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およそ500字日記

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文字数を稼いでなんとか500字以上書けるように頑張っています。
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#人生

2023年5月9日の日記

2023年5月9日の日記

 地元の最寄り駅で友人と喫茶店に立ち寄り、モーニングを食べてバスで帰るのを見送った後、私はどうしようかと、小雨の音が響くバスターミナルに立ち尽くして考えた。駅前には立派な市立図書館がある。お昼までまだ時間もあるし、早々に大阪に帰るのもなんだか癪だから、図書館で本でも読みながら時間つぶしをすることにした。

 読書スペースの机には「居眠り禁止」の紙が貼られているが、横の席のお爺さんはお構いなく机に突

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2023年5月5日の日記

2023年5月5日の日記

 5月3日、ゴールデンウィーク序盤だと思って意気込んでいたら、世間ではもう中盤だったらしい。Do you know?運命は奪い取るものさ。

 5月4日、昼は地元で友達とご飯を食べて、夜は家族で飲みに行った。私はハンドルキーパーなので一滴も飲めないまま4時間くらい烏龍茶飲んでた。エンジンがかからないまま途中で話すネタがなくなり、赤ら顔の家族の話を白い顔で聞いていた。

 ありがたいことに毎年なんや

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2023年3月27日の日記

2023年3月27日の日記

「発端は愛やで!」とダウンタウンの松ちゃんも言っていた。確かに、50音も「あい」から始まるしね。人間のあらゆる行動原理の発端は愛なのかもしれない。
 ターミナル駅の改札前はおもしろい。しばらく立っていると、小さな人間ドラマがいくつも見られる。金曜の夜、中年のおじさんが「よい休日を!」といって別れていった。オッサンになってもそうやってお互いの楽しい明日を願える人は果たしているだろうか。これも愛なんだ

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2022年9月17日の日記

2022年9月17日の日記

 日々加算されてゆく支払明細書の金額は、自分が営んできた生活の代償であると考えると、この明細書に刻まれた数値こそが自分の価値そのものだといえる。贅沢をしていないつもりでも、それなりに経済活動をしているとそれなりの金額になる。払うのが惜しくて震える手が差し出した万札が、紛れもない等身大の私だ。

 もう髪が伸びてきた。あのとき、躊躇せずにもうちょっと多めに切ってもらっていればよかった。月に1度のペー

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2022年8月3日の日記

2022年8月3日の日記

 夜21時過ぎの新大阪駅のコンコースを歩いていると、新幹線の発車時刻が記された電光掲示板に目が止まる。スーツケースを引きずった若者が出たり入ったり、この時間になっても10分間隔で東西に新幹線は出発していく。

 21時24分発東京行き、東京へ行く新大阪駅からの最終列車だ。この新幹線に飛び乗れば、日付が変わる前に東京に到着することができるのだ。「今から行くわ」と東京の友人に伝えてその2時間後には終電

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