を追い出そうと画策する。しかし、主人公の方が1枚も2枚も上手だった。彼らはあっさり逆襲を受ける。主人公はその後も好き勝手にふるまい……やがて交代の医師がやってくる。かくして彼は、皆に見送られる中去って行ったのでした。……で、おしまいです。

嘉村 ふむふむ。

三葉 最後に1点補足させていただきましょう。……主人公は最初から最後まで好き放題にふるまっていました。しかし、彼は避難所を改革したわけではありません。実際のところ、彼が来る前も、去った後も避難所は何も変わっていない。あくまでも、彼は自分が自由ならそれでよかったのです。


案②


嘉村 続いて、「案②」にまいりましょう。

三葉 はい。「案②」は、「『M★A★S★H マッシュ』 ~『医師と田舎の村』編」です。


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嘉村 今度は田舎の村!

三葉 ええ。まずは、「M★A★S★H マッシュ」との比較表をご覧ください。


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三葉 「案①」が「医師が『独特のルールに支配された場 = 被災地』で好き勝手にふるまう物語」だったのに対して、「案②」は「医師が『田舎の村』で好き勝手にふるまう物語」です。

嘉村 ふむふむ。

三葉 ストーリーをご紹介しましょう。……舞台は、とある田舎の村。ある日、村唯一の医師が倒れる。緊急事態です。医師会が動き、ピンチヒッターとして主人公が派遣されてきます。

嘉村 なるほど。

三葉 田舎の村ですからね。「案①」の被災地同様、暗黙のルールが無数に存在しています。しかし、そんなことを気にする主人公ではない。彼は周りの目を無視して、やりたい放題にふるまう。村の人びとは驚くものの、主人公の腕は一流です。すぐに受け入れる。

嘉村 ふむ。

三葉 とはいえ、全員がそう柔軟なはずもなく……そう、認められない者だっている。彼らは、「村の掟を破る者は許せん!」と主人公を追っ払おうとします。

嘉村 しかし、主人公の逆襲を受けるわけですね!

三葉 ええ、その通りです。かくして、主人公はその後もやりたい放題。そして、正式な医師がやってきたところで村を去る。村は相変わらず因習に囚われたままですが、主人公にとってはどうでもいいことです。彼は自分が自由ならそれでいいのですから。……という具合ですね。

嘉村 なるほど。

三葉 以上、「『M★A★S★H マッシュ』をリスペクトした作品」のアイデアをご紹介しました!


続きはこちら!!

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 最後までお読みいただきありがとうございました。みなさんの今後の創作・制作のお役に立てば幸いです。

(担当:三葉)

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