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毎日締め付けられているきみへ。
将来。
あやふやな輪郭のくせに強烈な引力を持つ言葉だなあとおもう。
将来。
ってそもそもどういう意味なんだろうともおもって調べたら、まあ厳密には割愛して
「〜しようとする。まさに〜せんとする。」
などを指すとのこと。
つまり、「今しようと思ってたの!」
は、すべて、将来のこと。今はまだやってないから。今お風呂入ろうと思ってたの!
将来、不安だね〜。
これからくるもの。
今はまだやってな
感想「ブルーモーメント」原作:一穂ミチ/作画:ymz
こんなにも綺麗なんだったらもういっかって、おもうときはほんとうにあって、わたしの場合は白い朝だった。
あの瞬間がそこにあった。
「ブルーモーメント」 原作:一穂ミチ/作画:ymz
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めっきり電子書籍で買うことが増えた漫画ですが、この本は絶対に紙で買うと決めていたので強い意志で手に取った。大事
24歳、恋しさに寄り添う。
いきなり大人になったなあ、と昨年思ったのだが、全然そんなことはなかった。毎年思うんだろう。
気付いたら20代前半戦終了の警笛が鳴っている。わたし自身からというより、得体のしれない空気中のもやのようなものから。目に見えるような、見えないような。
これにやさしく包まれていたような気もするし、冷や水を浴びせられたような気もする。
どこからか聞こえる大人の言葉のことだ。
……どこからか、なんかじゃない、こ
2021年記憶に残った作品10選
※あとり依和が2021年に出会った作品群のため、2021年発表作品とは限りません。掲載順はランキングでもありません。ご把握をば。
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1. スモールワールズ/一穂ミチ (小説)
12月30日に読み終わったということもあり今一番記憶に残っている。そりゃそう。
「ネオンテトラ」「魔王の帰還」「花うた」「愛の適量」「式日」からなる5編の短編集。
短いスパンで発
あたたかいスープを作る。一人で飲む。
寝過ぎたな、とぼうっとスマートフォンの灯りに目を細めながら時間を確認すると、大体早朝4時頃だった。ベッドへ潜ったのは前日の13時頃で、いちど22時頃に友人からの着信で目を覚まし、それからーー……
あまり良くはない事態だ。
1日の始まりと終わりが混濁して、体が揺り戻しを図っている。なるほどねえと思いながら半日以上振りに体を起こす。眠り姫もびっくりだぜ。
寒くなってからというもの常に白湯で満たしてい
「それはあなたが若いからよ」と、誰かが言った。
「年齢って関係なくないですか?」
と、やり取りの最中に思ったので、お酒が入っていたこともあり、つい口を出てしまった。
一度や二度よりは多いことだった。
たったひとりの誰かではないということだ。
同じように、「性別は関係なくないですか?」
と問うてしまうこともよくあるので、含む意味合いは違えど、近い種が芽吹くのは、そう珍しいことでもなかった。
年相応な大人になりたいと、思っていたのはいつのこと
伝わらないので、伝えている。
絵を描きたいな、とおもうとき
大抵わたしはひとりきりだった。
文を書きたいな、とおもうとき
大抵わたしはひとりきりだった。
歌を歌いたいな、とおもうとき
大抵わたしはひとりきりだった。
「なに言ってるかわかんない」、と、そういえば友だちにもよく言われるな、と最近気付いた。相方にもまあまあよく言われる。
使ってる言葉が難しいとか、矛盾が多くて成立してないとか、抽象的で掴めないとか、そもそ
8月1日を一緒に迎えてくれるあなたへ。
窓を閉めていても蝉の鳴き声が響き渡っていたので、いっそのこと開き直って、窓を開けてみた。
無遠慮に侵入する熱と囁く程度の風が触れる。これを書き終わったら閉めて、冷房を付けようと思う。
夏は思考がクリアになる。遠くのものを見つめて、なにかを考えたくなる。考えるというより、なにかを思い出しているのかもしれなかった。
耳を澄ますと蝉以外にもたくさんの音がちいさく、大きく、そこかしこで溢れていて、世界が鳴
『創作』を『道具』にしたくなかった。
自分が作ったもので何かを為す
ましてや誰かを見返したい などという腐ったエネルギーは
自分にとっては不純物だった。
それで強さを保っているものも美しさを放つものもある。
ただ、
自分がかつて手にしたはずの創作の本来のかたちではなかった。
好きで綴る。楽しくて記す。寂しくて描く。
自分のうちがわとだけ戯れて、自分をひたすら慈しむ、そういう営みであり続けてほしかった。
誰かの正面に立って強がるた
「悪口を言わない」ことは、「すごい」のか?
