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Gravity.

生きることと、死ぬこと。
それは、地球と月が引力で引っ張られているみたいに今にもはち切れそうな糸で、繋がっている。

それはまるで、1度落ちたら落ち続けるしかないような、底のない真っ黒闇の上で綱渡りをしているみたい。

こわいのか、こわくないのか。
わたしにはよくわからないけれどそれは、
デパートに出かけて、下階を見下ろしてるような感覚とおんなじ。そこに待っているのはHappyな恐怖と、Brightな絶望。

底のある人生の方が確実に死ぬことができて、楽なんじゃないのかなんて、今まで何回考えただろうな。ああできるならいっそ誰でもいいから、この私を奈落の底にまで突き落としてほしい。絶望的なシチュエーションの方が、よりヒステリックになれそうじゃん。そうでしょ、神さま。

そう。わたしに何かの感情を引き起こしてくれるのなら、それは死であろうが、生であろうが、大した問題じゃないんだ。

意味わかんない。ねえ、怒るなら、このわたしをムカつかせるくらいに怒ってよ。わたしはキミがいったい何に怒りを向けたいのか、まったくわからないよ。君を前にしたって、わたしは何の感情も起こらない。そんな自分が醜くて憎くて、嫌。嫌。嫌。

見憎いこの世界では、時代が思想を生み出して、罪深き人間を動かしている。生きづらさだって所詮はその時代の思想に紐づいたものでしかなくて、わたしは他人の悩み相談を耳にするたびに、「またか」と思って、無気力になる。こいつもまた、時代に操られた踊り子の1人なのか、と。ああ、まともな世界なの、?ここは。生きてる心地がしないよ。教えて、神さま。わたしの心が再び鼓動をし始めるのは、いったいいつなんですか。

あはは。世の中の男たちって馬鹿みたいにシンプルだ。だって、わたしが近づいて身体を寄せただけで動揺して熱くなって、鼓動が早くなっているんだもの。わたしはそんなふうに他人の感情の波を間近で見ているのが好きなんだ。わたしにもちゃんと感情があるんだって思える。わたしもちゃんとこの世界で生きてるって思える。こんなわたしの身体にもほんの少しの温かさが残ってるって、そう思える。

だとしても、それはVanilla iceをスプーンで1杯掬ったくらいの微々たるものに過ぎない。モノや情報に溢れてしまったこの時代で、そんな小さなものを本当に欲して、掬ってくれるような人はいないと思う。

誰かに掬われるまえに、溶けてしまうんだ。

ざらつきと滑らかさが濃厚に混ざり合って、最も舌触りのよくなるあの瞬間に、orgasmはやってこない。わたしはどうせ、カップの中に溶け残ったベトベトなice creamなんだ。

そんなiceを誰が食べたいと、そう思うのだろう。

 ああ、人独りではこの世界で存在しているって実感出来ないからわたしは誰かの被写体になって、相手の世界にどっぷりと浸りこんでみたい。そしてそのまま世界中から涙が零れ堕ちて出来た孤独な感性の海の中で、溺れ死んでしまいたい。だけど、たとえわたしがその裸体を公に晒しあげたとしても、この世界の絶望は微塵も表現することが出来ないだろう。だって、わたしなんかが思いつける程の絶望なんて、とっくの昔に詩人の誰かが表現しているに決まっている。

ねえ、誰かを好きになることは、こんなにも身体を掻き毟りたくなるような感情で満たされているの?

知らなかったよ、

わたしは10代のあいだ、誰かを追いかけることを忙しなく求めてた。こんな未熟でNormalな自分を好きになってもらうために、必死で誰かを小さな目で追いかけていた。そうしてようやく今になって、他人に好きになってもらえる自分になった。だけどもうその時点で、好きという感情の定義はまるっきり変わってしまっていた。わたしはそのとき既に、好きを掻き毟りたい気持ちでいっぱいだった。

そして、わたしには薬が必要になった。
塗り薬を身体にベトベトに塗りたくることで、その痒みから一時的に、逃れることができた。

どう考えても、それは最低な行為だった。

そうするしかなかった。抑えられなかった。
考えないようにすればするほど、考えていた。
1人だけを好きなままでいるなんて、無理だった。
1人に好きを向け続けられるのが、怖かった。

わたしはBorderlessに染まりきった人間。

たとえばわたしの前に1つの規則があるとしたら、わたしはそれを全て破戒することを望む。

もしも此の世界に愛の倫理があるのなら、
それを真っ向から否定し、新たな愛を創造する。

もしもそこに1つの群衆があるのなら嫌悪して、
わたしは個であることを求め続けるだろう。


君は、自分の弱さを引き受ける意志があるの?
ここには助けの手を差し伸べてくれる人もいる。

だけどそれはすべて、矛盾だらけの隠喩。
人間は、空腹に飢えた獣なんだ。

だれも他人の心配なんてしちゃいない。
だれも他人の話なんて聞いてやしない。
どいつもこいつも、わたしを矛盾に塗れた人間なんだと、肯定してはくれない。気づきもしない。

この世界でまともに話せる人間なんて、いない。
そんな世界で、生きていく意味を、ください。

もう、わたしを、壊して、ください。


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