#70「アーセナルvsトッテナム(マッチレビュー)PL第28節」
今回は「アーセナルvsトッテナム<マッチレビュー>PL第28節」を書いていきたいと思います。
最高の週初めになりそうですね。引っ越しの準備と移動などでバタバタしてこの記事がアップされるのは時間がかかったかと思いますが、ちゃんと皆さんのように余韻に浸って、フルマッチを何度も見て、ラジオ的にハイライトを流して作業していました。
これにてロンドンの平和は守られ、元の秩序に戻ったということで、一件落着ですね。
North London is RED. ついでにLondon is RED
チーム紹介
ホームチーム:アーセナル
監督:ミケル・アルテタ
フォーメーション:4-2-3-1
アウェイチーム:トッテナム
監督:ジョゼ・モウリーニョ
フォーメーション:4-2-3-1
プロローグ
アーセナルはEL Round of 16 1st Leg 2nd Legの連戦のど真ん中に、まさかのノースロンドンダービー(以下、NLD)が入るという鬼畜日程でした。ターンオーバーしようにも目の前の相手に負けたら元も子もありません。NLDにはベストメンバーをぶつけたいところでしたが、なんとキャプテン&エースストライカーのCFオーバメヤンがDisciplinary Reasons(=懲罰的理由)により先発メンバーから外れました。それ故にグーナーが渇望していた組み合わせが実現しました。CFラカゼットを頂点とするサカ、オーデゴー、スミス=ロウの4人が揃い踏みです。
スパーズは、EL開催規定により、Round of 16 vsディナモ・ザグレブ(2-0)をホームで迎えることが出来ました。その前のPLでもフラム、クリスタル・パレスとロンドン勢との対決だったため、移動が全くありませんでした。モウリーニョ好みの中盤の強度を高めてCMFシソコなのか、前線の好調を維持するために、モウラを起用するのかがポイントでした。実際は後者を選び試合に臨みます。
前半<アーセナル>
〇OMFオーデゴーの起用の意図
〇圧倒的な左サイドを蹂躙
〇待望の先制点
〇OMFオーデゴーの起用の意図
新たな司令塔像を確立するきっかけになるような出来でした。
これまでの伝統的な司令塔と言えば、ポジション問わずに、ボールを握りながら試合をコントロールするような選手が思い浮かびます。現代サッカーの高速化、アスリート化によって司令塔は絶滅危惧種のように思われ、サッカーからファンジーは消えたと思っていました。守備面での遅さ、弱さといった点で、攻撃面でのメリットよりも守備面でのデメリットの方が大きくなったからです。エジルがまさにそうでしたよね。
その伝統的な司令塔の最新版がOMFオーデゴーであると思っており、独特のプレーテンポがあるPLでは活躍に時間を要すると考えていましたが、この重要な試合でいい意味で裏切られました。
守備面での貢献が非常に大きく、新たな司令塔像の確立という新たなステージに入るかもしれません。
OMFオーデゴーはCFとともにファーストDFとしてプレスの開始、相手の誘導が任されています。※特に、エジルはこのプレス強度不足という点で試合に絡めなくなったと表向きには言われています。
このプレスによる誘導のコース、タイミング、立ち位置と素晴らしいのです。
ココが凄い!OMFオーデゴーのプレス
☆今からプレスを開始するぞというアクションが分かる。
☆背後のCMFを背中で感じながらのプレス。
☆簡単に切り返しをさせない。
自身を俯瞰してみているような、自分自身をゲームで操作しているような、コース取りサッカーIQの高さを表現していました。守備面での貢献度が高く、もちろん得意の攻撃面でも貢献度は高かったです。右サイドの深い位置まで侵入したり、低い位置まで降りてきたりと運動量も豊富でした。若干、RSHサカの良さを消してしまっている感は否めませんでしたが、、、
レアル・マドリ―からの移籍、イニシャルがMØ11ということからの“あの人”に姿を重ねたくなります。そう。MÖ10、メスト・エジルです。
彼のような伝統的な司令塔の良さを踏襲しつつ、守備面でも司令塔ぶりを発揮するような新たな司令塔のアイコンになってほしいです。
もちろん来年もLondonでね。
〇圧倒的な左サイドを蹂躙
今ではPLトップクオリティを誇る左サイドの攻撃力です。LSBキーラン・ティアニー&LSHスミス=ロウのコンビは最強であると見せつけました。
LSHスミス=ロウが、何度も何度もフリーランを繰り返し、トッテナムの右サイドを機能不全に陥れました。特に、プレビューでも述べた通り、CBとSBの間のスペース“エアポケット”へのランニングが効果的でした。
トッテナムはそのスペースに対して、CMFがカバーに入るため、RSBドハーティとLSBティアニーが1on1になります。その質的優位性をしっかりと活かし切ったLSBティアニーはこの試合キーマンになりました。アーリークロスや深い位置まで侵入してからのクロス、イン→アウトのフェイントと多彩な選択肢を相手に見せたことで、後手後手の対応に追い込みました。
