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35-幸運と不運、どちらも人生において不可欠だった

【前回のお話】

(1767字・この記事を読む所要時間:約4分 ※1分あたり400字で計算)
 
 さあ、長かったわたくしの自叙伝も、いよいよこれで最終回。
 
 
 簡単にまとめると:
 
【まともな大学生活を過ごさず、就活でつまずく】
  ↓
【紹介で入った会社で、自分が所謂「普通」じゃないことに気付く】
  ↓
【社会になじめず、体調不良を起こし実家で休養へ】
  ↓
【大学院に入学し、傍らアルバイトで社会経験を積むことに】
  ↓
【再度、自分が周りと何かが違うと認識する】
  ↓
【大学院の教授に「発達障害」なのではと言われる】
  ↓
【発達障害傾向持ちであり「ギフテッド2E」と発覚】
  ↓
【自己分析を進めつつ、理解者を増やしつつ生きることに。今に至る】

 
といったところだ。
 
 
 大学院に無事入学し、自ら成長しようと勉学やアルバイト励んだところで、「更生」は既に達成したと思われただろう。
 
 だが私にとっては、はっきり「自分が何者か」と知れたことが「更生」の終着点だった。
 
 
 不完全なままで良い。
 
 ただ、「なんとなく」な人生はどうしても嫌であった。
 
 
 しっかり自分自身を分かった上で、仲間達と共に生きていく。
 
 それが私にとっての理想だったからだ。
 
 
 その後、私は無事大学院を卒業し、再び就職することに成功した。
 
 大学院在学中は無駄にした大学4年間を取り戻すかのように猛勉強し、論文はもちろん、英語検定、中国語検定、漢字検定、ハングル検定、TOEIC……就職に必要だろうと思う資格を、取れる限り取った。
 
 就職活動を始めた最初の頃は、日本での就活ルールが分からず面接で失敗を繰り返し、何度も何度も「お祈りメール」をくらった。
 プレッシャーに潰されそうになったが、幸い、利用していたハローワークが新卒向けに就活サポートサービスを始めた。社会人マナー講座や履歴書添削、面接練習などだ。しかも全部無料で受けられた。
 
 そこで、なんとか内定をもらえた。
 
 
 私は障害者手帳を取っていない。
 会社も普通枠で入った。
 
 体力も無くメンタルも弱い故、他の社員と比べてしょっちゅう体調不良で休んでいたが、
 
・仕事が速い
・竹子さんにしか出来ない業務がある
 
という理由で、大目に見てもらえた。
 
 休み過ぎが原因で査定・昇給昇格に響いてしまったのは残念だったが、6年近く辞めずに続けてこられた。
 
 
 給与は決して高いと言えない職場だった。
 だが、社風が自由で、「やってみたい!」と提案した仕事はジャンル問わず任せてもらえたのだ。
 
 これが、私の社会経験の幅を大きく広げた。
 
 
 「なんか変わっている」ということで私を良く思わない人もいたが、それでも仲良くしてくれた同僚がたくさんいた。
 
 理解ある素晴らしい上司にも恵まれた。
 
 
 成功体験が増えると、人はより自由に大胆になれるもので、それが更に私の挑戦の輪を広げた。
 
 新しい趣味の開拓、インターネットでの創作活動、イベントの主催……
 
 色々やっているうちに、友達もたくさん出来た。
 
 
 「更生」は自分一人の力だけでは出来ない。
 
 もちろん本人の姿勢も大事だが、周りの理解、環境……そして、運も大事だ。
 そう言い切ってしまうと何の参考価値にもならないと言われそうだが、何だかんだ言って私も結局運に何度も助けられている。
 
 
 まずは、「幸運」
 
 日本に父の空き家がなかったら、
 ハローワークで就活サポートサービスをやっていなかったら、
 良い大学院と教授、職場に恵まれなかったら……
 
 どれ一つ欠けても、今の私はいないと思う。
 
 
 そして、「不運」
 
 ブラック企業に入らなかったら、
 体調不良を起こしていなかったら、
 いじめを受けなかったら……
 
 十分に現実に打ちのめされることなく生きていたら、そもそも「変わろう」「強くなろう」なんて考えもしなかっただろう。
 
 この「更生」ストーリーすら始まらなかった、ということだ。
 
 
 今までの人生における出来事、どれもこれも必要なものばかりだった。
 
 
 過去辛かった日々・教訓・黒歴史を忘れずに書き残そうと、始めたこの自叙伝連載。
 
 苦い思い出ばかりかと思ったら、温かい記憶もたくさんあって、支えてくれた人がこんなにも周りにいたことを気付かされた。
 
 『自分』・『他人』を味方につけること。
 
 『得意』・『不得意』を活用し、居場所を作ること。
 
 『幸運』・『不運』のどちらも、人生において不可欠であること。

 
 以上3点が、「更生」を通して私が学べたことである。
 
 
 これを読んでいる全ての方に、それぞれにとっての「生きやすさ」がありますように。
 
 長期間にわたる連載でしたが、最後まで読んで頂きありがとうございます!
 
(おわり)

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