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元発達相談員の育て直し日記 《4歳から6歳》 一部有料

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これで、本として完結してます。4歳から小学校に向けて「凸凹タイプの子どもに、何をどのように育てていけばいいのか」を超具体的に書いていきます。  小学校になると必要になるスキルが3… もっと読む
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#発達の凸凹

4歳から6歳までに『何をどう育てるのか』を、ものすごく具体的に書きます

4歳から6歳までに『何をどう育てるのか』を、ものすごく具体的に書きます

 「これから、何を書こうとしているのか」の説明編です。少し長いですが、読んでください。

1.4歳から6歳までの間に「どんなこと」を教えていけばいいのか  小学校に向けて、4歳から6歳までの間に「どんなこと」を教えていけばいいのでしょう。考えながら、子育てしているでしょうか?
 平均タイプなら心配いりません。子どもから出てくる要求に合わせて子育てすれば、普通に小学校に適応するような子どもに育ちまま

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Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   3「チャイム」と「時計の見方」 その1

Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   3「チャイム」と「時計の見方」 その1

この項目には、2つの補助項目が付いています。まず、それを紹介し【解説】します。
 
1️⃣ チャイムと共に行動することの意味とその大切さを知る。
  【解説】

 小学校は、自立にむけて育てていく方針があります。そのため「自分で時間を見て行動すること」を求められます。しかし、各自が時計を持つのが難しかった慣習が残っていています。つまり「時計を持っていないので、チャイムで時間の変わり目を知らせます

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Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   4 休み時間の過ごし方 その2

Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   4 休み時間の過ごし方 その2

1️⃣ 長い休み時間とお昼休み以外の休み時間は、トイレ休憩であって遊び時
  間ではないと知る。 【育て方】

 凸凹タイプの子どもは「一つの言葉は、一つの意味しか持っていない」と考えています。例えば、次のようなことがありました。

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Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル         5 イスの座り方 その5

Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル    5 イスの座り方 その5

【育て方 実践編】
 「凸凹タイプのこどもが、イスで座れる」ように育てるためには、うまく統合できていない感覚を探して、それを補っていけばいいのです。探し方は、「揺れる」「すべる」「力を入れる」「高いところから飛び降りる」「回る」の5つをチェックすればいいでしょう。少し試してみて、怖がったり、強く嫌がったりしたものが統合できていない感覚です。

 5つそれぞれの「試してみること」(体ひとつでできるこ

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Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル         6 机の上の使い方 その2

Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル    6 机の上の使い方 その2

1️⃣ ノートと教科書、筆箱の置き方を覚える。 【育て方】 

 家庭では、食卓の上の使い方をマナーとして教えるといいでしょう。ご飯や汁物などの置き方を教えるのです。
 「物を置く位置が決まっていて、それには意味があるのだ」と学ぶからです。そして、それを「覚えて守っていかないといけない」と知るからです。この経験が、学校で机の上の使い方を学ぶときの、知識に繋がります。

【セリフ】「やりとり」を使っ

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Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   8 消しゴムの使い方とカスの後始末の方法 その2

1️⃣ 持ってきていい消しゴムと、いけない消しゴムを覚える。【育て方】

 文房具屋さんに一緒に行って、消しゴムを買えばいいでしょう。その時「覚えて」で、次にように教え込みましょう。

【セリフ】 「やりとり」を使っています。
  「学校に行ったら、この消しゴムを使うのがルールらしいよ(「覚え
   て」)。」
  「こっちのヒーロー物がいい。」
  「そうだね。そっちの方がかっこいいね。いつもテ

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Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   10 配布物の配り方 と
連絡袋に入れる方法
 その2

Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   10 配布物の配り方 と 連絡袋に入れる方法  その2

1️⃣ プリントを後ろに配るときは、身体を捻り相手と目を合わせて「どう
  ぞ」と言う。相手は「ありがとう」と言う。配布物が、足らないときは
  どうするのかを覚える。

【育て方】

  家でも、ものを「手渡し」する経験しておくといいでしょう。「すみません」を使って頼み「はい、どうぞ」と「ありがとう」をついでに経験しておくのです。練習ではなく、日常生活として普通にやりましょう。
 クッキングをし