スパーズからすると、もっとやれたと思ったでしょう。まだRSBドハーティがスパーズの選手であることを受け入れられずに(彼は生粋のグーナー)、ましてやRWGは守備が得意ではないベイルが配置されていたのではなから無理だと思ってましたが。
〇待望の先制点
前半終了間際の大きな同点ゴールとなりました。
これも左サイドからのクロスでした。上記の通り、様々な選択肢を見せていたため、スパーズ側のリアクションが遅れたように思えます。LSBティアニーのマイナスクロスを遅れて入り込んだOMFオーデゴーがPKスポット付近からミドルシュートを冷静に決めました。
LSBティアニーのクロスも素晴らしかったですが、相手DFを下げさせ、PA内にスペースを作り出したCFラカゼット&RSHサカの貢献も忘れられません。
前半<スパーズ>
〇攻め手がないスパーズ
〇ソンの離脱と映画スターのラメラ君の登場
〇攻め手がないスパーズ
司令塔OMFオーデゴーを筆頭に前線からうまく、誘導してきたアーセナルに対して、スパーズはこれといった準備もなく、自らが主体的に攻撃することは少なかったように思えます。元々カウンターが大好きで相手のミスが三度の飯よりも好きなチームなので、個人に依拠した即興性の高いサッカーを展開しました。
例えば、CBトビー・アルデルヴァイレルトの対角線上に位置するRWGベイルに直接届ける配球、CFケインが収めてからWGが斜めに走り込む等でした。(CFケインはCBガブリエルが完封したので攻め手がなくなったという見方が大半です。)
〇ソンの離脱と映画スターのラメラ君の登場
ソン&ケインという品格のひの字もないデュオですが、クオリティの高さは認めざるを得ません。前回対戦はやられましたから。
しかし、不謹慎ながらLWGソンの筋肉的な負傷による離脱によって攻撃力は半減したも同然です。連戦に次ぐ連戦で疲労が蓄積していたのかもしれませんね。
彼のアクシデントに代わって、出てきたのが映画スターのLWGエリック・ラメラです。嫌いな選手ランキング<パッと思い浮かぶ編>毎度毎度トップ3に入賞する、あの“物議を醸した”LWGエリック・ラメラです。大事なので2度いいました。
ミッドウィークで引っ越し等の新生活が落ち着いたらorシーズンオフになれば、好きな選手ランキングや嫌いな選手ランキング等ランキング系の記事もアップ出来たらな、と思うのでその時、LWGラメラがなぜ嫌いなのか見てください。
<はいはい、うまいうまい。ゴラッソ?>
最後のシュートは奇妙な瞬間でした。それまでのRWGベイルのサイドチェンジをダイレクトで折り返したLSBレギロンのパスは素晴らしい判断とそれを実行できるスキルでした。横に揺さぶられたアーセナルは自分マークよりも、ボールを目で追ういわゆるボールウォッチャーになってしまい、対応が後手に回りました。
そのあとのシュートは、角度的によく見えなかったし、ノーコメントで。帰ったら映像を見て確認するよ。
って感じでした。(ヴェンゲル爺さんがよく言うやつ)
後半<アーセナル>
〇CMFトーマスの不安定なプレー
〇CBダビ・ルイスガチャはSSR
〇審判が”正常”なら強いのがアーセナル
〇CMFトーマスの不安定なプレー
CMFトーマスが近頃復帰してから大きな戦力になっていることは間違いありません。
ミドルサードでのドライブ
ダイナミックなパス
堅実なボール奪取チーム
以上の3つだけでなく様々なシーンでチームを救っていることは間違いありません。
しかしながら試合中に1回程度、どういうわけか彼らしくない軽率なミスがあります。
不用意なボールロスト
軽すぎる寄せと
不必要なファール
まったく彼らしくありません。だいたい、その後、自力でボール奪取するので、1人で2役やっているに違いありません。
彼らしくないミスは集中力の欠如からくるのか、まだPLに馴染めていないのか、はたまた怪我明けで本調子ではないのか。原因試合を観る限りではわかりませんが、改善を期待したいですね。
試合終盤には自陣でのパスミスでCBダビ・ルイスに檄を飛ばされていました。
〇CBダビ・ルイスガチャはSSR
皆さんご存知の通り、CBダビ・ルイスは調子が良ければ、鬼神のごとくゴール前に立ちはだかりますが、ガチャが外れると得点に直結するようなミスもあります。
この試合はSSRでした。得意のロングフィードも圧巻でした。菱形のビルドアップで右側にはCBダビ・ルイス、左側にはCMFジャカというミドルパスの達人を揃えるこの形は、安定して相手の嫌なゾーンにボールを運べるので効果的です。
後半終了間際に自陣でパスミスを繰り返した味方に対して檄を飛ばすシーンもあり、今季で契約が切れるということから、プレーイングコーチとしてクラブに残る可能性もあるそうです。とは言え、最近このガチャ外れ無しなんですかね。
〇審判が”正常”なら強いのがアーセナル
