“おしゃれキング”にはなれなかったけど。
我々30代が若い頃憧れたのが、”おしゃれキング”。
僕と同世代の女性や、20代以下の方は知らない人も多いかもしれない。
“おしゃれキング”は、20年ぐらい前にめちゃくちゃ流行ったサロン系ファッション誌『chokichoki』に出ていた人気読者モデルの総称だ。
おしゃれキングの中でも最もカリスマ性があったのが、ヘアサロン・SHIMAでクリエイティブディレクターとなった奈良裕也だろう。
小柄ながらも個性あふれるファッションで人気を集めた彼は、今やレディー・ガガのヘアメイクを手掛けるカリスマ美容師となった。
2000年代後半からは、かわいい顔立ちにフェミニンなファッションで支持を集めた千葉雄大がおしゃれキングを牽引した。
知らない人はいない程の人気俳優となった彼も、元々は『chokichoki』出身の読者モデルだった。もうこれも13年前。時が経つのは本当早いなあ。
10代の頃の僕は、彼らのようなオシャレな若者に憧れていて。
今振り返ったら、結構無茶苦茶な服を色々着ていた。
わけわからないボロボロの生地で、発色の良いイエローのパーカーとか。
どこが良いかわからないぐらい色落ちしてダボダボのデニムとか。
今見るとちょっと見苦しいぐらい試行錯誤していた。
人が着ない服を着て、オシャレと思われたい。
自分のセンスを見て欲しい。
そんな自己顕示欲が服装にも良く出ていたと思う。
振り返ったら、結構恥ずかしい。
でも、若いときなんて誰もがそんなもので。
人とは違う自分、というものを周りに認めてほしくて。
自己アピールとして色んな服を着ていました。
正直、あの頃の無茶苦茶やってた時期があるからこそ今もファッションを楽しめている気がするんですよ。
ああいう時代があって、今のシンプルに帰結した僕がある訳です。
大人になった僕は、憧れていた”おしゃれキング”にはなれなかったけど。
でも、ファッションを楽しむマインドは得ることができた。そんな気持ち。
だからこそ自分が憧れていた、カッコよくなろうとするきっかけをくれた”おしゃれキング”たちには、今でも感謝している。
実家に帰った時にボロボロの雑誌をめくると、何ともエモい気持ちになります。
この気持ち、分かってくれるアラサーは誰かいねえかなあ。
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