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大学4年間実質ニートから更生した話

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教訓と、黒歴史と、苦い思い出と (全35話)
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記事一覧

35-幸運と不運、どちらも人生において不可欠だった

【前回のお話】 (1767字・この記事を読む所要時間:約4分 ※1分あたり400字で計算)  さあ、長かったわたくしの自叙伝も、いよいよこれで最終回。  簡単にまとめると: 【まともな大学生活を過ごさず、就活でつまずく】   ↓ 【紹介で入った会社で、自分が所謂「普通」じゃないことに気付く】   ↓ 【社会になじめず、体調不良を起こし実家で休養へ】   ↓ 【大学院に入学し、傍らアルバイトで社会経験を積むことに】   ↓ 【再度、自分が周りと何かが違うと認識

34-「ギフテッド2E」として生きていく

【前回のお話】 (962字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  「……とはいえ、生きづらさが存在していることに変わりはありません。   竹子さんの場合、発達障害の傾向もありますので『ギフテッド2E』に入ります。   『2E』は英語で『Twice-Exceptional』。つまり『二重例外』、という意味ですね」  「生きづらさも2倍だということですか……」  「いえ、工夫次第だと思います。   特に竹子さんは平均を遥かに上回っている

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33-もう一つの、驚愕の事実

【前回のお話】 (728字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  「ASD、ADHD傾向あり」  心理発達相談室の先生の口からそう伝えられた時、私は心が軽くなったような、胸のつかえが下りたような……そんな一種の安堵感を覚えた。  もちろん診断結果が分かったところで、今すぐ全ての辛さから楽になる、なんてことはない。  むしろこれからがスタートで、解決しなければならない課題は、依然として山ほど存在していた。  だが、それが具体的にどうい

32-私、発達障害かも?

【前回のお話】 (678字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  『発達障害』ーー  漢字だらけで難しそうな単語。  「障害」という重々しい2文字。  どれもひどく遠い存在のように思えて、すぐには自分自身とリンク出来ずにいた。  それでも何だか心に引っかかるものがあって、その晩、私は自宅のPCで発達障害について調べてみた。  最初はどんなものかと軽く知ろうとしただけだったが、次第に熱が入り、気付けば関連キーワードを片っ端から検索欄に叩き入

31-接客業チャレンジラウンドスリー:イジメ!

【前回のお話】 (1504字・この記事を読む所要時間:約4分 ※1分あたり400字で計算)  いじめの主犯格は、とあるパートの女性だった(Yさんとしよう)。  彼女を中心に、加えて1~2人ほどの共犯者がいた。だが、全員Yさんの圧に負けて仕方がなく同調しているような、そんな感じであった。  手口としては、 ・挨拶しても無視する ・乱暴な言葉であれこれ怒鳴りつけてくる ・何かにつけて叱ろうとする などなど。  他の人に対してなら見逃すような小さなミスも、私がやったと知った

30-接客業チャレンジラウンドツー:テンショク?!

【前回のお話】 (988字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  洋菓子販売のアルバイトを見事クビになった私。  くじけずに接客業に再チャレンジしようと、見つけた次のアルバイトはパーキングエリアの食堂コーナーでの「調理スタッフ」。  その名の通り、厨房でひたすら料理を作る仕事だ。  但し、ホールから言い渡されたメニューをただ黙々と作るようなスタイルではない。  ここの食堂コーナーは、直にお客様から食券を受け取る。  そして、その場で「ご飯大盛

29-接客業チャレンジラウンドワン:クビ!

【前回のお話】 (968字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  さて、突然だがこの自叙伝もそろそろ終わりを迎えようとしている。  一部読者の方は 「大学寮に閉じこもってゲーム・ネットサーフィン三昧だった人間がこのように向上心を持ち、無事大学院にも受かったのだから、十分『更生』はされたのではないか」と、 「これで『めでたしめでたし』で良いのでは」と、 密かに思っているかもしれない。  だが、前回のタイトルの通り、ここでようやく「更正」のス

28-いよいよ「更正」のスタートラインに

【前回のお話】 (664字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  しばらくは、ただただ呆然としていた。  「合格」の二文字。  そして、画面いっぱいに大きく映し出された「おめでとうございます!」のお祝いメッセージ。  すぐには受け入れられず、何度も何度も見直した。  繰り返しサイトに再アクセスし、受験番号を入力しては、確かに毎回同じ表示が出てくることも確認した。  ああ。  間違いなく、私は受かったのだ。  晴れて大学院生になったのだ

27-入学試験!やりきった!出し切った!

【前回のお話】 (739字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  「大丈夫、大丈夫ですよ。   今まで竹子さんはたくさん勉強してきました。   小論文の対策もばっちりです。きっと合格出来るでしょう」  S教授に励まされ、試験会場へと向かった。  20人分前後の席がポツポツと置かれている、小さめの講義室だった。  既に数人の受験生が着席している。  追い込みをしているのだろうか。中には眉をひそめて必死に参考書と睨めっこしている人もいた。  

26-時間に追われる毎日、あっという間の1年目

【前回のお話】 (860字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  バイトが見つかった。  一旦は研究生としてだが、無事大学院で勉強出来るようになった。  「上手くやっていけるのだろうか」「大丈夫なんだろうか」と考える暇も無く、次の日から、常に時間に追われる日々が始まった。  バイトがある日の起床時間は、朝5時だった。  ささっと朝食をかきこんだら大急ぎで支度し、寝ぼけ眼でそのままバイト先へと向かい、不足している睡眠時間を送迎バスの中で満たした

25-新しい学生生活のスタート!!!

【前回のお話】 (841字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  温かい笑顔に迎えられ、研究室に入った。  きっちり整理された本棚や資料ラックを見るだけでも、S教授が如何にしっかりとした方なのかが分かった。  「竹子さんですね?お待ちしておりました」  来客用のソファに案内され、自己紹介も兼ねて、より詳しく大学院に入学したい理由やこれからの目標についてヒアリングを受けた。  「こんな動機はどうかと思いますが、日本で再就職する為に、日本語を

24-派遣会社に登録、そして大学院へ!

【前回のお話】 (871字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  後になって知ったのだが、私が応募したのは派遣会社だった。  所謂「面接」というのも、実は派遣会社への登録説明会。  会社案内やら派遣システムやらについて延々と聞かされた後、名前や住所、連絡先を記入するよう登録用紙を渡された。  記入済み登録用紙と引き替えにログインIDとパスワードが付与され、最後にシフトサイトの使用説明を受け、「面接」は終わった。  そう、ここの派遣会社のシフ

23-新フィールドでの第一歩!

【前回のお話】 (942字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  鏡の前で何度も何度も身だしなみをチェック。  カバンの中に履歴書と筆記用具がきちんと入っているか。  忘れ物はないか。  一つ一つ念入りに確認した後、グイとドアノブを回した。  心が躍っていた。  (いざ、人生の第二章の始まりだぁ!)  ーーなんてふざけたことを考えながら、玄関の外に出た。  晴天。  初夏の日差しが異様にまぶしく、それが私を更にワクワクさせた。  

22-人生が好転し始めた!

【前回のお話】 (869字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)  「はい、○○店です」  「あ……あのっ!」  (大丈夫、大丈夫)  自分を落ち着かせながらも、慌てて手元にあるセリフのメモ書きを見る。  「お忙しいところすいません!わたくし、竹子と申しまして、○○バイト誌に掲載されている募集を読んだのですが」  「あ、アルバイトの応募ですね。ありがとうございます。えー、では……」  想像に反して、応募はすんなりと進んだ。  特に何か言わ