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育て直し 1987年 9月1日(火)1歳11ヶ月 名前を連呼しても、何もわからない。気持ちを、言葉にすることを教える

【日記が跳んでいるので、補足】
 妹の七瀬は、8月15日に生まれた。順調だと思われた5日目(8月20日)、40度を越える高熱を出した。助産婦の久美子は異常事態だと悟り、すぐさま子ども専門病院に連れて行った。「よく気づきましたね」と言われながら、医者の判断で即入院となった。それから11日目の日記が9月1日だ

【日記】
 生まれて5日目に入院した七瀬が、病院から帰ってきた。40度を越える高熱の原因は、無菌性脳髄膜炎だった。無菌性だったのと発見が早かったために、後遺症が残らなかった。一時は「障害が残る確率は、五分五分です」(私達は、当時、障害児通所施設の指導員だったこともあり、真っ青だったと思います)と言われていたので、すごく安心した。
 障害を持ったた赤ちゃんの親が抱える不安を、嫌というほど味わった。心から、七瀬を大切に育てたいと強く思った。

病院は、子ども向けに可愛いい設計だった

 梓が生まれた時は久美子の入院騒ぎになり、七瀬の時は本人の入院騒ぎになった。誕生の喜びと病気の不安がいつもセットでやってくる。そのたびに、梓と私の父母に負担をかけている。特に、梓はその負担によく耐えている。母がいない状態によく耐えてれてありがとう。私の父母の孫に対する愛情が、助けてくれていることも、忘れてはいけない。

 梓は、七瀬が帰ってきて喜んでいた。興奮ぎみに「七瀬、七瀬」を連発して、七瀬の周りを回って半分踊っていた。👨‍🎓 いいお兄ちゃんだな。

すごく仲良しの赤ちゃんと兄

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【解説】
 喜んでいるのはいいことですし、名前を読んでも不自然ではありません。しかし、凸凹タイプには、名前を呼ぶだけでない正しい喜び方を「想像」「共感」と「覚えて」で教えておく必要があります。

 なぜ、名前だけの連呼ではいけないのか?それは、凸凹タイプは将来「腹が立ったとき」や「困ったとき」でも、名前を連呼するだけでコミュニケーションしてしもいいと考えてしまうからです。それでは、何に怒っているのか、何に困っているのか全く分かりません。だから、凸凹タイプは小さいうちから、気持ちを言語化することを教えていく必要があります。

 例えば、将来、母親が仕事から家に帰ってきたら、兄妹喧嘩していて梓が「七瀬、七瀬、七瀬…」と叫んでいるだけで、喧嘩の事情が全然分からずに母親が困ってしまうことなどです。

これでは、親は困ります

【セリフ】
父「名前を呼んでるけど、七瀬が帰ってきて嬉しいのかな(「想像」)。」
子「七瀬、七瀬(嬉しいよ)。」
父「妹のことを思ってくれて、お父さん嬉しいわ(「共感」)。」
子「七瀬。」
父「でもね、そんなときは『七瀬』でけではなく『七瀬、帰ってきてうれし
 い』と言ってね(「覚えて」)。」
子「うれしい?」
父「そうだよ。名前だけ読んでも、何も分からないからね。分かった。」
子「分かった。」
父「じゃ、1回言ってみようか?」
子「七瀬(帰ってきて)うれいし。」
父「よく覚えたね(「共感」)。」



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