『小さな命』
私は人である。
人類として生まれ、人類として育った。
生誕を済ませてゆっくりと、自我を芽吹かせる。
小さき身体が時間と共に成長するの。
母親の母乳を与えられすくすく育つ。
感情の表現は笑うか泣くかの二択だよ。
言葉を知らぬ時から既に、選択を迫られる。
お腹が減った、疲れた、眠たい、オムツを変える。
自分ではない誰かに世話をされなければ、満足に生きてゆけない時期なんだ。
一年の時が経ち、歯が生えてゆく。
乳からも離れる時期になり離乳食へと移行する。
この頃からはチャレンジ精神が芽生えるの。
目につくモノを触りたくて、床を這う。
はいはい出来て褒められる。
すると釣られて赤子は笑う。
ニコニコニコニコ絶え間なく、笑ってる。
時には泣いて、笑ってる。
そこから半年経つ頃に立つための練習だ。
物に捕まり立とうとするの。
上手くいかずに転んでしまう。
痛くて、ぎゃあぎゃあ泣いちゃうの。
誰かがゆっくり宥めるの。
何度か失敗を繰り返すのよ。
挑戦の末、捕まり立が出来ました。
物を伝って歩いてみたりしています。
できることが増えてゆく。
未知な体験楽しいみたい。
きゃっきゃきゃっきゃと、はしゃいでる。
生誕二年目どうなるかしら。
赤子はただただ生きている。
起きて、食べて、泣いて、笑って、眠って。
それらを繰り返して生きている。
まだまだ楽しいことが待っている。
自我が根付くその日の先を夢みよう。
今日も赤子は無邪気に笑う。
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