小学校高学年から中学2年生くらいの時、わたしたちの間では交換ノートが流行っていた。
同年代お懐かしみアイテムのネタとして、プロフィール帳なんかは今でも話題に上がるけど、それの延長線上に繋がっていったものだと思う。携帯電話を持てるか持てないかくらいの時期で、より深く、限られた輪で、自分のことを伝えたり友だちのことを知ったりするツールだった。
ひとつは5~6人で、日常生活や恋愛話、もし○○だったらみ
2年後の君へ手紙を書いた、5年前の君へ
拝啓
手紙ありがとう。
返事を待たせてしまってごめんなさい。連絡が遅いとはよく叱られるので自覚していたつもりではあったのですが、永らく君からの手紙を受け取れずにいたことはほんとうに申し訳ないです。
18歳になったその日に君が綴った言葉はあまりに美しく、ちょっと途方に暮れてしまいました。我ながらすごくいい文章を書くね。びっくりしちゃった。
君が不安に思っていた通り、2年どころか5年経ったってわた
「君と違う気持ちだ」は、「君がきらいだ」ではない。
「なるほど、そうなんですね。わたしは少しちがうかもしれないです。」
を、
言葉のとおり受け取ってもらえないときがある。
どうしてなんだろう。
人と話がしたかったはずなのだが、結果的にすごく疲れているしなにより、傷付いている気がする。
おっかしいな。あれ? なんで?
何故なのかすぐには気付けるほどの瞬発力や思考力はないので、「人とたくさん話をして疲れた」などとその時は結論づける。
でもずっ
17歳から突然23歳になった。
いや、そんなことはないはずなんだけど。
随分と長いこと、17歳をやっていたような気がする。
いや、そんなことはないはずなんだけど。
先日、誕生日を迎えた。
23歳になった。
去年と一昨年は諸般の事情で17歳をやっていたので、やっぱり人より長いこと17歳はやっていたらしい。
というのもわたしが17歳がいいと強くお願いしたので、彼らも必然的に17歳でいてくれたのだ。友だちに恵まれているのがわたし
おばあちゃんとわたしと向日葵
毎年、夏になるとわたしはわたしとの約束を守って、1枚の絵を描く。
向日葵の絵だ。
どのくらい前からそうしていたのかはっきりとは覚えていないが、恐らく今年で6、7年ほどになるはずだ。
8月は祖母の誕生日があるからであった。
夏真っ盛りに生まれた彼女は今年で喜寿を迎え、よく食べ、よく笑い、まるで赤子から姿形が変わっていないかのようにわたしを愛す。
物心つくかどうかの幼い頃、「おばあちゃんちの子にな
わたしと『歌ってみた』の話
音楽は人並みに好きだった。
今よりテレビでは音楽番組をよくやっていたし、好きなアイドルのCDを買ったり、母の車の中で流れる曲を覚えて口ずさんだりもした。
ただあまり裕福な家庭ではなかったので、少ないお小遣いの中で自分のお金をどこに使うか優先順位をシビアに決めなければならなかった。
小学校低学年の頃からわたしの興味の頂点にあったのは漫画で、まずたくさんの本を読みたかった。きれいな絵がみたかったしドキ