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紺太郎の詩

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このマガジンには、詩を纏めて置いておきます! 読んでみてね!!
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記事一覧

掌編版『書けなくなったラブレター』

掌編版『書けなくなったラブレター』

「あなたのことが大好きだった」

私は右手にペンを持ち、言葉を綴る。

好きな気持ちを伝えたかった。
でも、勇気が出なくて手紙にしようと決めた。
本人の目の前で想いを告げられない、こんな臆病な私の想いを筆に乗せて。

筆を進めて言葉を綴る。
そんな最中にある事に気がついた。

「本当に好きなのかな?」

あなたへと向けていた想いへの疑問。
私はなぜ、あなたのことを好きになったのだろう。

「なんで

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『止まずに沈む』

『止まずに沈む』

雨が止まなかったの。

一日一日、過ぎてゆく時間。

賑やかな人並みが無くなった。

歩いていた道が沈んだの。

見慣れた景色が沈んだよ。

大きな大きな、水溜まり。

そこには、私たちの元住処。

今は丘から眺めているよ。

僕は飛び込んで泳いでる。

水溜まりの中の元住処。

『校舎の外で』

『校舎の外で』

決められたルールーに縛られて。

右と言えば、右を一斉に向くの。
左と言えば、左を一斉に向くの。

一年間も同じ場所、同じ人たち。

私は自由を欲するわ。
校舎を出ればヒトリだよ。

個人の中のヒトリなの。
大きく翼を広げて羽ばたくわ。

私はココから飛んでゆく。
遠くへ遠くへ、飛んでゆく。

何にも縛られない場所へ。

『廻り巡った夏の日』

『廻り巡った夏の日』

一日一日、過ぎる時間に身を任せ。

一月一月、進むカレンダー眺めてる。

四季の中から引き出した夏を見る。

六月の梅雨、七月の海開き。

夏色濃くなる八月の猛暑。

一年毎に見える景色が変わってる。

同じ“夏の季節”の筈なのに。

輪廻のように夏の生が巡ってる。

肌を晒して、風を受けて過ごせるね。

涼しい風が迎えに来たよ。

夏終わり。

『癒しの水中』

『癒しの水中』

私は今、水の中だよ。

放課後のプールに一人。

制服のまま、跳び込んだ。

熱に侵されて上がった体温。

冷たい水で下がっていくの。

水中の景色に心も澄んだ。

酸素を求めて顔を出す。

吹いた風が気持ち良いな。

私の身体は水の中だよ。

ひんやり私を癒してくれる。

『高い景色』

『高い景色』

日常を気まま生きていて。

何だかなって、ふと思うんだ。

楽しくないと感じる毎日。

楽しみ方を忘れてる。

何も考えたく無いから。

気の向くまま、求めるままに。

歩いて歩いて、歩いたの。

辿り着いたそこは高い場所。

下を見れば、死が目の前だ。

飛び降りたらどうなるのかな。

『空宙落下』

ゆらゆら宙で揺れている
それは空中ブランコ。

ワタシは乗るよ
そして空を漂うの。

飛ぶのは疲れたの
漂い、そのまま落ちていく。

空の声で目を覚ます
帰ってきたの、現実に。

Twitterにも投稿している自作の詩です。

『空中落下』long version

ゆらゆらゆら、宙ぶらりん。
ゆらゆらゆら、揺れている。

それは空中ブランコよ。

ゆらゆら揺れてるブランコに私は乗るの。
勢いよくお空を漕ぐの。

足をゆらゆらさせながら
ブランコゆらゆら揺れている

ゆらゆら揺れるブランコに私は乗ってるの
私はお空を漂うの

お空を飛ぶのは疲れたの
フヨフヨ漂うの

私はそのまま落ちてゆく
下へ下へと落ちてゆく

何層もの雲を抜けて落ちてゆく
下には広い海

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『女王の劣情』

嗚呼
貴方が欲しいのよ
私は手を伸ばして
彷徨わせるの
嗚呼
貴女が妬ましいのよ
欲しい彼を
手に入れたいの
黒く渦巻く
情の塊が
心が感情によって
支配されていく
醜い心を
押し込んで
彼への想いを
募らせる
あの娘がとても
妬ましい
彼は私のモノ
そこを退け

『幻想ルーム』

ピッ、僕の電源OFFにした
ONになったスイッチは
心の中で起動する
目に映るのは幻だ
嫌な世界を遮断する
そこで創ろう、僕の世界
住人をゼロから創りだす
好きなモノだけ詰め込んで
僕の妄想実現するの
僕だけ喜ぶ世界なの
誰の声と通さない
僕が創った僕だけの。

『小さな命』

私は人である。

人類として生まれ、人類として育った。

生誕を済ませてゆっくりと、自我を芽吹かせる。

小さき身体が時間と共に成長するの。

母親の母乳を与えられすくすく育つ。

感情の表現は笑うか泣くかの二択だよ。

言葉を知らぬ時から既に、選択を迫られる。

お腹が減った、疲れた、眠たい、オムツを変える。

自分ではない誰かに世話をされなければ、満足に生きてゆけない時期なんだ。

一年の時が

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『待機世界』

今か、今かと
待ちわびる
世界が壊れてゆく
その時を
徐々に毒が
回ってゆけば
朽ちて亡くなり
世界は終わる
準備している
私たち
今か、今かと
待ちわびる
世界が破滅した
その時を
造り変えたよ掌に
世界の種が根付く
彼は居場所を探してる
待機してるよ
この世界

『自傷の末に』

僕は今日まで耐えてきた
傷に塗れた心でね。

生と死の二択が人生だ。

痛くて痛くて逃げたくて
全てを無かったことにした。

それでも傷は広がるばかり。

二択を選択する時が来た。

僕は選んだ、死の選択肢
喉を引き裂き、この世と別れ。

ーーー
生きるのに疲れて、自殺に追い込まれてしまった人の死ぬまでの過程をストーリーに込めてみました。

『スケッチブックに涙』

両腕でギュッと抱きしめたんだ
真っ白の紙が綴られたスケッチブック
心で感じたことをそのままに
目で見たことをそのままに
鉛筆削って線を描くの
インクを落として心を描く
悲しくも哀の感情が色となる
黒で描いた絵に色がつく
情のメーター振り切った
溢れた涙がが止まらず落ちてゆく
描いた絵に涙が落ちる
線は涙で滲んだわ
落ちた涙で線をぼかす
心の動きが写し出されたね
スケッチブックを閉じましょう
私の心

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