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「理由を説明する方法は4つしかない」ショーペンハウアー 根拠率の四つの根について

かつてショーペンハウアーは言った。

「理由を説明する方法は4つしかねぇよ」
−根拠律の四つの根について−

それは次の4つだ。

Becoming、生成の根拠律
  →「結果には必ず原因がある」
Knowing、認識の根拠律
  →「判断の根拠には、何かの原則やルールがある」
Being、存在の根拠律
  →「世界は、時間と空間に制約されている」「相互関係こそが理由になる」
Willing、行為の根拠律
  →「行為には何か動機があるはずだ」

文末に、理由を推測する四種類の方法もまとめといたよ。

以下解説


Becoming 生成の根拠律 


「結果には必ず原因がある」
=結果に先行して原因がある、時間的に逆行はしない
原因→結果 ◎正解!
結果→原因 ✖アウト!

別名で因果律と呼ばれてる。

"哲学で、すべての事象は、必ずある原因によって起こり、原因なしには何ごとも起こらないという原理。"

コトバンク 因果律より

要するに因果とは
Aの根拠はB、Bの根拠はC、Cの根拠はD…
A→B→C→D→…と続いてゆく、原因の連なりのこと。

原因と結果の推論、変化をとらえる推論に関わるね。

ショーペンさんは、因果には3種類あると言ってるらしい

  1. 原因―結果(特に自然科学、物理学)

  2. 刺激―反応(特に化学、生物)※1

  3. 条件―帰結(動機づけ、歴史と政治)※2

※1 刺激と反応の例
→お花に水を過剰にあげると腐る
→化学変化で電気分解するとき、分解しきらない電解質が残る

刺激と反応の場合、作用と反作用にズレがあるケースが出る
ゲームのように、経験値を稼ぐぶんだけ強くなる、とは限らないパターンだね

※2 条件と帰結が、なんで動機づけになるの?
→数学証明みたいな考えをしている。

人間の価値観を公理、定理と考えて、行為の動機を推測してるのかも?
価値観≒定理や公理
行為の動機や意図≒証明の結論

犯罪者心理のプロファイリングは数学証明的かもね。

Knowing 認識の根拠律


「判断の根拠には、何かの原則やルールがある」
論理の推論、判断の根拠

論理的な判断には4種の根拠がある。ペンペンさんが言っていた。

  1. 別の判断、論理的真理

  2. 経験則、経験的真理

  3. ア・プリオリな総合判断、先験的真理(そんなん当たり前やろ)※

  4. 思考の根本条件、ex)同一律、排中律、矛盾律、根拠律(充足律)※

※ア・プリオリな判断とは?
そうなるからそうなるとしか言えない根拠。別名そんなん当たり前やろ根拠(俺が造語した)
Examples
・二等辺三角形:なんで2つの角が等しいと2つの辺も等しいの?
  →そうなるから
・どうして3×7=21なの?
  →そうなるからだっつの。
・「原因なしに何かが生じてくることはない」ってホント?結果が原因を生むホニャホニャ←おまえさん、うるさいんじゃ!黙れ!

※思考の根本条件、補足
・同一律a=a「猫は猫だろ」

・排中律、AかAでないかのいずれかである
→「ソクラテスは、死ぬかあるいは死なないか、どちらかである」

・矛盾律、Aは非Aでない。
「この花は赤いし、この花は赤くない!」←何を言うとるんや?アホか?

「花が赤い」と「花が赤くない」2つは同時に成り立たない(色即是空にブキ切れそうだね)

・ペンさんの4つの根拠律も含む。
「時間と空間はあるし、犯罪には動機があるし、結果には原因があるんだ!」


Being 存在の根拠律


「世界は、時間と空間に制約されている」

時間と空間の制約ってなにさ?

時間の制約=過去があるから、現在と未来がある。過去という根拠がある

・空間の制約=あの存在とその存在の相互関係が根拠になる。AとBの相互関係が根拠
ex)位置Aと位置B、上と下、右と左、点と点、線と線、角と角、面と面…

恐らく、AとBの存在同士が絡んで根拠になることを存在beingと呼んだのかと思われる。

「相互関係こそが理由になる」
相互関係の推論、数と空間に関する推論、数学的な推論だね。

Willing 行為の根拠律


「行為には何か動機があるはずだ」
(意図を推論する、動機づけの法則)

動機の推論の根拠のことだね。

人間心理のアブダクション(仮説形成)、心理洞察の前提になってるね。
「〇〇なら、この人の行動がうまく説明できる!」
「どうせお前〇〇だろ!」

「犯罪者には、犯罪をするだけの理由があるはず」
ニュースでよく見ますね。ただ、軽率に、アニメやマンガを原因に結びつけるコメントは馬鹿ですよ。
第三原因がないか考えてほしいね(疑似相関を知らないの?)


まとめと、役立つリンク集


ペンさん「理由を説明するやり方は次の4つだ」

  • Becoming  事物の変化には原因がある

  • Knowing 論理的な理由がある

  • Being  相互関係こそが理由になる

  • Willing 動機こそが理由になる

このことから、理由を推測する方法も四種類に分けられる
Becomingは純粋な原因の推論
Knowingは論理の推論判断根拠の推論
Beingは相互関係の推論、特に数と空間
Willingは動機の推論、心理洞察


ペンペンさんは、学問の分類もこの4つで分けられると考えてたけど、詳しくはこのサイトへどうぞ。


詳しい説明、英語wikipediaや論文でまとめられているから、そちらどうぞ


どうしても読みたいなら
→根拠律の四つの根は、最新翻訳があるから、図書館使って借りてくればいい。


後でタイプ論と対応させた記事も書いとく

プロトタイプだよ


ショーペンハウエル解説

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