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クズ男が様になり過ぎる男、菊池風磨。映画『もっと超越したところへ。』感想

これ、もっと話題になっても良かったんじゃないの?

4者4様のクズっぷりが最高

前田敦子・菊池風磨・伊藤万理華・オカモトレイジ・黒川芽以・三浦貴大・趣里・千葉雄大という豪華キャストで描く恋愛劇。
これ、原作は舞台なんですね。ぽいわ。笑

まず、出てくる男が揃いも揃ってクズなのが最高です。
しかも、そのクズ具合も4者4様。
日本って、本当色んなタイプのクズがいるよね。
多分、クズ男のバリエーションなら世界一の国なんじゃないかな。

個人的に、特にお見事だったのが菊池風磨と千葉雄大。
菊池風磨が演じているのは、バンドマン志望でライブ配信の投げ銭で生計を立てているヒモ男。
正直、設定から絶対ハマるだろうなと思ってはいたんですけど。思っていた以上でしたね。笑
束縛の仕方、追い詰められた時の逃げ方、すべてに説得力がある。
多分、風磨はどこかでヒモやったことあります。それぐらいハマり役でした。

で、千葉くんが演じている同性愛者ボーイはもっと悪質。
天使のようにかわいい笑顔で、えげつないこと言う。
これはね、本当見てほしい。僕の文章力じゃ彼のクズさを描写し切れない。
本当、あのかわいい顔であんなリアルにえげつない行動されたらねえ…

女性陣ですげえなあと思ったのは前田のあっちゃん。
AKBを卒業した後、色んな映画に出てましたけど。キャリアを積んで、確かに女優として成長してきたんだなあって良く分かりました。
根は真面目だけどちょっと面倒くさくて、ダメ男に引っかかってしまうことが頷ける説得力。
怒鳴ったり、がなるような演技が多いのに不思議と耳障りじゃないし。
実力揃いの女優勢の中でもキラリと光る存在感でした。


ラストのトンデモ展開、演出を受け入れられるかどうか

本作のラストは、大きく賛否が分かれるポイントだと思います。
なんせ、そこまでのあり得ないけど極めて現実的な演出から突然跳躍するようなトンデモ展開、大胆な演出。

僕は、結構受け入れられたんですよね。
「サマーフィルムにのって」のラストとか、あんまり合わなかったんですけど。この作品は何かうまく乗っかれました。
多分女性キャスト4名の演技が上手くて、勢いに吞まれたんでしょうね。笑
あとは、舞台が原作ってことでこの演出が馴染んでたってこともあるのかな。

まあ、落としどころはよく分かんなかったですけども。どう考えてもハッピーエンドではないよな、これ。

あと、この作品美術のレベルが高いと思います。
ラストシーンで分かるんですけど、4つの舞台って並べた時にバランスが良かったり、色味で違いが識別しやすいように計算して作られているんだなーって分かりました。

暇つぶしがてらに観てみたんですけど、意外と秀作だった。
色んなタイプのクズ男を楽しみたい人は是非。

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