PKのきっかけとなったのは、相手GKからのキックをRWGぺぺが素晴らしい予測からのボール奪取です。相手が攻撃開始しようと広げていたタイミングでのボール奪取だったため相手陣形が整っておらず、RWGぺぺが選択した鋭く、相手DFを抉るようなスピードで最前線のCFラカゼットに届けました。
彼のファーストタッチで1発で左足でシュートを打てる位置にコントロールできたため、素早くシュートモーションに移せました。その綺麗なモーションにたまらずスライディングで飛び込んできたのは悪名高いCBダビソン・サンチェスです。CFラカゼットは空振りしたにもかかわらず、Cダビソン・サンチェスは足首にタックルした形になりました。
CBダビソン・サンチェスは身体能力の高さから特大のポテンシャルを秘めていますが、なぜかいつも軽率なミスで台無しにしてしまいます。
ありがとう。
PKキッカーは職人CFラカゼットで、ネットを揺らしました。これで6度連続のPK成功となりました。(成功率100%)
後半<スパーズ>
〇映画スターのあっけない幕切れ
〇10人の方が強いスパーズ
〇#トッテナムは暴力団
〇映画スターのあっけない幕切れ
全世界のグーナーがこの瞬間を待っていました。<76分>LWGラメラ退場です。
完全にLSBティアニーが寄せに来たことを確認してから、あの高さで腕を振りLSBティアニーの顔面にぶつけました。普通振りませんよね、やっぱり練習しているのでしょうか。気になります。
DAZNに映ったジョゼ・モウリーニョ監督もあきれ顔です。
途中出場、ゴール、退場と最高のエンターテイナーですね。たぶんCFエマニュエル・アデバヨール以来だと思います。懐かしいですね。CMFサンティ・カソルラの足首を狙った足裏タックル。5-2で勝った試合だったはずです。
〇10人の方が強いスパーズ
10人で残り時間を戦うことになったスパーズですが、10人になってからの方が脅威でありました。中央に選手を集め、4-2-2-1のような形を取りました。シンプルに長いボールを前線に送り込み、密集地帯でボールを回復させるという1番怖いキック&ラッシュを仕掛けてきました。またいいタイミングで織り交ぜるOMFモウラのドリブルも恐怖でした。最も得点の可能性が高かったです。
〇#トッテナムは暴力団
はい今回もアーセナルがリードしたとたんに、プレーがより一層荒くなりました。
毎度毎度、どの選手が怪我させられるか怖くてしかたありません。
<75分>
CFケインがフラストレーションが溜まり、爆発させたのが、このプレーでした。
完封されていたCBガブリエル・マガリャンイスにアフターチャージで吹き飛ばしました。CBガブリエル・マガリャンイスはパスを出した直後で、身体が脱力したタイミングだったので余計に吹き飛ばされました。
ラメラの退場も妥当でしたが、この愚行も退場にならなかったのは不思議でたまりません。イングランド代表主将を務めることもある人物には特別ルールでもあるのでしょうかね。さすがに理解に苦しみます。
試合結果
アーセナルvsスパーズ(2-1)
得点者:‘33トッテナム ‘44オーデゴー(ARS) ‘64ラカゼット(PK)(ARS)
試合ハイライト
個人的MOTMマーティン・オーデゴー
遂に彼にアーセナル移籍後PL初ゴールが生まれました。これまでvsアストン・ビラ(0-1)等で度々、マイナスクロスに対してシュートという展開を作っていただけに、このダービーという特別なゲームでの初ゴールは彼にとっても素晴らしい思い出になるでしょう。
走行距離も最長距離ということで、攻撃面だけでなく、守備面でもコースの誘導含めて奮闘していました。最高の状態にあるのでしょう。
今以上にアーセナルサポーター、選手から愛される選手になって欲しいです。どうやら噂では完全移籍についての交渉をするように代理人に指示したそうですよ。
エピローグ
アーセナルは再びホームでのノースロンドンダービー無敗記録が更新されました。2列目のスミス=ロウ、オーデゴーが躍動しながら、最終ラインも大崩れせずに完勝といっていい出来でしょう。
課題として決めるべき時に決める、試合の終わらせ方等ありますが、ダービーでは勝利こそが最重要です。
まあ数的優位になることなんてほぼありませんし、大体、厳しい判定で退場するのはアーセナルですから、試合の殺し方は難しいですよね。ダービーの勝利から切り替えてミッドウィーク決戦のEL Round of 16 2nd Leg vsオリンピアコスにも勝ち、最大の目標であるEL優勝からCLルートへの旅を続けましょう。
スパーズは、CFケインを完全にCBガブリエル・マガリャンイスに封殺され、相方のLWGソンは負傷交代と不測の事態が続きましたが、先制点までは想定通りの展開だったのではないでしょうか。リードされると荒くなるのは本当に辞めてほしいです。
ノースロンドンの正しい秩序は守られました。いつも最後に勝つのは正義ですから。
North London is RED🔴⚪️
それではこのへんで、、、
ばいころまる~
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