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mysterious.

わたしはなぜだか、mysteriousなものに惹かれることが多いみたい。

好きな小説。好きなイラスト。好きな音楽。好きなアーティスト。

ずっと好きで、片思いしていた人。

mysteriousといっても、

まったくその存在の全体像が見えないわけではない。

ある部分で自分自身と強く共鳴して惹かれあっている、そんな感覚は確かにあるのだけれど、

その"ある部分"を除いてしまった途端、まるで
蛍みたいに、その存在は、光って、消えて。

その繰り返し。

光って、消える。

光に照らされている時だけ、その不確かで疎らな存在の正体を、匂いを、わたしは微かにだけれど、感じることができる。

そして最後にはその光の残像さえ掴めなくなって、

そこに確かな形として存在していたものが、

ぐにゃぐにゃして、ふわふわして、もやもやして、

シャボン玉みたいに、サイズもバラバラな、丸い球体の形に分かれて宙を舞って、次第には

「ポシャンッ」

って音を立てて、完全に、消える。


わたしが頼りにしていた微かな存在が、そんなふうに完全に消えてしまっても、この世界は、夢なんかではなかなか終わらせてはくれないみたいですね。


わたしが好きだと思った人は、決まってそのようなmysteriousな存在だった。

なぜだろう、ね。

今思うと、私が私自身のことをmysteriousな存在なんだと、強く認識して生きていたのかもしれない。

「はい。わたしは、変わり者です」って。

自分のことを知れば知るほど、自分の知らない部分は増えていって、より自分という存在がわからなくなって、見えなくなって。

そんな歪な自分の存在を、理解してくれる人を、無意識に求めているんだろう。


でも「理解される」ということを望めば、自分はより相手のことを理解してあげるのが難しくなる。

これは、変わらない事実だ。

理解してもらっているから、理解してあげよう、と思うのが自然な流れなのだけれど、

相手の、その疎らな存在が、わたしと相手を繋いでいる今にも消えかかりそうな透明な命綱のようなものを、

「プチンっ」

と、なんの前触れもなく、切ってしまうのだ。


ねぇ。君は、まるで蛍みたいだ。

光っては、消えて。

惹かれては、切れて。


わたしは、そんなmysteriousなあなたの存在を、それでも掴みたいと、掴んであげたいと、

そう思っているのです。

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