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1998年度、いよいよ開始 その1

《4月1日(月)》  準備の話し合い

 1日は、新入生の名簿が届き、1年の計画を話し合う日だ。指導員の転勤に伴う引き継ぎの日でもある。だから、平日なのに珍しく閉所している。

 でも《あそぼうクラブ》は、アルバイトの山坂先生がやめて、新しいアルバイトの奈良先生が来ただけだったので、引き継ぎはなかった。
 だから、一年の流れの打ち合わせと明日の段取りをしたあと、新入生を迎える部屋の飾りを作った。トレットペーパーの芯で、小鳥をたくさん作って天井にぶら下げた。窓は、色紙の鎖で華やかにした。

 「新一年生が、来て嬉しい」という、迎ムードを盛り上げておくことは大切だ。「トイレットペイパーの小鳥が楽しいんですか?」と奈良先生に聞かれた。

《4月2日(火)》  新1年生全員登校

 春休みだが、新1年生も全員登校。さすがに 50名の子どもがやってくると、すごい声の渦だ。OGの 上杉さんが遊びに来てくれて、一年生の面倒をよく見てくれた 。手が多いのは、助かった。
 新1年生は、靴箱がどこだとか、カバンの片付け方や自分のロッカーがどこでどう使うかなど、初めてのことばかりだからだ。新班長さんが、頑張って説明してくれたが、それだけでは足りない。

 昼からは、4月2日恒例の散歩に出かけた。近所の砧公園に散歩に出かけた。だれも迷子にしないように注意していたら、奈良先生が迷子になるというアクシデントがあった。

 砧公園では、10人位いっぺんに滑れるすべり台がある。そこで、新1年生一人ひとりを膝にのせてすべった。そうすると、関係が早くつくからだ。そのあと、班対抗リレー(走ってバトンを渡す)をすべり台の周りでして帰ってきた。班長と新1年生との関係も、これでつきやすくなる。文字通り、バトンでつながる。

 おやつの後は、新入生歓迎会として新1年生でもすぐできるゲーム大会をした。「 なんだ何だ班会議」「 隣は誰だーれ」「名前呼び part 2」を班対抗で やった。にぎやかに盛り上がった。最後に、「《あそぼクラブ》に来てくれてありがとう」と プレゼントを渡した。去年作った焼きものの箸置きと文集だ。

 小笹君が鉄棒で遊んでいて口を切った。 久保田君が、砧公園への散歩の途中でこけたて膝を擦りむいた。少し怪我の多い 出発になってしまった。気を引きしてめていこう。

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大きなすべり台

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『春休み登校』
 
新1年生をいつから預かるかは、大事な問題です。保護者によっては、可愛そうだからという理由で、新学期の4月9日(4月8日は入学式の代休日)から預ける人がいます。保護者は、4月1日から働いてているのにです。
 つまり、新1年生の中には、4月1日から8日まで一人で家で過ごす子が出てきます。その子は、家での生活と学童の生活を比べますので入って1週間位で「学童をやめたい」と言い出します。

 そこで《あそぼうクラブ》では、入会説明で。1日は保護者に仕事を休んでもらって家で子どもと過ごしてもらい、2日から新1年生も全員、学童に来るように提案していました。

『4月2日恒例の散歩』
 あえて、新1年生の1日目に学校外へ連れて行きます。班長に、新1年生を意識させて、守り育てていく意欲を持たせるためです。新1年生に、このミニ行事で一気に学童を好きになってもらう狙いがあります。

 部屋の中で、安全にちまちま遊ぶことでは、子どもたちの関係は、育ちにくいのです。

『関係が早くつく』
 
膝の乗せて滑るのは、スキンシップをねらっています。これによって、これまでの生活環境で、大人との愛着関係や共感関係ができていなくても、学童の先生と愛着や共感が生まれ、大人との関係が改善していくからです。

『なんだなんだ班会議』 『隣は誰だーれ』『名前呼び part 2』
 遊び方は、次のマガジンを参照してください。


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