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Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   13   給食当番の方法  その2

Ⅰ 低学年で覚えて欲しい生活スキル   13  給食当番の方法  その2

4️⃣ お代わりと残し方のルールを知る。 【解説】

 給食は、基本的には全量食べることになっています。健康に育つように、一日の栄養量を栄養士さんが計画・計算しているからです。
 しかし、最近では、それよりも子どもの思いを優先する教育がなされています。食べたくないものを無理やり食べても栄養にならないし、逆に嫌いな食べ物を増やすことが分かったからです。

 だから、「事前に先生に申し出れば、減らすこ

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Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル   18 ノートのとり方  その3

Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル   18 ノートのとり方  その3

 補助項目の【解説】の続きです。

3️⃣ チョークの色とエンピツ色との関係を覚える。  【解説】

 これは、小学生には分かりにくいルールです。凸凹タイプの子どもには、なおさらでしょう。
 最近、チョークの色は増えています。しかし、有効に使える色というのは余りありません。かつ、板書で目立つように使った色を、子どもたちが同じようにノート使うと、あまり目立たないということも起こります。例えば、黄色で

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Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル   18 ノートのとり方  その6

Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル   18 ノートのとり方  その6

1️⃣ 早く視写するときと、丁寧に視写するときの違いと方法を知る
 【育て方】

 これは、思考の柔軟性が弱い(固執性、こだわりがある)ことと関係しています。凸凹タイプの子どもは、多かれ少なかれこの特徴を持っています。

  ・一つのことを覚えたら、他のことを覚える気がない
  ・あることには、一つの方法しかないと思っている
  ・ある方法を覚えたら、それにこだわる
  ・いい方法があるのに、なぜ

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Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル   18 ノートのとり方  その8

Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル   18 ノートのとり方  その8

6️⃣ 資料をノリで素早く貼り付けられるようになる。  【育て方】

 「紙をのりで貼るスキル」は、遊びやお手伝いで育てておきましょう。【解説】でも書いたように、結構学校で使いますしスピードも求められます。

 ノリで遊ぶと言えば、貼り絵でしょう。広告紙や折り紙をちぎって貼って、たくさん遊びましょう。小さいときは、台紙の方にのりをぬたくったりしたあと、貼り絵をしたらいいでしょう。

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Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル 21 辞書が引けるようになる その1

Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル 21 辞書が引けるようになる その1

 これにも、補助項目がありません。「辞書」ついて「その1」で【解説】します。そして「その2」で、幼児期での【育て方】を書きます。

 学習指導要領上では、3年生のときに国語辞典の引き方を教えることになっています。しかし、それはほんの少しだけです。それだけでは、いけません。なぜなら「辞書を引くこと」には、大きな意味と効果があるからです。 

 今の小学校は指導要領が変わって、教師が一方的に知識を与え

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Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル 21 辞書が引けるようになる その2

Ⅱ 低学年で覚えて欲しい学び方スキル 21 辞書が引けるようになる その2

 「辞書を引くスキル」の【育て方】を書きます。

 4歳から6歳の子どもは、好奇心盛りです。「~は、なぁに?」「これは、なんという~なの?」など、いろんなことを聞いてきます。
 そのときが「辞書を引くスキル」育てるチャンスです。知っていたら、ぱっと答えたいところですが、わざと「調べてみようか?」と「調べる」ことに誘ってみましょう。

 【解説】でも書いたように、調べて知った内容より調べる過程を知る

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Ⅲ 低学年で覚えて欲しい対人スキル 23 あいさつができる その2

Ⅲ 低学年で覚えて欲しい対人スキル 23 あいさつができる その2

 2️⃣ 授業の初まりと終わりにあいさつする 【解説】

 この「授業のあいさつ」は、学級経営と大きく関係します。1️⃣でも解説しましたように、発達に凸凹がある子どもは「授業のあいさつ」をしない子が多いのです。しかし、「授業のあいさつ」は「先生からの最初の指示」にあたります。だから、あいさつをしない子が一人でもいると、クラスルールが乱れていきます。

 その流れは、次のようになります。

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